ファーストキャビン( https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200424-00010001-biz_shoko-bus_all )は2006年創業で簡易宿泊所型の個室型カプセルホテルで独自のポジションを築く。一時宿不足だった京都に多い。
26店(うち直営5店、他はフランチャイズ)、オフィスのコンバージョン(改装)で施設を伸ばし、2020年までに50店を目指していたという。三条河原町の近鉄不動産の案件を見て、「ホテルより不足しているオフィスが良いのに」( https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP440212_S7A320C1000000/ )と感じた。その結果、資産の有効利用というより、不良債権と化した。その他TKPも損失がある( https://www.traicy.com/posts/20200427155335/ )
WBFホテル&リゾーツ( https://hotelbank.jp/wbf-bankruptcy/ )は、スキーツアー会社が発祥の関学出身の社長。2009年の設立で、29店(うち直営5店、竣工予定2店(ホテルWBFイルオナイ小樽(92室)ホテルWBFグランデ関西エアポート(700室))、他は賃借・運営受託で、ファンドの建物建設とテナント入居のパターンが多いが、新大阪の最近竣工のWBF新大阪スカイタワー(400室 https://skyskysky.net/construction/201885.html )は自社物件のようだ。全体に物件は関西に多い。
両社ともインバウンド・ツーリズムに焦点を当てたのだろうが、ファーストキャビンは京都で宿泊特化のビジネス・ホテルの値下げで市場を失った。WBFはファンドにホテル開発を依頼しテナント契約が多いが、インバウンドの波に乗り遅れた。テナント契約の詳細は不明だが、建物保有者としてはテナント破綻となると、今の状況では打つ手が少ない。
すべては、インバウンド・ツーリズムのホテル・バブルでの失敗だ。世の中が浮かれていて、経営層の判断も浮ついていたとしか言いようがない。
今後は、オフィスへの再改装がファーストキャビンには良いだろう。また、WBFは個室型オフィスやアパートとして活用が考えられるが、アパートは係争中のレオパレス21など今でも過剰だ。
インバウンド・ツーリズム狙いのバンド・ワゴン効果のあだ花ともいえるホテルの倒産はこれからも多いだろう。京都ではゲスト・ハウス(簡易宿泊所)の廃業も多い。宿泊料金下落のなか民泊、ゲスト・ハウス、宿泊特化ビジネス・ホテルは淘汰の時代だ。プレミアの付くホテルや旅館は安定している。
波のある観光産業に参入するのは資本がないと長期営業は難しい。京都のホテルは需要のあるオフィスに転用すべきだ。
濡れ手に粟は続かない、遅れて入るとババを引く、30年前のバブルの頃の生保の新借地や信託の土地信託の痛い経験を思い出す