フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月14日(土) 晴れ

2013-12-15 11:52:08 | Weblog

   7時半、起床。

   「ごしろうさん」はいよいよ関東大震災。[「あまちゃん」では震災は終盤の出来事だったが、「ごちそうさん」では中盤の出来事。この違いは大きい。震災は、前者では物語を収束させ(結末への契機)、後者は物語を展開させる(第三幕への契機)。それにしても、小姑さんが農家へ嫁ぐという家庭内問題の解決の仕方はきわめて現実的だったな。小姑は今後どこかで再び登場するのかしら。登場するとしたら西門家の危急存亡のときに救世主のごとくあらわれるという仕方が期待されるけれど・・・。

   マフィンと紅茶の朝食。

    昼から散歩に出る。

 

    蒲田―(京浜東北線で一駅)→川崎―(南武線で三駅)→鹿島田。

    線路沿いの道を矢向方面へ10分ほど歩く。

    塚越銀座にある「パン日和あをや」。3度目の訪問。

    さあ、何を注文しよう。

    クロワッサン。これは定番。200円。

      パン盛り合わせ(盛り合わせの中にクロワッサンを含めてもらう方法もある)。400円。

      サラダ+サーモン。メニューにはなかったが、「サラダをたっぷりと。サーモンも食べたいです」と注文したらアレンジしてくれた。800円。

     本日のスープ(7種類のスパイスを使ったチキンカレー)。ここはパンも美味しいが、スープも美味しいのだ。400円(小は200円)。

      たくさん注文したせいか、お店の方が、「ビニール袋を差し上げますので、パンが余ったらお持ち帰り下さい」と言ってくれたが、もちろん全部きれいに食べた。

      最後のパンはデザート代わりに蜂蜜で食べたかったので、お願いしたら、蜂蜜のほかにクリームチーズも添えてくださった。

      珈琲を注文し、最後に残ったパンを食べる。珈琲は350円。 

    ごちそうさま。美味しかったです。支払いは2000円ほど。

    鹿島田―(南武線)→武蔵小杉―(目黒線)→目黒―(山手線)→恵比寿。東京都写真美術館へ。 

    今日のお目当ては「日本の新進作家vol.12 路上から世界を変えていく」。大森克己、林ナツミ、糸崎公朗、鍛冶屋直紀、津田隆志の5人の作品で構成されている。

      展示室の外のスペースにも作品が展示されていた。林ナツミの「本日の浮遊 2011年5月13日」(制作年は2012年)。

     糸崎公朗の作品。

    本展を企画した石田哲郎(東京都写真美術館学芸員)はこう書いている。

    「路上という場所には、過去のような魅力が失われてしまっている。同時代性を反映した現代写真の都市風景においては、クールな距離感とよそよそしい空気感が漂う。それは黄金時代の写真とは異質なものだ。日常の生活環境は巧妙に管理され、他人との不用意な接触は警戒される。今日路上で見知らぬ誰かにカメラを向ける行為は、権利侵害の恐れがある不穏な行為と見なされがちである。スナップショット手法によるストリート写真は今日衰退している。情報社会においては、目に見えるものが「現実」そのままではなく、世界を動かしているのは、直接目で見ることのできない情報のネットワークである。不可視のシステムが今ここに生身の主体的な個のありようを規定している。主体的な個人が世界という関係性のネットワークの中心にいる世界観は、すでに失われている。目に見える世界への信用の失墜。他者に対する不信。現代人は、ストリート写真の黄金時代とは断絶された状況を生きているのではないか。目に見えるものをありのままに信じることができた時代と、この時代には隔たりがある。自由への出口、出会いと発見の場であった「路上」では、もう何も起こっていないのだろうか。」(展示会カタログ9-10頁)

   いや、そんなことはない、という思いを込めて込めて、石田は今回の展示会を企画したわけだ。

     5人の作品はそれぞれに興味深かったが、林ナツミの作品がその大きさの効果もあって、また、新作が含まれているということもあって、非常にひきつけられた。一般に写真というものは、動いている被写体を静止させるが、林本人がジャンプした一瞬を「浮遊している」ように撮ることで、完全な静止ではなく、ほわんと漂っている(動いている)ように知覚される。昔、『不思議な少年』というNHKのTVドラマで、主人公の少年が「時間よ、止まれ!」と叫ぶと、周囲の人々の動きが静止するというシーンがあったが、あの感じがする。林の「本日の浮遊」の主人公の女性は、周囲の人々と同じように静止しているように言えて、実は、ミリ単位で動いているように見えるのだ。女神降臨、あるいは聖女昇天、路上という日常空間が異界へ変容する瞬間である。    

     3時半頃、美術館を出る。

    蒲田に着くと、すでに夕方である。

    ジムに行こうかどうしようか迷ったが、少々疲れが溜まっているように感じだったので(先週末がゼミ合宿で2週間連続で授業の毎日が続いたせいだろう)、自宅でおとなしくしていることにした。 

     今夜は豚しゃぶ。