9時、起床。掘り炬燵のある1階の居間で朝食。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」の挨拶。空が高く晴れている。雲の白さがまぶしい。
11時ごろ年賀状が届く。元日の午後はだいだい年賀状の返信を書くのに費やされる。もちろんあらかじめこちらからも出している相手が大半なのであるが、「卒業生」という一番大きなカテゴリーについては、年賀状をいただいてから返信を書くというのが基本なので、どうしてもそうなるのである。そのため寝正月というものを私は経験したことがない。元日から勤勉な私なのである。
卒業生の年賀状には写真がよく使われている。「結婚しました」「子どもが生まれました(生まれます)」「子どもが○歳になりました」という家族ライフイベントの報告には写真が付きものであるし、「転職しました」「最近ゴルフを始めました」という近況報告も写真付きで行われる。彼らの多くは人生の折り返し点の手前にいて(一部、放送大学の卒業生は私より年長の方が多いが)、自分の「若さ」「美しさ」というものを無意識のうちに信頼しているのであろう。人生の折り返し点を過ぎて、毎年、本人やご夫婦の写真付の年賀状を送ってくるのは高校時代からの親友のKくらいのものだ(彼は自分を若いと思っているわけではなく、老いについて達観しているのだ)。
女性の場合は結婚すると9割方姓が変わる。差出人の写真や旧姓が示されている場合は問題がないが、それがないと、誰からの年賀状であるかが判然とするまでにしばしの時間がかかる。とくに夫婦連名の場合に混乱する。最初に夫の名前に目が行って、「誰だっけ・・・」と首をかしげ、次に妻の名前を見て、「ああ、これは彼女か・・・」と思いいたるのであるが、平凡な名前だとすぐにピンとこない。幸いこれまで誰からの年賀状であるかがわからないまま返信を書いたことはないが、そのうちそういうケースが出てきそうなきがする(一般的な挨拶を書けばそれで通用してしまうだろう)。
夕方、書き上げた返信を近所のポストに出しに行く。コンビニだけが営業をしている。静かな一年の始まりだ。