フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月18日(月) 晴れ

2010-01-19 03:49:06 | Weblog

  9時、起床。今日は人間ドックを受診するので朝食は抜き。本当は8時までなら軽めの朝食を食べてもいいことになっていたのだが、朝食を食べるために早起きする気は最初からなかった。午後1時半からの予約なので、昼食も抜きである。終るのは3時ごろなのでそれまでは空腹に耐えねばらならない。ただ、朝食と昼食を抜くといいこともある。体重が一時的に落ちることだ。前夜の体重と1キロぐらい違う。正月明けというのはどうしても体重が増加する。「いや~、普段はもう少し軽いのですが・・・」と体重測定のときに言い訳がしたくなる。だったらこの時期に人間ドッグの予約など入れなければいいのだが、ものは考えようで、正月明けに人間ドックの予約を入れることで、年末年始の暴飲暴食に対して自制心が働くという効果があるのだ。
  検査の後は「早稲田軒」でワンタン麺でも食べようと考えていたのだが、受付でリーガロイヤルホテルのレストランのみで使える1500円の食券(当日のみ有効)を渡された。これは余計なお世話である。ホテルのレストランは高いのである。実際、1階のカフェレストランでビーフカレーを食べることにしたのだが、サービス料込みで2000円もするのである(オーバーした500円分は自腹)。2000円もとるだけあって確かに美味しいビーフカレーなのだが、もし1500円の食券がなかったら、食べようとは思わないだろう。ちなみにビーフカレーより安いものはサンドイッチくらいしかなく、それとて珈琲を一緒に注文すれば2000円ぐらいになるのである。だったらホテルのレストランで食べなければいいではないかという話になるが、それでは1500円の食券が無駄になる。これは無料のサービスではなく、大学が支払う人間ドックの料金の中にあらかじめ組み込まれているはずである。検査の後の食事は自分が食べたいものを食べるから、食券制度はやめていただきたい。やめないのであれば、1500円という中途半端な金額ではなく、2000円の食券にしていただきたい。


南門通り商店会の夕日

  研究室で夕方まで雑用。2つ隣の長谷先生の研究室を訪ねて、頼みごとをする。あっさりと引き受けていただける。「理路整然と頼まれると、断れません。説得の仕方を事前にしっかり考えて来られましたね」と言われる。いえ、全然。私は同僚の先生方に頼みごとをして断られたという経験があまりない。それは私の人柄のせいだろうと思っていたが、どうもそうではないようで、少なくともそのためだけではないようで、そうか、私の頼み方は、自分では意識していなかったが、「理路整然」としているのか。そうか、そうなのか。私は相手を「NO」という出口のない隘路に理性的・論理的に追い詰めて、「はい、わかりました」と言わせていたのか。或る意味、冷酷な人間ではないか。
  長谷先生の研究室のテーブルの上に、山田太一の『悲しくてやりきれない』のシナリオのコピーがあったので、それについて尋ねると、いま、雑誌に山田太一論を連載中で、そのための資料であるとのことだった。山田太一論! ぜひ読ませてくださいと頼んで既刊分(4回分)をコピーさせてもらった。帰りの電車の中で読む。長谷先生らしい文章だ。最初に、「山田太一について書こうと思う。」で始まっている。山田太一論なのだから、山田太一について書くのは当然で、山田太一論なのに「倉本聰について書こうと思う。」だったら吃驚する。それは冗談として、この朴訥(ぼくとつ)な表現には、裂帛(れっぱく)の気合が感じられる。満を持して、という思いがひしひしと伝わってくる。30回分くらいの内容は用意しているとのことで(連載終了後は単行本になるのだろう)、これからの展開がとても楽しみだ。


長谷先生の代表作になる予感がする