このところ雨の降らない梅雨の日々が続いている。午後、散歩に出る。大城(おおしろ)通りという商店街を経由して池上まで歩く。舗道の幅が狭くて、あまり散歩には適さない道だが、南北に走っている道なので、午後の陽射しを避けて歩くにはちょうどいい。日曜だからなのか、ふだんからこうなのか、シャッターの下りている店が多い。やっている店の多くは飲食店で、蕎麦屋と中華料理屋がやけに多い気がする。
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大城通りの終点は池上通りとぶつかる。池上通りを渡るとすぐに呑川(のみがわ)だ。呑川は蛇行しているが、この辺りでは西から東に流れているので、上流に向かって歩くと陽射しを正面から受ける。暑い。でも、川面を吹く風は気持ちいい。
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昼食は「蓮月庵」でとろうと決めていた。昔からある蕎麦屋で、「甘味あらい」の向かいにあるので、店の前まではよく来るのだが、準備中であったり、蕎麦を食べたい気分ではなかったりと、タイミングが合わず、入るのは今日が初めてである。外見は十分にレトロだが、店内はさらにレトロで、映画「地下鉄(メトロ)に乗って」の主人公のように過去にタイムスリップしたような気分になる。客は誰もおらず、店の人も私が入ってきたのに気づかないようなので、店の奥に声をかけると、お婆さんが出てきて、続いてお爺さんが出てきた。ついさっきまでお婆さんは川で洗濯を、お爺さんは山で柴刈りをしていたに違いない。店内の壁に貼られたたくさんの品書きの中から、冷やしきつね蕎麦を注文した。油揚げが刻んで出てきたので、「ほぅ」と思う。確かにこうして細工をしてあると、冷やし中華を食べるときみたいに麺と具を混ぜて食べるのに適している。油揚げの味付けは濃くはなく、その分汁はやや甘めで、そこにワサビを溶かすとちょうどよい感じになる。私は東京生まれの東京育ちだが、下町風の濃い蕎麦汁は苦手である。しかし「蓮月庵」の蕎麦汁はマイルドで、蕎麦も美味しかった。もっと早くに食べに来るのだった。蕎麦の後は「甘味あらい」で季節のアイスクリームを食べる。「蓮月庵」と「甘味あらい」、この新旧のペアは素晴らしい。
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帰りはいつものように池上線で。電車に乗る前に古書店「大黒」をのぞいて、小学館の『日本古典文学全集』の端本の中から「近世俳句俳文集」を購入。類似の本は岩波の『日本古典文学体系』で持っているが、こちらの方が注や訳が親切(過剰かもしれない)である。
紫陽花におもたき朝日夕日哉 中川乙由
蒲田に着いてくまざわ書店で、谷本志穂『恋愛の社会学』(青弓社)と森政稔『変貌する民主主義』(ちくま書房)を購入。工学院通り商店街の撤去作業はいよいよ進んでいる。取り壊されたバーの跡地に螺旋階段が残っている風景はシュールである。
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夕食は父の日ということですき焼だった。娘からは向日葵の花を、息子からはシフォンケーキと卓上用の小さな花束をもらった。「ちゃんと写真に撮っておきなさい」と妻が言った。
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大城通りの終点は池上通りとぶつかる。池上通りを渡るとすぐに呑川(のみがわ)だ。呑川は蛇行しているが、この辺りでは西から東に流れているので、上流に向かって歩くと陽射しを正面から受ける。暑い。でも、川面を吹く風は気持ちいい。
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昼食は「蓮月庵」でとろうと決めていた。昔からある蕎麦屋で、「甘味あらい」の向かいにあるので、店の前まではよく来るのだが、準備中であったり、蕎麦を食べたい気分ではなかったりと、タイミングが合わず、入るのは今日が初めてである。外見は十分にレトロだが、店内はさらにレトロで、映画「地下鉄(メトロ)に乗って」の主人公のように過去にタイムスリップしたような気分になる。客は誰もおらず、店の人も私が入ってきたのに気づかないようなので、店の奥に声をかけると、お婆さんが出てきて、続いてお爺さんが出てきた。ついさっきまでお婆さんは川で洗濯を、お爺さんは山で柴刈りをしていたに違いない。店内の壁に貼られたたくさんの品書きの中から、冷やしきつね蕎麦を注文した。油揚げが刻んで出てきたので、「ほぅ」と思う。確かにこうして細工をしてあると、冷やし中華を食べるときみたいに麺と具を混ぜて食べるのに適している。油揚げの味付けは濃くはなく、その分汁はやや甘めで、そこにワサビを溶かすとちょうどよい感じになる。私は東京生まれの東京育ちだが、下町風の濃い蕎麦汁は苦手である。しかし「蓮月庵」の蕎麦汁はマイルドで、蕎麦も美味しかった。もっと早くに食べに来るのだった。蕎麦の後は「甘味あらい」で季節のアイスクリームを食べる。「蓮月庵」と「甘味あらい」、この新旧のペアは素晴らしい。
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帰りはいつものように池上線で。電車に乗る前に古書店「大黒」をのぞいて、小学館の『日本古典文学全集』の端本の中から「近世俳句俳文集」を購入。類似の本は岩波の『日本古典文学体系』で持っているが、こちらの方が注や訳が親切(過剰かもしれない)である。
紫陽花におもたき朝日夕日哉 中川乙由
蒲田に着いてくまざわ書店で、谷本志穂『恋愛の社会学』(青弓社)と森政稔『変貌する民主主義』(ちくま書房)を購入。工学院通り商店街の撤去作業はいよいよ進んでいる。取り壊されたバーの跡地に螺旋階段が残っている風景はシュールである。
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夕食は父の日ということですき焼だった。娘からは向日葵の花を、息子からはシフォンケーキと卓上用の小さな花束をもらった。「ちゃんと写真に撮っておきなさい」と妻が言った。
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