フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

8月20日(月) 晴れ (前半)

2018-08-21 11:32:57 | Weblog

夜が明ける前に目が覚める。昨夜は12時前に就寝したせいもあるが、旅先ではたいてい早くに目が覚めてしまうのである。あまり早く起床しても、昼間眠くなってしまうから、空が白々としてくるのを待って、起床。

テレビを点ける。

昨日コンビニで買っておいたタラコクリームスープパスタで朝食。

コーヒーを飲みながら昨日のブログを書く。旅行中はどうしてもブログを書くのが滞りがちになり、家に帰ってから書くことになる。そうするとリアルタイムとの間のラグが大ききくなるので、今回はできるだけ旅行中に書いてアップすることにした。

11時に坂井先生(放送大学時代の同僚)とホテルのロビーで待ち合わせ。坂井先生は松本から1時間ほどのところになる大町に別荘をお持ちで、毎年夏はここで仕事をされている。戦前、まだクーラーというものがなかった時代、東京在住の作家や学者は避暑地(その代表が軽井沢である)へ行ってそこで仕事をしたものであるが、いまでもそういう習慣は一部の人たちの間に残っているのである。

おっ、「日傘男子」ですね。

坂井先生との松本散歩(カフェ巡り)はたいてい高砂通にあるコーヒー焙煎の店「フローラ」から始まる。 

坂井先生はコーヒー好きで、一日何倍もコーヒーを飲む。だから豆の消費量も多い。大町で過ごしているときも、松本に出た機会に豆を買って帰るのだ。 「chiiann」もこの店からコーヒー豆を仕入れている。

松本の街にはそこここにカフェがある。「かうひいや3番地」というえ名のカフェ。「いい感じの雰囲気だよね。ここもそのうち入ってみたいと思うんだ」と坂井先生は言った。確かに、と私も思った。

 

食堂もそここにある。「ブンブク」という名の軽食堂。「軽食」とはあまり手間をかけずに作れる料理のことを言うのだと思うが具体的には何が軽食に相当するのだろうか。さらに「ブンブク」とは何か。昔話「分福茶釜」の「分福」のことだろうか。しかし、あれは群馬の館林が発祥の地のはずである。いろいろな意味がそそられる店である。「入ってみたいよね」と私が言うと、坂井先生は「どうかな」とそっけない。私とは好奇心のほ方向性が違うのだろうか。

 

坂井さんが手に持っているのは書きかけの原稿のバインダーで、「グレイン・ノート椅子展 2009~」とタイトルがついている。木工と陶芸の店「グレイン・ノート」で毎年開催されている椅子展に参加している椅子職人の方々へのインタビューをまとめたもので、いま執筆の最終段階にあって、出版社を探しているところだそうである。今日はこれから「グレイン・ノート」に行って、マダムにお願いごとがあるのだ。

 

「グレイン・ノート」についてみると、マダムはちょっと用事があって外出中ですと留守番の方が言う。30分ほどで戻ると多みますというので、待たせてもらうことにした。

 

 「この椅子が欲しいんです」と坂井先生が言う。こういうサイドテーブル付きのものは値段が張ることを私も知っている。以前、松本民芸家具の店でサイドテーブル付きの素敵な椅子があったので、値札を見たら20万円だった。残念ながら財布の中身はちょっと足りなかった(笑)。

座ってみる。 

私はこちらの椅子の方に心が惹かれた。坂井先生の言うには高度な技法がもちいられている椅子で、おそらくいまこの店の中においてある中で一番高額だろうという。そ、そうなの。 

奥様が戻ってこらたのは12時15分前で、われわれは12時にランチの予約をしているので、これからお話をするのはちょっと気ぜわしい。食事をしてから出直すことにした。 

一の橋を渡って「ラテリエ・スズキ」に向かう。 

 女鳥羽川には夏草が生い茂っている。

開店までにまだ時間があったが、ドアが開いていたので、な中をのぞくと「どうぞ」と言われる。

 

予約客は私たちだけのようである。ランチの軽めのAコース(2500円)を注文。 

前菜4種。野菜のキッシュ、サーモン、生ハム、人参と枝豆など(シェフがもう少し繊細に説明してくれたけど忘れました)。 

 トウモロコシの冷静ポタージュスープ。トウモロコシの甘味が半端ない(もうしばらく「半端ない」を使っていいと思う)。

地鶏のロースト(私はバジルソースで、坂井先生は和風ソースで)。弾力があって肉のうまみがしっかりある。 

デザートは私はトマトのシャーベットをチョイス(初めて食べた。うん、トマトだ)。坂井先生はクリームブリュレをチョイス。 

コーヒー(坂井先生は紅茶。次の「chiiann」でコーヒーを飲むつもりなのだろう)。 

食事を終えて、改めて「グレン・ノート」へ。 

坂井先生は奥の方でマダムにお願いごとを話されている。快諾していただけたようである。 

私はその間、陶器を見ていた。

大好きな作家、田中一光さんのコーヒーカップを購入。 この色合いが好きなんです。

ご主人が若いころお描きになったお店の絵のポストカードも購入しようと思ったら、「これは最後の一枚。さしあげます」と言われる。あ、ありがとうございます。

「グレイン・ノート椅子展’18」は9月15日(土)から24日(月)まで。

 

当然、坂井先生はそのときいらっしゃることになる。

さて、「chiiann」に顔を出しましょう。 

(後半に続く)