クリスマス・イヴに梱包から出し、セッティング。重い、二重梱包を解くのに子供と協働で1時間。スパイク(太い方)を履かせて、コードをつなぐ。流石WBT、Yラグをしっかりくわえる。今年からの値上がり前に買えて良かった。
色はローズウッドで深みがある。平面形は後ろが狭い扇型でDynaudioにしてはサファイアを思わせる異形。前の角が落とされており回析効果の低減と、左右の面での共振防止効果を狙っている。重さはAudience80とさほど変わらないが、エンクロージャーは強靭になったようで固体音が少ない。置いてみるとなにやらかわいらしい。細くなったサランネットも下までつながっていて、浮かせており左右の隙間からユニットが見える。(サランネットが固いはめ込みで、初めて上から反らして外していたら折れてしまった、ひとつづつ外すのが良いようだ)
ネットワークは12dB/oct 470Hz と2.400Hz。対してAudience80は 6dB/oct (ツイーターのカットのみ12dB/oct)カタログでは580Hzと2,100Hz(とあるがネットワーク定数逆算だと300Hz と3.000Hz)に比べ急なフィルターでユニットのつながりよりも明瞭度重視だ。しかも、実際は15W38の帯域が狭い、つまりは、12dB/octフィルターによりウーファーとツイーターの負担が減少するため上と下の帯域を広げたと考えられる。Audience80は15W38の広い帯域の両端にウーファーとツイーターを6dB/octのフィルターでかぶせたような構成で滑らかさとDynaudioらしさがあった。対して、Focus 340は近代的な音の整理と透明さがあり、更にネットワーク設計の妙かユニット間の繋がりが両立している。
吉田苑のOberon化は10万円で、直列素子では、もともと良い素子であり、巻線抵抗に取替え、パラで良質コンデンサー追加、コイルのエポキシ固め、吉田苑オリジナルの単線に張り替えた。さらに振動対策としてターミナル・ボードをアルミのオリジナルに交換しWBTターミナル、ダクトのダンプなどだ。おかげで一層、夾雑物が減り、透明な鳴り方になったと思われる。(オリジナルと比較できないため)
鳴らし込みの必要なユニット群であり、まだまだ本領発揮ではないが、滑らかなつながり、圧力を感じる低域は大きな違いだ。四重奏では立体的な音像と響きの音場、静けさを感じた。買い替えたDENON PMA SX1との相性も良く、透明な音楽でオットー・クレンペラーのモーツアルトが新鮮に感じた。音のダイナミクスとスピードがある。
録音の長所、短所をあからさまにする。古楽器の弦の粘りまで表現するのは大したものだ。但し、ツイーターのエージングが未だでPhlips、Seonにきつい高音があり楽しめない。(昔のDiatoneみたいな音で柔らかさがない)逆にダイヤトーンではDGにメリハリが付き相性が良かったのかと思った。それにしてても愛聴のPh、Seon、HMが鳴らないのは辛い。不思議にAstreeは鳴り生々しい。
初めから、そこそこ鳴るのはDynaudioでは珍しい。今後の鳴らし込みでの熟成が楽しみだ