都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

安藤忠雄Time’s Ⅰ&Ⅱ(京都 三条):分かり難い動線のためか空室多い

2015-10-27 04:27:28 | 都市開発

 Ⅰは1984年竣工、当時はバブルの前夜であり、ウォーターフロントの台頭期。高瀬川にテラスを設けた画期的設計として見学に来たのを覚えている。当時は池田せせらぎモールを企画していた。この頃の安藤は三宮の山手の北野アレイ、ROSE GARDENなど小体な商業建築が多く、このビルも安価なコンクリート・ブロックが主体で単純な構成だ。


 しかし、動線は複雑で上ってから下るとか、回り込むとかあって奥の方は現在空室が目立つ。というのも、視認性が悪いこと、ユニバーサル・デザイン(車椅子など)に非対応なこと、専用の搬入動線がないことなど商業施設としては致命的な欠陥がある。
 それでも当初はテナントで満室だった覚えがある。現在は、水辺の地下と三条通り側のみテナントが入居しⅡは改修中なのか空室。

 いくら優れたスタイルでも、機能というデザインのない建築は長持ちしない。利用者の無理を強いるのは安藤建築の共通点ではないだろうか。その結果、長期的な利用率が低下し、オブジェとしての価値になってしまう。

 かつての名建築も今や半分空虚だ

コメント
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