都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

新春

2015-01-01 05:36:25 | マクロ経済

 あけましておめでとうございます。

 今年も当ブログをご愛読ください。

経済の環境はバンド・ワゴン経済の終焉を感じます。行動経済学でNot be Fooled(だまされない)段階かと思います。

金融緩和政策の限界でもあり、インフレなら「期待に基づき」、中期金利が上がらないとおかしいが、10年国債は0.314%と未曾有の低さだ( http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/jgbcm.htm )これはインフレ期待などどこにもない、または日銀の買い占めで実際の利回りとの格差(売る場合に期待インフレがあると日銀の大損)がある。

行先のない、じゃぶじゃぶマネーが不動産取引に流れ、高騰を誘う。株高で資産保有者はキャピタル・ゲインを享受するのが唯一の資産効果だ。おかげでデパートでは呉宝美(呉服、宝飾、美術:ごほうび)が好調だ。

 

量的緩和の収束の出口戦略とバブル崩壊防止が必要だ

コスト・プッシュ・インフレ 吉野家の牛丼値上げ(27%) 米欧の輸入品値上げ(円安)Dynaudio も10%以上値上げになっている。

エネルギーでは関電の10%超値上げ、唯一ガソリンだけが値下がりの効果で息をつないでいる。所得水準は停滞しており、インフレ貧乏が感じられる。唯一の所得拡大には、ボーナスは上げるが、賃金は上げない(下方硬直性があるため)、法人の内部留保の拡大と借入金の返済のみ進行している。

特に低賃金層の賃金上昇と正社員化が政策として求めれれる

まさに、格差の拡大は 21世紀の資本 トマ・ピケティ指摘の通りだ。GDP拡大の「量」から、配分の「質」への転換は、この前のリーマン・ショックでの金融の「強欲」と「政府救済」の批判にも対応していない。

中期金利の停滞は現預金資産目減りと株・不動産志向で持てる者と持たない者への分化が進む。特に教育格差は深刻だ。教育投資は15%以上のリターンがあるとされ学歴・学校格差も進む。教養 絵画や書棚のある家庭とない家庭の教育格差から正社員とパート・タイム格差、そこからのキャリア・パスまで差がつく。

 欧米での金融過保護政策からの脱却と、教育費用、ローン、奨学金充実が必要だ

ロールズ正義論(第二原理) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E7%BE%A9%E8%AB%96_(%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA) の実施が不可欠と考える。

機会均等原理:社会的または経済的な不平等を機会の均等を図りつつ、最も不遇な層の利益を最大化する

格差原理:結果的に発生した社会的・経済的不平等について、最悪の状況から可能な限り改善する

金銭的な補助より、「持たない層」の教育と能力育成が課題だ。社会全体での生産性拡大と幸福の増大となる。

都市経営においても、都市間格差で東京集中の是正が、60年代からの懸案事項でまったく改善されていないが、補助金付の移転誘発が考えられている。

むしろ、関西は住環境や交通機関、歴史のアメニティを売り物にすべきと考える。これは、とあるコンサルと本年計画を進めるつもりだ。

社会格差は政治の役割だが、都市間格差や分散は都市経営を学ぶものとして前向きに取り組みたい。

コメント
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