9時、起床。
サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
11時20分に蒲田駅で卒業生のサワチさん(論系ゼミ7期生)と待ち合わせ、「まやんち」へ。開店時間の11時半の少し前に店に着いたが、かなりの行列ができている(もちろん予約をしているから大丈夫)。今日はピーチメルバがメニューに出る今シーズン最後の日である。
今日のサワチさんは長い髪を後ろで束ね、(いつもは黒と白が基調の彼女にしては珍しい色使いの)緑色のノースリーブのサマーニット。元々がクールなたたずまいの方だが、今日はとくに夏の日にふさわしい涼しげなファッションですね。
私には今シーズン11個目、彼女には人生初のピーチメルバである。
残暑はまだしばらく続くようだが、今年のピーチメルバの夏はこれで終わりである。一切れ一切れ、味わいながらいただく。
支払いのとき、店主のまゆみさんが、「大久保さんと同数のピーチメルバを召上った方が、あちらにいらっしゃいます」と言った。私がキング・オブ・ピーチメルバ2018なら、その方はクイーン・オブ・ピーチメルバ2018というわけだ。ゼミ合宿、学会シンポジウム、甥っ子の結婚式で、ピーチメルバを食べに来られなかった日が3日あったが、11個というのは決して少ない数ではない。これまでは毎年独走状態でのキングであったが、これからは二強時代というわけだ。いや、「われも」「わたしも」という新たなライバルも登場し、群雄割拠の時代を迎えるのかもしれない。そうなってくると、同じ日に2度来店したときはどうカウントするのかとか、お替りをしたときはどうカウントするのか、というこれまでとくに問題にされてこなかった技術的な問題がクローズアップされてくるだろう。判定にAIの導入ということも必要になるだろう(それはないか)。
ランチは「西洋料理SUZUKI」に食べに行く。東口から西口の奥地へ移動。
蒲田駅から徒歩10分、到着しました。商店街の外れの町の洋食屋さん。普段は下丸子の「喜楽亭」と同じくらいの月1ペースだが、今月は週1ペースで来ている。予約の電話で名前を言わなくても声だけで認識されるようになった(笑)。
アラカルトで注文。コーンポタージュスープ。
海老フライ。大きくて、真っ直ぐな海老フライである。
ビーフシチュー。とっても柔らかく煮込まれた肉と濃厚でほろ苦いデミグラスソース。付け合せの野菜も美味しい。
食後にコーヒー(400円)を注文するとミニ・プリンアラモードが「おまけ」で付いてくる。私は慣れっこだが、初めての人にはサプライズ感がある。
私のカップを見て、彼女が「あっ、同じ柄で色違いのカップがうちにもあります。母がカップのコレクションをしているんです」と言った。そうですか、まだお連れしていませんが、大井町のカフェ「pottery」にはたくさんのカップが並んでいますよ。今度行きましょう。
「pottery」のマダムは占いを始めたので、ついでに見ていただきましょうか(笑)。
このあと青梅線の鳩ノ巣というところまで(奥多摩である)大学時代に所属していた演劇部のイベントに参加するために行くという彼女を駅まで送って行く。社会人になったいまでも年に数回、舞台に立っている女優さんである。彼女のポートレイトには物語性がある。それは彼女の表情と身のこなしから生まれるものだが、別の言い方をすると、風景そのものに内在している物語性に同化する能力といってもいいもので、稀有な能力である。
サンロードを歩く。
鰻の「寿々喜」(こちらも「スズキ」だ)の前で。
昔懐かし定食屋「蒲田食堂」の前で。ここは『下町ロケット』にも登場していた。
「サンロード」と「バーボンロード」をつなぐ路地にある居酒屋さんの前で。
「ここで」と私が言うだけで、彼女は自分で考えて表情や仕草を作ってくれる。いいですね。
「バーボンロード」を歩く。
コインランドリーで。育ちのよいお嬢さんが身を落として場末の裏町で生きているという感じですね(笑)。
東急のガード下で。
居酒屋の入口に貼られたハイボールのポスターの前で。ポスターには誰かのサインがしてある。「酔わないで人生がわかるか?」ですと、私に喧嘩を売っているみたいだ。
「わかるの?」と問いかけるような表情。さあ、どうかな(笑)。
蒲田駅に到着。今夜のイベントでは彼女は『黒柳徹子」を演じるらしい。どういうことなのか行ってみたいとわからないそうだ(笑)。
11月・12月に2つ舞台に立つ予定があるそうで、たぶん秋の週末は稽古一色ではなかろうか。会社勤めとの両立は大変だと思いますが、平日と週末で別の世界を生きているというところは私の娘と似ています。それは普通の人にもある程度言えることだが、演劇にたずさわっている人に典型的にいえることである。日常の物語と虚構の物語。前者には事実が、後者には真実があるのではなかろうか。頑張って下さい。楽しみにしています。
夕食は妻と「マーボ屋」に食べに行く。入口のドアが開いたままなので、もしやエアコンが壊れているのかと思ったが、そうではなくて、移店内に風を入れないと厨房が酸欠状態になるのだそうである。それは、それは。加藤さん(料理人)、大丈夫ですか?(笑)
野菜サラダ。
エビのサクサクフリッター。並べ方が行儀よくなりましたね。
豚肉と玉子と野菜の甘辛炒め(ムース―ローのことね)。
甘辛とのバランスをとって四川風麻豆腐をハーフサイズで。
夜空の雲が白い。
「夏の社交週間」は本日で終わり。旅先も含めると、8月は15人、2日で1人のペースで人と会ったことになる。暑さも社交も盛んな夏だった。
2時、就寝。