(承前)
松本滞在中、何度も歩いた中町通り。火曜日の今日は人通りも少ない。
「グレイン・ノート」の前を通って、
「chiiann」へ。今日で3日連続である。定休日は木曜日なので、松本には木曜日は行かないようにしている。
今日はchiiannTシャツを着てきた。アルプスの山々を背景に看板メニューであるカステラを描いたTシャツである(実物の写真は後ほど)。普段は部屋着として着ているのだが、今日は訪問着として着てきた。スタッフTシャツみたいである。
カウンター席に座る。
カステラと紅茶(chiiannブレンド)を注文。
茹で小豆が添えられている(季節によってイチゴだったりする)。
「chiiann」を開店される前、奥様がお菓子教室に通われた「まやんち」が9月中旬から11月中旬まで内装工事のため休店するようですとお伝えする。「えっ、どうしてですか? あんなにきれいなのに」と聞かれる。「少人数のスタッフでも行き届いたサービスのできるお店にしたいということのようです」と答える。詳しくは「まやんち」のブログに書かれています。→ こちら
2カ月も休店だなんて、「まやんち」さんのような有名店で、遠くから来て下さるお客様もいるお店でないとなかなかできないことですね、とご主人がうらやましそうに言ったので、「何をおっしゃいます。このお店にも遠くから来て下さるお客様はいるではありませんか。ほら、目の前に(笑)」と言ってさしあげた。
店を出るとき、「次回は11月ごろになりそうです」と言うと、「はい、11月ですね。お待ちしております」と奥様が「・・・ごろになりそうです」というあいまいな表現を打ち消すように言われた。はい、必ず参ります。
今日は3日連続で顔を出すカフェがもう1つある。
「栞日」だ。「栞日」の定休日は水曜日。だから水曜日に松本に来ることはない。「chiiann」(木曜定休)と合わせると、一泊二日なら日・月、二泊三日なら日・月・火という日程に落ち着きやすいのだ。
今日の「栞日」は、昨日の混雑が嘘のように、いつもの落ち着きを取り戻していた。お気に入りの机も空いていた。営業的にはたくさんの客が来てくれた方がもちろんいいのだが、あるレベルを超えると「栞日」の良さが失われるという問題がある。この二律背反は、カフェというくつろぎの時間を提供する店では、店の人気度がアップする必ず発生する問題である。
たぶん、昨日、平日(月曜)にもかかわらず、たくさんの客が訪れていた理由の1つは、先月に出版された一冊の本の影響がありそうである。和氣正幸『日本の小さな古本屋』(エクスナレッジ)。全国の個性的な本屋23店を魅力的な写真とともに紹介した本である。
『栞日』について著者はこう言っている、「栞日があるから松本に住もう。そう思わせるほどの魅力がこの本屋にはある」と。ちょっと大げさではあるが、「栞日があるから松本に行こう」ではあたりまえすぎてつまらない。キャッチコピーとして「栞日があるから松本に住もう」は100点満点である。
一昨日はプレーンドーナツ、昨日はシナモンドーナツ、そして今日は抹茶ドーナツだを注文した。ドリンクは3日連続でアイスジンジャーである。ドーナツとジンジャエール(夏以外の季節はホットで)は私にとって「栞日」の定番である。
「栞日のWi-Fiを使わせていただいて、ブログの下書きをする。
そうそう、chiiannTシャツというのがどんなものであるかをお見せしよう。
これがchiiannTシャツだ!(私の持っているのはグレーだが、ネイビーもあります)。知らない人はこれがカステラだとは思わないであろう。栃木の人なら山からり出した大谷石だと思うのではないだろうか(笑)。
さて、そろそろ松本を離れる時間だ。一番「栞日」らしいアングルの写真を撮る。
店主の菊地さん、いい時間を過ごせました。ありがとうございます。
彼はさきほどの本の中でインタビューに答えてこう言っている、「本屋じゃなくてもよかったんです。学生時代にカフェで働いていたときのことです。お客様にコーヒーを出して、何かしらのポジティブな効果がある。この一連の流れのなかには、一切の不幸がないと思ったんです。それから地域の人が家と仕事場以外でホッとできるような場所を作りたいと漠然と考えるようになりました」。サードプレイスの思想である。
すでに陽は西に傾いているが、空はまだ十分に青い。
帰りの列車の中では旅行中の写真の整理をした。
夕食の釜飯弁当の写真は撮り忘れた。代わりに「梅Q」の特製五目釜飯の写真を載せておこう。気分はこんな感じで(笑)。
新宿に到着。
10時過ぎに帰宅。
1時半、就寝。