8時、起床。
パン+チーズ、サラダ、コーヒーの朝食。珍しく朝からコーヒーなのは、紅茶が切れてしまったため。
NHKのBSの画面に契約確認の文字が出ている。これを消すためにNHKのカスタマーセンターに電話をして、BS放送の契約確認をしてから、家にある一台一台のテレビのICカードの認識番号(20桁)を申告する必要がある。WOWOWの場合は、一台のテレビでしか受信できないが(複数のテレビで視聴するためには追加の契約をしなくてはならない)、NHKの場合は一世帯一契約で家の中にある複数のテレビで視聴できる。それはありがたいのだが、作業としてはなかなか面倒だ。機械に疎い老人世帯で、電話口でオペレーターとやりとりしながらの作業はなかなか大変ではなかろうか。
昼食を食べに出る。目の前を自転車に乗った少年の一団が走りすぎる。「子どもは風の子 元気な子」という歌詞が頭に浮かぶ。なんていう歌だっけ?
さて、どこへ行こう。「俺はいま何を食べたいんだ」と井之頭五郎のように自分の胃に聞いてみる。答えはすぐに出た。「越中屋」の定食だ。しばらく行っていないから、年を越す前に顔を出しておこうという気持ちもあった。行きつけの店、馴染みの店には、そういう気持ちが働くものである。これから大晦日までの10日間は、いろんな店に顔を出すことになるだろう。
壁に貼られたメニューを見ながら、ししゃも(200円)、卵焼き(150円)、納豆(70円)、豆腐の味噌汁(100円)、ご飯(170円)を注文。〆て690円なり。
女将さんがごみ出しかなにかで外に出て、なかなか戻って来ないので、多少の不安を感じながらご主人に会計をお願いしたら、「ありがとうございます。690円です」ときっぱりと言われたので、ちょっと驚いた。まだまだしっかりしているのだ。失礼しました。
食後のコーヒーは「あるす」で。ここも10月の末にW君と行ったのが最後で、それ以来である。
店内にはクリスマスの飾り付けがされていた。
モカを注文。
ご夫婦でよく来られる方がいて、その奥さんが「あるす」の庭になる柚子を使って作ったというジャムを味見させていただく。とても美味しいのでパンにつけて食べようとトーストを注文したら、自家製のパンがありますからどうぞと言って出してくれた。干葡萄と林檎の入ったパンである。いつものことだが、ここはカフェというよりも、親戚のおじさん、おばさんの家のようである。
店の斜向かいが駐車場になっているため、お昼の12時半から2時間ほど、店内に陽光が差し込む。冬の季節、「あるす」に来るならこの時間帯が一番いい。
今日はマダムと食べ物の話をいろいろした。マダムは自称「食いしん坊」である。ならば朝ドラ「ごちそうさん」のファンだろうと思ったら、朝ドラは見ていないそうだ。そもそも自宅にはテレビがないのだという。数年前に、買って3年しか経っていないテレビが故障して、電気屋に修理を依頼したら、新しい製品の購入を勧められ、マスターがその対応に腹を立てて、以来、テレビのない生活を送っているそうなのだ。昼間は店に出ているし、夜は、7時のニュースをラジオで聞いて、9時頃には寝てしまうので、テレビがなくてもとくに不便はないそうだ。もちろんインターネットなどはやっておられない。まるで昭和戦前期のような生活であるが、マスター夫妻と話をしていると、そいういう生活も悪くないなと思えてくる。
紅茶をいただく。一度淹れた紅茶を、私が注文したモカを淹れたフィルターに通したもの。コーヒー風味の紅茶だ。これもマダムの工夫。
お土産に柚子をたくさんいただく。家でも柚子ジャムを作ってみようかしら。
帰宅して、年賀状の文章を考える。カット(妻が描く)+新春の俳句+文章というのがいつもの私の年賀状のパターンである。文章のキーワードは2つ。「還暦」と「単純な生活」だ。
俳句は来年の干支にちなんで、馬が登場する何か新春らしい句はないかと探して、漱石の「馬の背で船漕ぎ出すや春の旅」に決める。
夕食は鶏鍋。
夜、年賀状の宛名を印刷する前に、住所録の整理。喪中の方にチェックを入れ、亡くなった方や住所不明で戻ってきてしまう方などを住所録から削除する。年賀状を出す方の大部分は、年賀状だけのやりとりで、今年一度も、いや、何年も、会っていない方である。