フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月5日(木) 晴れ

2013-12-06 09:08:33 | Weblog

  8時半、起床。

   11時半頃、「まやんち」へ。「まやんち」はマンションの一室を改装した隠れ家的カフェであるが、いまでは多くの人が訪れる人気店である。

   開店直後なので客はまだ少ないが、半分はすでに予約済になっている。この後、続々と客がやってきて、ほぼ満席となる。私を入れて25人ほどの客のうち、男は私一人だった。「掃き溜めに鶴」の逆の状況はなんというのだろう。「花園に屑」では自己卑下が過ぎるだろう。

    手帳を取り出して、今夜の句会に出す作品を決める。

       忽然と小春日和は終わりけり

       寄鍋や君と歩いた三十年

       冬の日の若い女の影長し

    この3句で行くことにする。

       「忽然と・・・」が本命の句。「小春日和」という柔らかい言葉と、「忽然(こつぜん)」という硬い言葉の組み合わせが面白いのではないかと思う。

       「寄鍋に・・・」は一昨日の結婚記念日にちなんだ句。実際は、「寄鍋」ではなく「天ぷら」を食べたわけだが、「天ぷらや」では「天ぷら屋」に聞こえてしまい、天ぷら屋夫婦の物語になってしまう。では、何にするかと考えて、「寄鍋や」にしたわけだが、「寄り添って歩く」という意味合いを込めたつもりである。

       「冬の日の・・・」は「寄鍋や・・・」とセットで出すことに意味があった。「寄鍋や・・・」はいかにもよき夫というか、まるで三浦友和が詠んだみたいな句なので、色気があってミステリアスな雰囲気の句と並べて、コントラストを演出しようと考えた。映画『第三の男』のラストシーンがイメージにあった。

    野菜のサンドウィッチ。

 

   食後に人参のケーキと紅茶。

    この週末はゼミ合宿に行くので、「phono kafe」には顔を出せない。そのことを伝えておこうと、「phono kafe」に顔を出す。

    店内はクリスマスの飾りつけになっていた。 

 

 

 

    大原さんのご主人が彼女に贈った誕生日プレゼントの鉄琴(スウェーデンのアウリス社の製品)も置かれている。ドとファのない、レミソラシレミの7音。ファンタジックな音色である。

    サンドウィッチとケーキを食べた後だが、まだお腹にはものが入る余地があったので(これで夜までは持たない)、おにぎりセットを注文し、大原さんとおしゃべりをして、出てくる。さて、大学へ。

    3時からOさんとOくんの卒業研究指導。今日で最後だ。あとは風邪などひかないように気をつけて、ゴールまでひたすら書いてください。

    夕方から句会。今日の出席者は紀本さん、フリー校正者のTさん、助手のMさん、私の4名。

    一人が3句ずつを提出し、紀本さんがそれを一枚の紙に清書し、コピーにして配る。この12句の中から、各自が順位をつけて「天」「地」「人」3句を選ぶ。「天」は5点、「地」は3点、「人」は1点である。自作を選ぶことは禁じられているから、可能な最高得点は15点(3人が「天」)である。

    私が選んだ3句は、

        天  あっちむいてほいしていちょうのはがひらり

        地  曼珠沙華負けず嫌いは上向いて

        人  じりじりと追いつめられて螻蛄(けら)の穴

    各自が自分の選んだ句を発表する。全員の得点を合計した結果、最高得点(特選)は、

          あっちむいてほいしていちょうのはがひらり   8点(天1、地1)

    続いて3作品が同点で並んだ。

          嘴(くちばし)をこたつぶとんに刺す蚊あり  5点(天1)

          忽然と小春日和は終わりけり  5点(天1)

          うれしさを噛み殺している蜜柑   5点(天1)

    つまり、4人はそれぞれ別の句を「天」に選んだわけである。そのため今回は点数がばらけた。

      それぞれの句に各自が評を述べた後、句の作者があきらかにされる。「あっちむいてほい・・・」は紀本さん、「嘴を・・・」はTさん、「忽然と・・・」は私、「うれしさを・・・」はMさん。今回から参加のMさんは紀本さんに「天」に選んでもらったことを喜んでいた。 

      句会の後は、前回と同じく「五郎八」で食事。

      句会に名前があったほうがいいのではという話になり、句会が開かれる場所を句会の名前にする例が多いので、「早稲田句会」はどうかという声があったが、それはちょっと名前が大きすぎるだろう(すでに存在しているかもしれない)ということで、「五郎八」での食事が恒例になるのであれば「いろは句会」というのはどうか、初心者の句会という意味合も出るしと紀本さん。でも、次回はカフェで句会をする可能性もあるので、句会の名前の件は持ち越しとなった。

 

 

    紀本さんから彼女が最近編集した本を頂戴する。「アイカツ」の「カードコレクション」なのだそうだが、説明を聞いても何のことだか私にはさっぱりわからなかった(笑)。

   次回の句会は1月30日(木)の夕方からと決まる。新しい参加者が今後も増えそうである。