朝食抜きでお昼まで我慢し、「鈴文」へ昼食をとりに行く。とんかつ定食を食べていると店員さんが私のところへ寄ってきて、「パンダのことどう思います?」と聞く。最初、「パンダ」という言葉がはっきりと聞き取れなくて、何のことを聞かれてきるのかすぐにはわからなかった。そのふくよかな女の店員さんは、中国が日本にパンダを貸与するということに腹を立てているのだった。年間の費用が1億円もかかるということ(週刊誌にそう書いてある)に怒っているのである。パンダなんていらない、というのが彼女の主張であった。とんかつを食べながら話したい話題ではなかったが、「そうですよね。貸与なんてケチなことはいわないで、気前よくくれちゃえばいいのにね」と私は相槌を打った。そう言えば彼女は満足するであろうと考えてのことである。「ところで、移転先の店舗はもう決まったのですか?」と私は話題を変えた。「まだなんですよ」と彼女は答えた。これはという物件がなかなかないらしい。いい物件がなくて、別の街へ行ってしまうという最悪の事態にならないことを願う。「鈴文」の周囲はもう取り壊し中のビルと更地だけになってしまった。

「シャノアール」で食後の珈琲を飲みながら読書。武者小路実篤「世間知らず」を読む。同じ白樺派でも、私は圧倒的に志賀直哉のファンで、これまで実篤のものはまともに読んだことがなかったが、けっこう面白く読んだ。若い女性に対する観察眼、そして女性を見る彼自身のまなざしの自己分析、ともになかなかのものだと思ったが、題名の「世間知らず」というのは「C子」のことなのか、それとも実篤自身のことなのか、どちらにもとれそうな気がした。
テアトル蒲田で水谷豊主演の映画「相棒」を観る。TVドラマの映画版。TVドラマの方は一度か二度、観たことがあるだけだが、映画版を観る気になったのは、地元の映画館を応援する気持ちと、数日前、「うたばん」という番組にゲスト出演していた水谷豊(石橋貴明とのトークが絶妙だった)を見ていたからである。映画はなかなか面白かった。同じ刑事もののTVドラマの映画版でも、「踊る大捜査線」と比べて、脚本がずっとしっかりと作りこんである。世間の評判もよいらしく、ポスターにはロードショーの期間が1ヶ月延長されることが決定したというお知らせのシールが貼られていた。

「シャノアール」で食後の珈琲を飲みながら読書。武者小路実篤「世間知らず」を読む。同じ白樺派でも、私は圧倒的に志賀直哉のファンで、これまで実篤のものはまともに読んだことがなかったが、けっこう面白く読んだ。若い女性に対する観察眼、そして女性を見る彼自身のまなざしの自己分析、ともになかなかのものだと思ったが、題名の「世間知らず」というのは「C子」のことなのか、それとも実篤自身のことなのか、どちらにもとれそうな気がした。
テアトル蒲田で水谷豊主演の映画「相棒」を観る。TVドラマの映画版。TVドラマの方は一度か二度、観たことがあるだけだが、映画版を観る気になったのは、地元の映画館を応援する気持ちと、数日前、「うたばん」という番組にゲスト出演していた水谷豊(石橋貴明とのトークが絶妙だった)を見ていたからである。映画はなかなか面白かった。同じ刑事もののTVドラマの映画版でも、「踊る大捜査線」と比べて、脚本がずっとしっかりと作りこんである。世間の評判もよいらしく、ポスターにはロードショーの期間が1ヶ月延長されることが決定したというお知らせのシールが貼られていた。
