原題はThe Fate of The West
高名な評論家の著作だが、訳も練りこみと経済への理解が乏しいのか、内容がくどいのか、いまひとつで退屈。
日本についての章のみ有益だった。知見は:
・社会の進化の力は、その速度を鈍らせる船底にこびりついたフジツボとの永遠の戦い
・民主主義は競争の硬直化として権力、特権、利権を生む
・正社員は利権あるインサイダー、アウトサイダー(若者、非正規雇用)は犠牲に→格差
日本経済について
・90年のバブル崩壊以降、ゾンビ(利益団体)が仕切り、創造的破壊を回避、業界カルテルの進行
・硬直化、停滞、保守主義のケース・スタディとなった
このあたりを具体的に分析が欲しいものだ
確かに、この閉塞感と現場の頑張り依存は第二次世界大戦前に似ているかもしれない。精神論や「空気」が支配している「社会と会社」に未来に向けた創造性はない。やがて、暴走が起こらねば良いが