8時、起床。ハムトースト、紅茶の朝食。朝食をとりながらフィールドノートを更新する。授業の準備をして昼前に家を出る。
3限は講義「ライフストーリーの社会学」。1914年、1962年、2010年の読売新聞の人生相談(一種のライフストーリーである)を比較検討する。人生問題とは、一言でいえば、「思うようにならない人生」という問題である。ある年齢以上の者ならば、人生が思うようにならないものであることを知っている。にもかかわらず、そのことで苦悩するのは、「思うように生きなさい(生きてよいのだ)」という個人主義的な人生観が近代以降の社会では支配的であるためだ。理想と現実のギャップが大きいほど人生問題は深刻さの程度を増すが、その具体的形態は、時代によって変化する。新聞の人生相談欄(読売新聞は1914年=大正3年に創設)は、個人的な悩みが人生問題として、つまり悩むに値する問題として、社会的に承認される場所である。
4限、5限は空き時間。昼食は尾張屋のモツ煮込み定食。今日は夕方からゼミのある日なので、麺類では軽すぎる。しっかり食べないとならない。ただし、食後に眠くなるという副作用がある。研究室の椅子で1時間ほどウトウトする。
今日のゼミの前半のテーマは、現代人と地域とのかかわり。毎日バス亭で顔を合わせる人同士であっても挨拶を交わすことはまれである。ただ押し黙ってバスを待つだけである。求めれているのは社交の精神である。後半は、昼の講義で使った2010年の人生相談を材料にしてライフストーリー分析の練習をした。個々の人生問題の背後にいかなる現代社会の状況があるのかを話し合った。
夕食は「満月」の天ざる。昼間にしっかりご飯を食べたときは、夕食は麺類に限るが、麺だけではやはり物足りない。