都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

学芸セミナー/野村勘治庭園シリーズ第5回  「夢窓疎石の庭を語る」:難しい

2017-03-05 04:26:27 | 京都

多治見・永保寺、鎌倉・瑞泉寺、京都・西芳寺・天龍寺を取り上げているが、廻遊式庭園の元祖である西芳寺がメイン。

( http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1702nomura/index.htm )

会場は理論派と実務派の両方で満員に近い。都市計画の当方には難しい内容。

 夢窓疎石( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E7%AA%93%E7%96%8E%E7%9F%B3 )は禅宗の臨済宗に属する。ここから解き明かしが始まる。お断りとして学者でないため自由な発想を実測による分析で、コンセプトを明らかにするという趣向。

 コンセプトとは臨済宗( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%A8%E6%B8%88%E5%AE%97 )

、「不立文字」「教外別伝」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E7%AB%8B%E6%96%87%E5%AD%97 )を基に、経典がなく、人と人の教え、頂想( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%82%E7%9B%B8 )をアイコンとしている。

 アイコンとしての観音を囲む達磨の形、その横には滝があり、音と龍門をあらわす。龍門の故事とは「鯉が三級岩を飛び越して竜になる」という教えで、禅において悟りを開く暗示となっているとのこと。

 なにやら難しく、散漫なスライド紹介でもあるが知見は

・西芳寺 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E8%8A%B3%E5%AF%BA )

 ・秦氏の石室のある古墳が多く、これを活用

 ・洪隠山石組は、師匠と弟子の座禅石と、龍門の流れを表す広場で見守る僧という空間構成、下には鯉を表す石もあり、「龍になる」過程を暗示

・南に庭と風景を見渡すための建物から、北から南に庭園と建物(金閣、銀閣など)を見る象徴としての建物(舎利塔の役目など)に変容

・シルクロードでは絹を運んだ、日本は中国から本(情報)を得た

・庭の当初は逆千角形の須弥山( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%88%E5%BC%A5%E5%B1%B1 )を暗示

・滝は音が特徴、響かせる、見せる滝と響く滝の2種類がある

 Q&Aも結構難解で、庭園学会の派閥、実証の方策、庭の造形の深さを感じた。到底、当方の付け焼刃の及ぶものではない。(逆に言えば、都市計画なども専門性があるなと気づいた)

 まとまりがあればもっと良いが、まとまらない良さも感じた

コメント
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