早稲田社会学学会の理事会があり、昼から大学へ。会議は「たかはし」のお弁当を食べながら。「たかはし」のお弁当(二重弁当)は今週これで3度目だ。新記録かもしれない。やはり最初にエビフライを食べる。
会議が終わったのは2時半。それから第一会議室で開かれている研究会「格差と貧困について考える」に出席する。すでに第一報告者、自立生活サポートセンター「もやい」代表の湯浅誠さんの話が始まっている。話の内容は湯浅さんの著書やインタビュー記事を通して既知のものであったが、それが彼自身の声で語られているということに意味があった。強靭でしなやかな意志を感じさせる語りであった。第二報告者の麦倉哲さんは私の大学院時代の後輩である。久しぶりにお会いしたが、甘いマスクの無精ひげが印象的であった。最近、長年勤めた大学を辞められたと人伝に聞いていて、気になっていたが、話の枕でそのことに触れて、「一定期間働いたら少し休業する自由があってもいいでしょう」と穏やかな口調で語っていた。
5時過ぎに研究会が終わって、廊下に出ると、雨が降っていた。本降りである。帰宅して、娘と息子は外食とのことなので、妻と「鈴文」に行く。いつものランチのとんかつ定食ではなく、一回り大きい(200g)とんかつ定食を注文する。妻にはそれでは量が多かろうとランチのひれかつ定食を勧めようとして、店員さんに「夜はランチはやっていません」と笑われる。はい、そうでした。妻も一回り大きいひれかつ定食を注文したが、完食したので驚いた(少しおすそ分けがあるものと思っていたので)。
食事を終えて、妻はそのまま帰宅したが、私は有隣堂に寄っていく。以下の本を購入し、同じフロアーの「カフェ・ド・クリエ」で読む。池波正太郎はお馴染みの作家だが、松尾スズキの書いたものを読むのは初めてである。
池波正太郎編『酒と肴と旅の空』(光文社知恵の森文庫)
松尾スズキ『大人失格 子供に生まれてスミマセン』(同)
「なにも死ぬ訳じゃなし。いいじゃないですか。会社の一つや二つ辞めたって。/特にあの、辞めた次の日の朝寝坊の甘味感。ふっといつもの時間に目が覚めて、ああもう、満員電車に乗ることも、訳わかんないコンピューターの前に座ることもない。おお、平日の昼に映画が見られる。平日の昼間にファミコンができる。ビバ! 平日の昼! などと感動しながら、だらだらとまた眠りにつく。そうだ明日考えよう、生活の不安は次の仕事は、明日から考えよう。ゴーン・ウィズ・ザ・ウィンド。ああ、俺の人生で最高にだらしない朝の贅沢なまどろみよ。/あの「辞めた日の翌朝」を手に入れるためだけでも、就職した価値はあるというものだ。」(「会社の辞め方」)
『大人失格』は『HANAKO』の連載に大幅に加筆したエッセー集である(単行本は1995年の出版)。「会社の辞め方」の冒頭を引用したのは、昼間の研究会での麦倉さんの話が頭の片隅にあるためだろう。私のブログの読者の何割かは卒業生であるから、これを読んで、会社を辞める決心がついてしまう人もいるかもしれない。待て、早まってはいけない。少なくとも夏のボーナスをもらってからにしないさい。
会議が終わったのは2時半。それから第一会議室で開かれている研究会「格差と貧困について考える」に出席する。すでに第一報告者、自立生活サポートセンター「もやい」代表の湯浅誠さんの話が始まっている。話の内容は湯浅さんの著書やインタビュー記事を通して既知のものであったが、それが彼自身の声で語られているということに意味があった。強靭でしなやかな意志を感じさせる語りであった。第二報告者の麦倉哲さんは私の大学院時代の後輩である。久しぶりにお会いしたが、甘いマスクの無精ひげが印象的であった。最近、長年勤めた大学を辞められたと人伝に聞いていて、気になっていたが、話の枕でそのことに触れて、「一定期間働いたら少し休業する自由があってもいいでしょう」と穏やかな口調で語っていた。
5時過ぎに研究会が終わって、廊下に出ると、雨が降っていた。本降りである。帰宅して、娘と息子は外食とのことなので、妻と「鈴文」に行く。いつものランチのとんかつ定食ではなく、一回り大きい(200g)とんかつ定食を注文する。妻にはそれでは量が多かろうとランチのひれかつ定食を勧めようとして、店員さんに「夜はランチはやっていません」と笑われる。はい、そうでした。妻も一回り大きいひれかつ定食を注文したが、完食したので驚いた(少しおすそ分けがあるものと思っていたので)。
食事を終えて、妻はそのまま帰宅したが、私は有隣堂に寄っていく。以下の本を購入し、同じフロアーの「カフェ・ド・クリエ」で読む。池波正太郎はお馴染みの作家だが、松尾スズキの書いたものを読むのは初めてである。
池波正太郎編『酒と肴と旅の空』(光文社知恵の森文庫)
松尾スズキ『大人失格 子供に生まれてスミマセン』(同)
「なにも死ぬ訳じゃなし。いいじゃないですか。会社の一つや二つ辞めたって。/特にあの、辞めた次の日の朝寝坊の甘味感。ふっといつもの時間に目が覚めて、ああもう、満員電車に乗ることも、訳わかんないコンピューターの前に座ることもない。おお、平日の昼に映画が見られる。平日の昼間にファミコンができる。ビバ! 平日の昼! などと感動しながら、だらだらとまた眠りにつく。そうだ明日考えよう、生活の不安は次の仕事は、明日から考えよう。ゴーン・ウィズ・ザ・ウィンド。ああ、俺の人生で最高にだらしない朝の贅沢なまどろみよ。/あの「辞めた日の翌朝」を手に入れるためだけでも、就職した価値はあるというものだ。」(「会社の辞め方」)
『大人失格』は『HANAKO』の連載に大幅に加筆したエッセー集である(単行本は1995年の出版)。「会社の辞め方」の冒頭を引用したのは、昼間の研究会での麦倉さんの話が頭の片隅にあるためだろう。私のブログの読者の何割かは卒業生であるから、これを読んで、会社を辞める決心がついてしまう人もいるかもしれない。待て、早まってはいけない。少なくとも夏のボーナスをもらってからにしないさい。