フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月23日(火) 曇り

2016-02-24 17:24:37 | Weblog

8時、起床。

朝食はとらず、9時半に家を出て、大学へ。

スロープを見上げてびっくりした。メタセコイヤの枝が切り落とされているではないか。

記念会堂の工事と関係があるのだろうが、無残である。戸山キャンパスのシンボルに対する配慮が感じられれない。(根元から切らないということが配慮なのだろうか)。

工事の人に「全部やるのですか」と聞いたら、「今日一日ではできませんが、全部です」とのこと。ああ・・・。

いくらメタセコイヤが復元力のある木だといっても、このような美しいシルエットが見られるようになるのはいつのことだろう。

もしかしたらもう二度と見られないのではないだろうか。

10時半から大学院の科目等履修生の面接試験。1時間ほどで終了。

11時半に、卒業生のアリさん(一文社会学専修、2000年卒)が研究室にやってくる。彼女は今週末にご主人の仕事の関係で筑波の方へ引っ越しされるので、今日は送別カフェである。

「すぎうら」に昼食を食べに行く。

腹ペコの私はエビフライ定食。アリさんもミックスフライ定食を注文。

食後のコーヒーはカフェゴトーで。

私はブレンドコーヒー、アリさんはカフェオレを注文。

ケーキはタルトタタンとあんずのフランをハーフ&ハーフで。彼女は学生の頃からこの店のタルトタタンが大好きだったそうだ。

お店の方が気を利かして写真を撮ってくださった。

マスターが最近購入したという広重の浮世絵を見せてくれた。最近増えてきた外国人のお客さんを意識してのことらしい。

研究室に戻って、お餞別にカフェ仲間の陶芸家清水直子さんの作品をさしあげる。アリさんは清水さんのファンで、私と一緒に清水さんの作品展を見にいったこともあり、なまけものの図柄はアリさんの一番のお気に入りだったことを覚えていたのである。

引っ越されても、まだしばらくは小さなお子さんの世話を中心とした毎日が続くだろう。そういう生活の中でも自分の時間を大切にされるように、日記やノートを活用するといいですよという話をしたところ、さっそくアリさんは、この後、思い立ったが吉日で、「あゆみブックス」で私が紹介した雑誌『OZ plus』3月号(ノートの特集号)を購入し、吉祥寺の「Loft」でほぼ日手帳(たぶんオリジナル)を購入したそうだ(そうメールで知らせてきた)。

卒業から15年が経っているけれども、聡明そうなおでこと、瑞々しい感性は学生のときと変わらない。

新しい土地でもどうそお元気で!

 この街を離れんとして春の風  たかじ

3時半からOさんの卒研指導。

6時半に大学を出る。

蒲田に着いて東急プラザの「くまざわ書店」でOさんの卒研指導のときに名前の出た、エマニュエル・トッドの本を2冊購入。

 『トッド自身を語る』(藤原書店)

 『シャルリとは誰か? 人間差別と没落する西欧』(文春新書)

8時、帰宅。

夕食は鶏の唐揚げ。

ネギソースをかけて食べる。

ブログの読者の方から絵画展のご案内(招待券)をお送りいただいた(ご主人が出品されているらしい)。「現代絵画シリウス展」の方は期間が限られているので、うかがえるかどうか微妙ですが、ありがとうございます。


2月22日(月) 曇り

2016-02-23 08:57:56 | Weblog

8時半、起床。

トースト、サラダ(ハム、トマト、レタス)、紅茶の朝食。

昼食は「phono kafe」に食べに行く。

久しぶりに(どのくらい久しぶりか思い出せないくらい久しぶりだ)カレーを注文する。

単品ではなくセットで注文すると、サラダとスープが付いてくる。

ボリュームのあるサラダが出てきたことにまず驚いた。揚げた茄子が美味しいい。

白菜のスープ。

少し遅れてカレーライスが登場。とても美味しいカレーだった。

実は以前食べたとき、あまりピンと来ない味だったので、その後、注文することがなかったのだが、不断の工夫が加えられバージョンアップしたようである。

カレーの感想を伝えたくて、大原さんに「シェフを呼んでいただけますか」と言うと、「はい、私がシェフです」と言った。そ、そうでした。感想を述べると大原さんはとても喜んでくれた。これからはカレーを注文することが増えるだろう。

食後にミニデザートと小豆茶。

大原さんはいま確定申告(青色)の書類を作成中だそうだが、「赤字です」と笑っておっしゃる。えっ?嘘でしょ?計算間違いじゃないんですか?食器などの設備投資をされたこともあるらしいが、食材の仕入れ値が上がっているのが大きいようである。お店をやっていくって大変なんですね・・・。常連客の一人として応援できることはないだろうか。

というわけで商品棚に並んでいる玄米ラーメンを買って帰る。これ、好きなのである。いままでは「しお」と「ごまみそ」の二種だったが、「みそ」と「しょうゆ」が加わって四種になった。

東急プラザの「くまざわ書店」で雑誌を購入。

『NHKテレビテキスト 俳句』3月号。

『OZ plus』3月号。

1階の名店街で玄米茶と鮪の佃煮を買って帰る。

夕食はカマス、ほうれん草と椎茸の卵とじ、サラダ、ワカメの味噌汁、ご飯。

『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』第6話をリアルタイムで観る。練の豹変ぶりの背景がだんだん明らかになる。派遣労働の過酷さと若者の貧困問題が背景にある。音のポジティブさも健全というよりも過剰適応の気味がある。回想シーンで音の母親役で満島ひかりが登場したシーンが個人的には今回のハイライト。

一日があっという間に過ぎる。


2月21日(日) 晴れ

2016-02-22 12:23:59 | Weblog

8時半、起床。

用事があって近所のコンビニに行く途中の道でH医院の奥様と出会った。H医院は昨年末をもって院長の高齢を理由に閉院となった。「長い間ありがとうございました」とご挨拶する。お話をうかがうと、高齢(80歳になられるという)以外にとくに病気をされてとかではないそうである。H医師はもの静かな方で、受付をされていた奥さまも上品な方だった。H医院の待合室はいつも時間が静かに流れていたという記憶がある。

用事を済ませて帰るときにコンビニでカップ麺(天ぷらそば)を購入し、コンビニの向かいの和菓子屋「成田屋」でおにぎりを2個(焼きおにぎりと赤飯おにぎり)購入した。

いつも朝食はパンと決まっているが、たまにこういうものも食べたくなるときがある。

デザート(朝からか)はドーナツ。

朝食をしっかり食べてしまったせいでなかなかお腹が減らず、3時を回った頃に、ようやく昼食を食べようかという気分になる。

朝食に食べるはずだったパンが残っているので、「近江屋」でハムカツとコロッケでも買って来ようと家を出る。

どことなくアートっぽい感じの壁。

こちらも。

先日来たときは臨時休業だったが、今日はやっている。

ハムカツを1枚とコロッケを1個購入。どちらも100円なり。スーパーと値段は同じようなものだが、温かいところがスーパーに並んでいるものとは違う。これは決定的な違いである。

仏花を買いに花屋に寄る。

「phono kafe」の常連客のMさんがいた。「よく来られるのですか?」と尋ねると、「はい、毎週一度来ます」とのこと。たぶん室内に飾る花を買われるのだろう。今日はこれから帰宅して夜に「phono kafe」に行かれるそうである。花屋の奥さんがわれわれの会話をニコニコしながら聞いていた。

帰宅して昼食。

パンはトーストして、キャベツを敷き、マヨネーズとソースを掛け、その上にハムカツ(コロッケ)を置き、上からまたソースを掛ける。

これでオープンハムカツ(コロッケ)サンドのの出来上がり。子供の頃から好きなハムカツ(コロッケ)パンの味である。

食事をしながら、WOWOWで録画した『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』を観る。WOWOWは契約しているもののたまにしか観ないのだが、アカデミー賞の時期になると(近い過去の)話題作をたくさんやるので、観る機会が増える。『イミテーション・ゲーム』は面白かったが、それにしても『ビューティフル・マインド』のときもそうだったが、天才数学者というのはどうしていつも変人ときに社会的不適応者として描かれるのだろう。それは実際そうであることが多いからなのか、本当はそんなことはなくてただのイメージなのか。

昼食が遅かったせいでなかなかお腹が減らない。8時を過ぎて、妻がしびれを切らして、「夕食にするわよ!」というので、あわてて風呂に入る。

夕食はラムチョップ。

ラムチョップは好物で、いつもであれば「2本だけ?」と不満を述べるところであるが、今夜はこれで十分です。

デザートは苺。

 


2月20日(土) 晴れのち雨

2016-02-21 14:40:43 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ(鶏のササミ、トマト、レタス)、紅茶の朝食。

お昼に家を出て、大学へ。

1時過ぎに研究室に卒業生のBさん(論系ゼミ3期生、2013年卒)がやってくることになっているが、私が研究室に着くのが同じ頃になりそうだったので、電車の中からメールをすると、九段下にあるイタリア語の学校の授業を終えたBさんが私と同じ地下鉄に乗っているらしいことがわかったので、研究室ではなく、駅の改札で待ち合わせ、そのまま「たかはし」に食事に行く。

Bさんと会うのは昨年の7月に会って以来だから7か月ぶりである。前回会ったときに、次は秋に「パン日和あをや」にまた行きたいですと言っていたので、秋になってメールをしたら返事がなく、そのままにしていた。仕事が忙しいか、彼氏でもできたのかと思っていたが、そうではなくて(それだけではなくて、というべきかもしれない)、夏ごろからケータイのアドレスに迷惑メールがものすごく来るようになって、ケータイのアドレスに来るメールを開かなくなっていたそうで、最近になって私からのメールが来ていることに気付いたとのことだった。スマホが普及してケータイのアドレスが使われなくっているという話は最近よく聞くが、ガラケー派には状況はますます不利になってきてる。

二人とも刺身(ブリ一点盛り)定食を注文。

脂ののったきれいな色をしている。先月に食べたときはもっと赤味が強かったが、前回は背中(今回は腹)だったようである。

肉豆腐を単品で注文してシェアした。刺身定食+肉豆腐は素敵な組み合わせだ。

ごちそうさまでした。

デザートは「カフェゴト―」で。

Bさんは「カフェゴト―」は初めてとのこと。私とはすでに神楽坂の「SKIPA」と蒲田の「まやんち」と「phono kafe」には行っているので、これでグランドスラム達成です。最近は「パン日和あをや」がすっかり主要なカフェとして定着しているので、それを含めて五冠王達成と言ってもよいでしょう。

飲み物は私はセイロン風ミルクティ、Bさんはウィンナーコーヒーを注文。

ケーキは洋梨のフランとバナナタルトをハーフ&ハーフでいただく。

あいにくの天気なので、カフェの梯子はせずに、研究室(カフェオオクボ)へ。

Bさんのこの後の予定を聞いたら、7時から渋谷で大学時代の友人と食事をするというので、時間に追われることなく、夕方まで研究室でおしゃべりをする。研究室に来る前の「たかはし」でも「カフェゴト―」でもおしゃべりをしていたから、1時から6時まで延々5時間もおしゃべりをしたことになる。よくそんなにしゃべることがあったものだと思うが、 Bさんに言わせると私は話を引き出すのが上手ということらしいが、それは見方を変えて言うと、Bさんの側に話をしたい、話を聞いてもらいたいという欲求があるからであって、私は誘因として作用しているに過ぎない。

話の具体的な内容は主としてBさんの職場の話やプライベートな話なので、ここでは紹介することができないが、一般的な話題としては私とBさんの共通の趣味である「写真」の話がある。

私は卒業生と会ったときはその日の写真を撮って(もちろん相手の承諾を得た上で)ブログにアップしている。今日のブログにもすでにBさんの写真が数枚載っているが、これは何の注文もせずに撮ったもので、いずれもBさんが写真を撮られるときの定番的な表情、すなわち「チーズ的笑顔」をBさんはしている。われわらは子どもの頃から家庭や学校で「チーズ的笑顔」で写真を撮られる訓練をしているので、それが自然な行為のように思い込んでいるが、実は不自然な行為なのである。人間の表情はもっと多様だ。なぜ多様な表情の中から「チーズ的笑顔」に限定して写真を撮られるのかというと、そういうものだと思い込まされているからであり、同時に、そう振る舞うことが楽だからである。パフォーマティブに振る舞うというのはそれなりにエネルギーが必要なのである。だから「チーズ的笑顔」というのは怠惰の産物でもある。

何枚か「チーズ的笑顔」の写真を撮った後で、ちょっと注文をしてみる。

 

「笑顔を作らなくていいですから。」

Bさんは私の意図を瞬時に理解して、こんな表情をしてくれた。

よし、これで「チーズ的笑顔」の世界から離脱で来た。

ただ、普通の人は、「笑顔を作らなくていいです」と言われても、では一体どうすればいいのかと戸惑ってしまうものである。「チーズ的笑顔」の呪縛は強いので、そこから解放されると頼りない気分になるものである。作文指導で、「思った通りに書け」と言われるのと同じである。

そこで小道具が役に立つ。

「カップを持ってみてください」と私はBさんが飲んでいるコーヒーカップ(カフェ仲間の陶芸家、清水直子さんの作品である)を指示した。

さきほどの少し不安気な表情が和らいだのではないだろうか。手にしたコーヒーカップが「拠り所」として機能しているのだ。

ここでもう一つのリクエストをした。

「カメラを見ないでください。」

「カメラ目線」というのも「チーズ的笑顔」と並んで強力な呪縛である。ここからも離脱してほしい。視線は360度、どこへでも向けることが可能だ。なんだったら目を閉じることもできる。でも、普通の人は、「カメラを見ないでください」と言われると、では、一体どこを見ればいいのかと不安になり、文字通り視線が空中をさまようようになってしまいがちである。ここで、さきほど手に入れた「拠り所」が役に立つ。つまりコーヒーカップに視線をやることができるのだ。

「笑わなくていいです」というのは「チーズ的笑顔」を封じるためのもので、自然にこぼれる笑みはその限りではない。

もちろんあふれ出る笑顔もOKである(笑)。

小道具(コーヒーカップ)のほかに、具体的なポーズや動作をリクエストすることも、パフォーマティブな写真を撮るには有効である。

長い髪を後ろで束ねる(ポニーテイルにする)ことをリクエストしてみた。これは束ね終わった結果を撮るためではなく、その過程を撮るためである。写真は静止画なので、動作の結果を撮るものと思い込みがちだが、そうではなくて、動作の過程も(コマ割的に)撮れるのである。

「不動の姿勢」は「チーズ的笑顔」「カメラ目線」と並ぶ第三の呪縛である。ここからも離脱してもらう。

 

この一連の写真のBさんは「強い女」のイメージである(これからエイリアンやゾンビとの戦いが始まるみたいだ)。

Bさんは就活中にある企業の面接で、「あなたは箱入り娘のように見えますね」と言われたそうだが、この写真のBさんなら、「人を見かけで判断するのは人事の担当者としていかがなものでしょう」と言い返しそうである(笑)。

最後にもう一つの小道具を渡した。カメラである。女性は長らくカメラの被写体だった。これからはどんどん撮る側にも回りましょう。拳銃を持って向かい合うようにカメラを持って向かい合う。

「撮る―撮られる」の関係性をジェンダーで固定しないことです。

7時、帰宅。

夕食は青椒肉絲、蓮根と挽肉の炒め、サラダ、タマゴとワカメのスープ、ご飯。

 


2月19日(金) 晴れ

2016-02-20 02:19:56 | Weblog

8時半、起床。

トースト、サラダ(鶏のササミ、トマト、レタス)、紅茶の朝食。

9時半に家を出て、大学へ。

10時半から教授会。

引き続いて、午前中に大学院の社会学コース会議。

昼食は「いもや」へ食べに行く。 

天ぷら定食(600円)に穴子(200円)を追加オーダー。

安くて、盛りだくさんで、美味い!

先日、ゼミ4年生のS君が私のこの流儀をマネして、「穴子も付けて下さい」と注文したら、おばさんが「えっ?」という顔でS君を見たそうだ。「学生の分際で贅沢な・・・」ということかもしれないし、「あんた、なかなかやるわね」ということかもしれない。いずれにしろ、S君は卒業を間近にしてもう思い残すことはないそうだ。

支払いのとき、いつものようにおばさんが飴をくれた。飴玉をしゃぶらされる。 

研究室で雑用。

額の中の俳句を春の句に差しかえる。

 この街を離れんとして春の風  たかじ

春は別れの季節である。したがってまた出会いの季節でもある。

3時から今度博士課程に入学して私の指導を受けることになったS君と面談。

帰りがけに「SKIPA」に寄って行く。

「こんにちは」と言うと、のんちゃんが「いつも思うのですが、先生の声は『情熱大陸』のナレーションの人の声に似てますね」と言う。そうですか・・・。「平熱体育」というペンネームにしようかな。微熱があったら体育は休もうねと(笑)。

「アイスチャイを、下さい」と『情熱大陸』のナレーション風に注文する。

「SKIPA」は2月25日から3月4日までお休み。宙太さんとのんちゃんはベトナムとタイを旅行するそうだ。(ついでに23日も臨時休業とのこと)

気をつけて、よい旅を。

神楽坂の駅に戻る途中で、スーパーとクリーニング屋の間の路地に入る。

手作りバッグの店(?)。

オープンしたばかりのお箸の専門店。

そして、ここがお目当てのケーキ屋さん「ル・ポミエ」。店主さんはフランス人。お土産に2個買って帰る。

7時、帰宅。

夕食は豚しゃぶ。 

デザートは「ル・ポミエ」のケーキ。

サバラン。

店名を冠したスペシャリテ「ポミエ」。

妻と半々にして食べる。小振りなケーキなのでデザートには向いている。

同僚の小沼先生から2月29日(月)、3月1日(火)に天王洲「銀河劇場」で行われるコンサート「村上春樹を『聴く』」にお招きいただく。楽しみだ。