土曜日だ。1時間目の授業が終わる頃、起床。フィールドノートの更新をすませてから、朝食兼昼食のドライカレーを食べる。われわれの社会では、起床時間も食事時間も労働時間も人それぞれだ。ザミャーチンの小説『われら』(1920)の舞台となる共産主義的未来社会とは違う。多様性が許容される社会はいい。でも、最近は(1990年代ごろから)多様性が強要される社会になってきている。選択の不自由の中での多様性のことを格差と呼ぶ。異なる階層に分断された人々は自分とは異なる階層に所属する人々を「かれら」として認識している。いま、格差社会論がブームであるが、「われら」意識が芽生えなければ、早晩、たんなるブームで終わるであろう。
というわけで、宣伝です。来週の土曜日(24日)、早稲田大学戸山キャンパスで「格差と貧困について考える」というテーマで公開研究会が開かれます。詳細は以下のとおり。関心のある方、どうぞお気軽にご参加下さい。
第29回 早稲田社会学会研究例会
「格差と貧困について考える」
日 時:2008年5月24日(土)14:00-17:00
会 場:早稲田大学文学学術院(戸山キャンパス)第1会議室(プレハブ校舎2F)
〔最寄り駅=東京メトロ東西線・早稲田駅〕
参加費:無料(どなたでもご参加いただけます)
司会者:木村正人(早稲田大学)
報告者1 麦倉哲(社会学者)
「格差社会とホームレス」~ホームレス問題の広がりにみる社会的排除と社会的包摂~
私は過去約20年間にわたり、たくさんの日雇い労働者やホームレス状態にある人びとと出会ってきた。ヒアリング調査を通じた私の解釈や、こうした人びととのお付き合いから導かれる共感を通して、1990年代以降の日本社会の問題点について考えたい。社会問題としての深刻さが広がりを見せているわりに、その深刻さを社会的に共有し、問題を解決するための方向が見通しにくくなっている。とりわけ為政者や政策立案者など、社会のリーダーとして責任を果たすべき人々(階層)の取り組みがとりわけ脆弱に思える。その原因は、格差社会を見えにくくする画策が続けられた結果、格差社会を肯定したり、それに抵抗を覚えない世論形成がかなり浸透してしまったせいだと思われる。実態を知ることそれを社会的に知らせること、具体的な政策を提案し実現させることについて、社会学の存在価値が改めて問われていると思う。
報告者2 湯浅誠(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい/反貧困ネットワーク事務局長)
「反貧困の現場から」
日本社会に貧困が広がっている。貧困の実態にどう向き合うかは、社会学のテーマでもある。マクロデータを押さえるだけでは、貧困の実態に対応できないからだ。学者でもジャーナリストでもなく、貧困の現場で活動してきた活動者の視点で、今必要と思われることを報告したい。実態報告が中心となるが、長期的貧困と短期的貧困を区別する必要性などについても言及する予定。
問い合わせ先:早稲田社会学会事務局 平野直子
E-mail: socio-office@list.waseda.jp. http://www.waseda.jp/assoc-wss/
というわけで、宣伝です。来週の土曜日(24日)、早稲田大学戸山キャンパスで「格差と貧困について考える」というテーマで公開研究会が開かれます。詳細は以下のとおり。関心のある方、どうぞお気軽にご参加下さい。
第29回 早稲田社会学会研究例会
「格差と貧困について考える」
日 時:2008年5月24日(土)14:00-17:00
会 場:早稲田大学文学学術院(戸山キャンパス)第1会議室(プレハブ校舎2F)
〔最寄り駅=東京メトロ東西線・早稲田駅〕
参加費:無料(どなたでもご参加いただけます)
司会者:木村正人(早稲田大学)
報告者1 麦倉哲(社会学者)
「格差社会とホームレス」~ホームレス問題の広がりにみる社会的排除と社会的包摂~
私は過去約20年間にわたり、たくさんの日雇い労働者やホームレス状態にある人びとと出会ってきた。ヒアリング調査を通じた私の解釈や、こうした人びととのお付き合いから導かれる共感を通して、1990年代以降の日本社会の問題点について考えたい。社会問題としての深刻さが広がりを見せているわりに、その深刻さを社会的に共有し、問題を解決するための方向が見通しにくくなっている。とりわけ為政者や政策立案者など、社会のリーダーとして責任を果たすべき人々(階層)の取り組みがとりわけ脆弱に思える。その原因は、格差社会を見えにくくする画策が続けられた結果、格差社会を肯定したり、それに抵抗を覚えない世論形成がかなり浸透してしまったせいだと思われる。実態を知ることそれを社会的に知らせること、具体的な政策を提案し実現させることについて、社会学の存在価値が改めて問われていると思う。
報告者2 湯浅誠(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい/反貧困ネットワーク事務局長)
「反貧困の現場から」
日本社会に貧困が広がっている。貧困の実態にどう向き合うかは、社会学のテーマでもある。マクロデータを押さえるだけでは、貧困の実態に対応できないからだ。学者でもジャーナリストでもなく、貧困の現場で活動してきた活動者の視点で、今必要と思われることを報告したい。実態報告が中心となるが、長期的貧困と短期的貧困を区別する必要性などについても言及する予定。
問い合わせ先:早稲田社会学会事務局 平野直子
E-mail: socio-office@list.waseda.jp. http://www.waseda.jp/assoc-wss/