よく「中世の面影を残す街」などと言いますが、これは、あまり多くありません
西洋史を、ごく簡単に区分すると、
古代(西ローマ帝国の没落まで:5世紀まで)
中世(その後からルネサンスまで:15世紀まで)
近世(ルネサンス期から市民革命まで:1789年まで)
近代(その後から第一次大戦まで:1914年まで)
現代(それ以降)
注:時代区分には色々な説があり、冷戦終結によって近代や現代の区分も見直されています。
中世以降も発展を続けた都市では、中世の建物がルネサンス様式、バロック様式などで建て替えられるので、中世の面影を残しているのは、むしろ中世以降に発展の止まった中小都市の場合が多いのです。
大都市でも、時々ちょこっと中世が取り残されていたりします
旧市街の一角にある小さな階段

これは中世の市街地から生き延びた通路と思われます。
階段を上がって右を見たところ

この壁面は正真正銘「中世の面影」です。
13世紀から14世紀の建築部分が残されています。
アーチ型を多用した
ロマネスクを思わせます。
アーチ窓の先の壁面
反対側から見たところ
反対側から見た石畳の道路(突き当たり左が階段)
階段を上がって左の細道も中世の生き残り

家と家の間の「つっかえ棒」は、中世の「状況証拠」

この小路を抜けると、
例のギリシャ正教会があります

中世の建築技術では、基礎がしっかりしていないので、家が傾いてくることがあります。それを防ぐため、向かい合った家の間に「つっかえ棒」を付けて、互いに支えあったのです

こういう支えのある小路は「中世の残党」である可能性大。

この「中世の面影」細部については、
このサイトをご覧ください。ドイツ語ですが、小さい写真をクリックすると大きくなり「中世の生活感覚」を、ちょこっと感じることができます

1611年という文字は、後代に書き込まれたもの(17世紀は、もう近世)。

Wikipedia:
中世
Wikipedia:
現代