都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

昨年読んだ本

2015-01-02 05:37:53 | 都市計画

 昨年は、310冊で少な目。あたりの本が少なく、途中でやめた本も多かった。出版の質の低下を感じる。そのなかで大御所は安定している。但し、東野圭吾は矢継ぎ早の出版だがいまひとつばかりだ。一部のマニア向けのメタ・ミス、時間や主体の変化を試行している作品は「箸にも棒にもかからず」で苦痛だった。    

素直な調理でまっとうな料理が好きだ、本も同じだ。

マクロ経済では:

・イノベーション戦略の論理 原田勉 MOTの泰斗、分かり易く凝縮している。使える技術革新と企業運営方策

・青木昌彦の経済学入門 青木昌彦 名作で制度学の泰斗、知的興奮がある

・年収は「住むところ」で決まる         エンリコ・モレッティ 地価が高くても、クラスターは人的資産で波及効果の大きい知的産業が集積、住みやすさでも大学でもない

海外ミステリでは、笑えるのと、シリアスと、シリーズものでエスピオナージも復活したのが特徴

・秘密資産             マイクル・シアーズ 元証券会社で罪を犯した主人公が、自閉症の息子と前妻、彼女との葛藤のなか、ポンジー金融の隠れ資産をマフィア、FBIと探す

・凍氷 ジェイムズ・トンプソン ベティ・ペイジ似の妻がそっくりの愛人と夫に殺される、警部の祖父の罪、妊娠した妻への思いとアメリカからの義弟・義妹、メンサのバディ、ストレスの極致

・もう年はとれない ダニエル・フリーマン 大笑いの年寄元刑事がイケイケで孫と捜査、おかしみのある妻、怪しいユダヤ・コミュニティ、次作が待たれる

・瘢痕 トマス・エンゲル 顔に火傷をおい、息子を亡くした記者が猟奇殺人事件を謎の協力者とともに解決、次々重なる怨恨や動機

・ピルグリム1 名前のない男たち テリー・ヘイズ          エスピオナージは久々、楽しめるが、省略が多い。続編が楽しみだ。

独自のSF、ハードボイルド警察ものは相変わらず面白い

・機龍警察 未亡旅団          月村了衛 哀しいチェチェンの少女テロ、、ロボット機龍警察の哀しみ、許すか罰するか、恋と警察、警察内部と政治の裏切り、最後に親子と信頼がつながる

日本ミステリはほのぼのものが多い、また大作家のお笑いものとして藤田と高村は必読

・忘れ物が届きます             大崎梢   昔の謎が解き明かされ、その頃の人間関係、事情があった、とくに沙羅の実は成り代わりがあり傑作

・女系の総督 藤田宜永 女系の中で一人男、母、娘、妻と浮気、後妻、ボートの娘との幼い頃の思い出が立ち直らせる

・四人組がいた。 高村薫 高村が限界集落を舞台に妄想の限り、これは新境地だ、どんどんやってほしい

・マル合の下僕 高殿円 講師の苦悩、ネグレクトされた甥、研究と企業、コネ、なんとも生々しい大学の中

警察もので出色

・テミスの剣 中山七里 冤罪と警察の偽証、自白誘導、真犯人の発見と警察・検察・裁判官の影響、真犯人の殺人と犯人と誘導者が意外

趣味の色街と音楽では次のもの

・パリ、娼婦の街 シャン=ゼリゼ  鹿島茂  碩学の商業の発展と私娼の増加、多岐の業態、高級娼婦への道、リクルートと日本文献が笑える

・すごいジャズには理由がある           岡田暁生、フィリップ・ストレンジ クラシックとジャズの関係、ビバップ、モダン、フリーと変化、即興の変奏曲、黒人問題、麻薬、観客と楽しみかた、70年代以降は人気がない

 今年はもっと楽しい本を選んでみたい。読んでいて、あわないと感じたら止めるのも判断だ

コメント
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