フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月24日(水) 曇り、ときどき小雨

2019-04-25 11:01:40 | Weblog

7時半、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

本日の『なつぞら』。農業高校の演劇部の練習風景。なつが、いや、広瀬すずがわざと下手な演技をしている。たぶんここからだんだん上手に(役に気持ちが入って)行くのだろうが、俳優にとって 下手な演技をするというのは案外難しいものだろう。今日の彼女の「下手な演技」はいわゆる「台詞棒読み」型のものだったが、思うに、「気持ちが入っているつもりで、それが独りよがりで、見ている者に伝わらない」型というものもあり、むしろその方が普通の「下手な演技」ではなかろうか。「台詞棒読み」型は「演技以前」のものである。

8時半に家をでて、蒲田の1つ隣の大森へ行く。降りるのは久しぶりだ。

山王口の駅前は、正面に神社があるため、大きなビルが建てられないので、昭和の面影を残している。 

このあたりは昔のままだ。 

いま一階に上島珈琲が入っている場所は、昔は「不二家」のパーラーだった(はずである)。私は子供の頃、神田にある父の知り合いの歯医者に毎週通っていて、痛い思いをしての帰り道、大森で途中下車して、「不二家」のパーラーで好きなものを食べさせてもらっていた。 

駅から徒歩1分の場所にあるビルの5階に 「街角の年金相談センター大森」がある。蒲田の年金事務所は自宅からは不便な場所にあり、しかも相談の予約をしようとしても全然空いていなかった。相談はどこのセンターでもできるので、大森に来たというわけである。交通至便な場所にある。説明を受けつつ申請書類をその場で作成し、提出した。  

バス通りからちょっと入ったところにある「山王小路飲食街」。 

駅の近くにまだこんな空間が残っているのか。 蒲田の「バーボンストリート」や大井町の「東小路」「平和小路」もそうだが、時代の流れに取り残されているようにみえながら、そうそういつまでも放置されているとは思われず、探訪するならいまのうちというところだろう。

次の用事まで少し時間があるので、お隣の大井町で途中下車して(京浜東北線ぶらり途中下車の旅か)、「pottery」でコーヒーを飲んでいくことにする。  

先日、卒業生がひとりで店に来てマダムとおしゃべりをしていったという話をする。多忙な日々を送っている人だが、「カフェのある生活」というものを志向しているようである。それはよいこと。「pottery」が「サードプレイス」になるといいですね。

「pottery」はGW中も営業しているそうである。「家で猫とボケッとしていても暇ですから、どうせならお店でボケッとしていようと」とママダムは笑って言った。ただし、開店時間は11時にするそうである(普段は8時)。 

11時にニッセイの本社の地下にある「暮らしと保険の相談窓口」を予約しておいた。毎月給料天引きで支払っている保険料を見直すためである。若い時に入ったので、家族のことを考えて死亡保険の金額が大きかったのだが、これを引き下げて、医療保険中心の軽いものにする。契約内容の変更(減額)は、本人確認さえできれば、簡単にできる。

 これで、住宅ローンの繰り上げ返済、一時払い個人年金の購入、年金の申請、生命保険の見直しという4つの課題をGW前に全部クリアーすることができた。やれやれ、これで「老後」に入っていける。

 ちょうどお昼の時間に大学に着く。

昼食は「たかはし」で食べることにする。 

鯵フライがメニューに出ている(花丸が付いている)。よし、これにしよう。 

一番乗りの客である。 

2尾分の鯵で作った4切れのフライ。背骨の部分がカリカリのせんべいになって添えられている。 醤油で2切れ、ソースとレモンと辛子で2切れ食べたが、甲乙つけがたい。

先日、娘さん(ジュリちゃん)連れでこの店に来た卒業生のアマネさんからこのタイミングでラインが届く。昨日、アメリカに戻って、今日から職場復帰だそうだ。時差ボケが解消されるまで一週間かかるそうだ。彼女も鯵フライが好物だが、「不覚にも」日本滞在中に食べ忘れたので、来年こそは食べたい、「たかはし」の奥様によろしくお伝えくだしとのこと。はい、伝えておきましたよ。

研究室に戻る途中で鯛焼きを買う。鯵フライのあとの鯛焼きはまた格別である。 

3時から教授会。先週は定例の教授会で、今日は臨時の教授会である。1時間ほどで終了。 

本部キャンパスの図書館へ資料を探しに行く。本キャンは戸山キャンパスとは雰囲気が違う。 ビジネス街のようである。

本部図書館。

いつものことながらお目当ての本が、書庫の一画、あるべき書架の場所にちゃんとあるというのは気持ちのよいものである。

 帰りに神楽坂で途中下車して「トンボロ」に寄る。 

 Aブレンドを注文。

 「トンボロ」もGW中は通常通りの営業だそうである。(木曜と第1水曜定休)。

7時、帰宅。洗面台で手を洗っていると、ハルがやってきて蛇口から出る水を飲む。この飲み方が好きなのだ。 

夕食は冷豚シャブ。 

スライスした新玉ねぎの上の肉を盛っている。妻は上からポン酢を掛けて食べていたが、私はポン酢と胡麻味噌ダレの二種で食べる。どちらも甲乙つけがたい美味しさである。新玉ねぎは冷シャブに合うことを発見する(妻が先日、外出先で食べてさっそくそれを我が家の食卓で再現したのだ)。 

 デザートはメロン。

 2時、就寝。


4月23日(火) 晴れ

2019-04-24 14:43:52 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

昼食は「テラス・ドルチェ」に食べに行く。 

今日が定休日の「一二三堂」の前で骨董商が露店を出している。 いつも思うのだが、こういうものを買う客がいるのかしら。

 おっ、「リオ」が営業している。高齢のマダムが体調を崩されてしばらく休業していて、このまま閉店に至るのではと思っていたが、営業再開はうれしいニュースだ。

「テラス・ドルチェ」に活気が戻ってきた。お店の方(若いマスターの妹さん?)にそういうと、「はい、そうなんです」と安堵されたように答えられた。全面禁煙に踏み切った直後は「今日はお休みかしら」と思うほど客が激減していたが、いままで近寄らなかった非喫煙の客が徐々に増えてきたのだろう。 

 焼肉ピラフのセットを注文。 

食後にブレンドコーヒー。

以前、途中まで読んで止まっていた安藤宏『「私」をつくるー近代小説の試み』(岩波新書)を再び読み始めているのだが、本当に知的刺激に満ちた面白い本である。

「明治前半期にはさまざまな文化的な背景を持つ文体が林立していたが、やがてそのうちの一つに過ぎなかった「言文一致体」がヘゲモニーを握っていくことになる。写実主義の風潮のもとこの平明な文体は正確で客観的な表現を可能にする手立てとして期待され、三人称のよそおいが与えらえていった。その最大公約数的な合意として、「話者の顔の見えない話し言葉」が立ち上がっていくことになったわけである。/しかし考えてみると、匿名化し、誰が話しているのかがわからないこの文体はたしかに奇妙なものだった。ほどなくしてその反動が現れ、今度は明確に話者の「顔」を表に出す「ひとりごと」化が進んでいくことになる。背景には近代個人主義の浸透があったわけだが、ひとたびその理念が称揚されるようになると、今度はその「ひとりごと」に対する反発が生じ始めることになる。あらためて「言」の持つ対話の息吹を注入しようとする動きが現れ、書き手から読み手への「呼びかけ」文体が現れるのである。ただし書き言葉である以上、実際にはバーチャルなものでしかない「あなた」をも求めるこの企ては、語り手の自意識過剰を招き寄せることにもなるのだった。」(67-68頁)。

と、この部分だけ引用すると高度に抽象的な議論のように見えるが、「話者の顔の見えない話し言葉」の例として夏目漱石、「ひとりごと」の例として志賀直哉、「呼びかけ」の例として太宰治を取り上げて、その文体を具体的に分析していく手際は見事である。 

「テラス・ドルチェ」を出て、「理髪一番」へ。床屋は二カ月ぶり(基本のペース)である。 

散髪を終えて、大学へ。駅ビルで今日の演習で配るスイーツ(35個)を買っていく。 

5限は演習「現代人と社交」。3つの大テーマ(若者の友人関係、サードプレイス、通りすがりの人たちとの社交)を与え、発表の単位となる3、4人一組の小グループ を話し合って決めてもらう。小グループの数は10.5月21日からグループ発表を開始して、最後の7月23日までの順番を決めた。

演習を終えて、研究室に戻り、しばらくすると卒業生のキョウコさんが仕事終わりにやってきた。彼女は国会議員の秘書をしているのだが、議員会館の売店で売っているおまんじゅうをお土産に持ってきた。右翼っぽいね(笑)。 

今日はいつもよりフォーマルが装いをしていますねと聞いたら、何かの委員会に議員と一緒に出ていたのだという。 

研究室で30分ほどおしゃべりをしてから食事に出る。 

完成した早稲田アリーナをちょと見学。 

バドミントン部とバスケットボール部が練習をしていた。 

GW中もキャンパスには入れるので、卒業生は見学に来たらいいんじゃないかしら。 

キャンパスの入口付近の風景がずいぶんと変わりましたよ。 

「すぎうら」へ行く。 

新元号「令和」記念サービスをというのを4月29日から5月2日までやるそうである(GW後半はお休み)。 

海鮮サラダ。

 豚の角煮。ここで早くもご飯と味噌汁を注文。煮汁をご飯にかけて食べるためである。

 活きアナゴの照り焼き。これで活きアナゴの天麩羅、白焼き、照り焼きをコンプリートした。三者三様に美味しい。

春の天麩羅盛り合わせ。

 天麩羅やウドにタラの芽フキノトウ たかじ

ほかにもタケノコ、ゴボウ、アスパラが揚がっている。塩で食べる。 

先日の統一地方選挙では荒川区の候補者の応援に行ったそうである。荒川区と聞いて思い浮かんだ顔があるので、その候補者の名前を聞いたところ、「清水ひろし」とのことだった。彼のことは知っている。二文の卒業生である。(いい意味で)生意気な学生だった。キョウコさんは私と清水君が知り合いだったと知ってびっくりし、その場で彼にメールを送った。すぐに彼から「大久保先生が自分のことを覚えているとは!」と返信があった。私が彼のことを覚えているのは、何かの件で彼と授業中に口論をしたことがあったからである。教師と授業中に口論をする学生というのはいまでは絶滅危惧種だが、20年前の当時でも珍しかったのである。卒業してしばらくして彼が政治の道を志して区議会議員に立候補したと聞いたときは、「彼ならやれるだろう」と思ったものである。今回で4期連続の当選である。現在43歳。「体は細いが、芯は太い」がキャッチフレーズとのことだが、40代は働き盛り、健康管理に留意して頑張ってください。

「すぎうら」の支払いは私の誕生日のお祝いとのことで彼女がしてくれた。ごちそうさまでした。

食後のお茶は「カフェゴトー」で。今日は空いている。

私はチーズケーキとレモンティー、彼女はタルトタタンとアップルティー。 

 彼女は論系ゼミ1期生だが、学士入学で入ってきたので、他の一期生よりも年長でいま30代の半ばを迎えている。この先も議員の秘書という仕事を続けていくのか、いや、仕事も含めてどういう生活を送っていくのか、これからのライフプランを模索する時期である。やはり議員の秘書をされている旦那さんとはとても仲がよいようで、人生を相談しながら歩いていける人がいるというのはよいことである。

 「カフェゴトー」には閉店時間(9時50分)まで滞在した。同じ地下鉄に乗り、彼女は飯田橋の駅で降りた。次回はたぶん夏カフェになりますね。

11時、帰宅。

明日はいつもより早起きをしなくてはならないから早く寝ようと思いつつ、結局・・・

2時、就寝。


4月22日(月) 晴れ

2019-04-23 11:14:47 | Weblog

9時、起床。

トースト、ベーコン&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

昨日、ナナコさんからいただいたお菓子を食べる。 

いくつか片付ける用件があって外出する。桜は終わったが、街は花であふれている。 

そして新緑の桜並木。

 

区役所へ行って年金関連の手続きで必要な戸籍謄本と住民票を申請する。待っている時間(20分ほどと表示が出ている)に銀行と郵便局を回る。記帳をするためである。

みずほ銀行早稲田支店の銀行口座は私個人の(家計用の口座とは別の)小遣い用の口座だが、ここ1年近く記帳をしていなかった。合算処理をされてしまっているかなと思ったが、ちゃんと明細が印字された。知らないうちに出し入れの日時の表記が西暦になっていた。

郵便局の通帳の方は12年前にネットで古本を購入する時に必要があって作った口座だが、使ったのはそのとき1回きりで、8000円ほどの残額がそのまま12年間放置されていた。機械では記帳ができず、もしかして口座そのものが消滅してしまったのかと思ったが、窓口に申し出たら使えるようにしてくれた。(将来の)年金の受取り用の口座として使いたいのだと話したら、「ありがとうございます」と言われ、誕生日のプレゼントグッズをいただいた。

役所に戻って、少し待って、戸籍謄本と住民票を受け取る。年金関連の必要書類ということで料金は無料だった。

「ちよだ鮨」で昼食用の鉄火巻とおいなりさんを、花屋に寄って仏花を買った。 

帰宅して昼食。お稲荷さんは4個入りのパックを買ったが、2個は仏壇に供えた。

 

久しぶりに映画『トゥルーマン・ショウ』をDVDで観た。20年前の映画だが、色あせていない。「周りの人たちはみんな(家族や友人も)演技をしていて自分を騙しているんじゃないか」という主人公の疑念は、小学生のときの私が抱いていた妄想と同じもので、この映画を最初に観たとき、自分と同じことを考えている人がいる、それが映像化されている、ということにびっくりしたものである。

夕食は鶏肉のつくね、玉子豆腐、味噌汁、ご飯。

鶏肉のつくねには刻んだアスパラが入っている。TVの料理番組で紹介されていたらしい。 

デザートはメロン。今季初メロンである。 

句会の記事を書いてブログにアップする。

2時、就寝。 


4月21日(日) 晴れ

2019-04-22 22:07:35 | Weblog

9時、起床。

トースト、ベーコン&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

大田区長・区議会議員選挙の投票へ行く。 投票所は母校の相生小学校。外の掲示版を見ながら、投票する人物を(最終的に)決めるという人がけっこういるように思う。私もそうである。

投票を終えて出てきた若い母親が手をつないだ子供に「選挙って何?」と聞かれて「これからの世の中ををよくしてくれる人たちを選ぶのよ」と答えていた。ちょっと感動する。 

投票を済ませ、その足で句会へ出かける。「カフェゴト―」には20分ほど早く着いた。 

タルトタタンとアイスアップルティーを注文たて皆が来るのを待つ。 恵美子さん、こかよさん、渺さん&月白さん、そして紀本さんの順でやってくる。本日の出席者は6名。

これに加えて投句での参加は蚕豆さん(旭川)、花さん(京都)、あゆみさん(浜松)。蚕豆さんと花さんは出席者と同じく3句だが、あゆみさんはインフルエンザの病床からの投句で1句のみ。というわけで本日の作品は25句。紀本さんが全作品を読みあげたあと、選句開始(花さんとあゆみさんはLINEを使って選句にも参加する)。各自が3句選び(自作を除く)、天(5点)、地(3点)、人(1点)を順位づけをする。 

私は次の3句を選んだ。今日はそんなに迷わなかった。

 天 花冷えや電話詐欺師の丁寧語

用紙の先頭に置かれた句。私は一読した印象を「〇」と「△」と無印で分類し、そこから入選句を絞り込んでいくが、今回は先行逃げ切りという感じで、この句が「天」になった。「花冷え」という季語と「電話詐欺師の丁寧語」がヒンヤリとマッチしている。老人から金を巻き上げようとする人間の血の通っていない丁寧な言葉遣いである。

 地 花ニラは花弁に青を滴らせ

花ニラはよく道端で見かける雑草で、清楚な花を咲かせる。好きな花で、写真に撮ってブログに載せたこともある。よく見ると花びらに青い筋が入っている。それを「青を滴らせ」と表現したところが繊細である。また「花ニラや」ではなく「花ニラは」と詠嘆を抑制したところも慎ましいこの花のイメージに合っている。

 人 箱の骨軽く笑いて梅の風

私はこの句を一読して熊谷守一の「ヤキバノカエリ」という絵が思い浮かんだ。火葬場から娘の骨の入った骨箱を抱いて帰る家族の絵である。娘は21歳だった。家族の顔の表情は描かれていない。おそらく呆然として無表情なのであろう。それに比べると、この句の場合は、天寿を全うした人の死なのであろう。箱の中で骨がカラコロと乾いた音を立てる。それが笑い声のように聞こえるのである。「軽く」のところにもうひと工夫あったら「天」にしたいところだった。どんな工夫? それはわかりません(梅沢名人流)。

全員の選考が終ったところで、一人一人選んだ句を披露していく。そして最後に句の作者が明らかにされる。

結果は以下の通り。

9点 花冷えや電話詐欺師の丁寧語 月白

 今回の特選句は私が「天」、渺(びょう)さんが「地」、花さんが「人」を付けた月白さんの句。私は作者を蚕豆さんだと思っていたので、これは意外だった。でも、「電話詐欺師の丁寧語」という表現は蚕豆さんらしいが、意味がすんなりわかるというところは蚕豆さんらしくないか(笑)。月白さんは最初は下の句を「やさし声」とかなんとかで考えていたそうだが、推敲の末「丁寧語」にしたそうだ。それは正解で、ここは生硬な漢語の方が効果的である。

8点 雪解水決意は比例反比例 蚕豆

 紀本さんが「天」、恵美子さんが「地」を付けた。「雪解水」は「ゆきげみず」と読む。雪解けの水のことである。雪解けの川の水を見つめながら何かの決意が強まったり弱まったりしている心情を詠んでいると解釈できるが、「比例反比例」という表現は蚕豆さんらしくて、しかもわかりにくい(笑)。蚕豆さんらしい作品だ。山頭火ではなく、蚕豆句である。

8点 春風に背中押されて失踪す 月白

 こかよさんが「天」、あゆみさんが「地」を付けた。春は入学、入社のシーズンである。新しい環境に入って行くのは緊張する。だから「春風に背中押されて登校す」としたいところだが、逆に「失踪す」と逃げ出すところがポストモダン的である(浅田彰の『逃走論』を思わせる)。頑張らなくていい、逃げろや逃げろだ。でも、とりあえずあと1週間、GWまで頑張ってみませんか(笑)。

7点 春の日の郵便受けの空虚かな たかじ

 私の句。花さんから「地」、紀本さんと月白さんから「人」をいただいた。春の日の空虚さを郵便受けを素材にして詠んだ春愁の句である。手紙や葉書を書かなくなった若い世代には伝わりにくいかもしれませんが。

6点 花ニラは花弁に青を滴らせ 渺

 私とこかよさんが「地」を付けた。奥様の月白さんは「私、ニラ食べないから」とこの句に関心を示していなかったが、花ニラは食用のニラとは別の植物である。

6点 天麩羅やウドにタラの芽フキノトウ たかじ

 私の句。花さんから「天」、こかよさんから「人」をいただいた。春の天ぷらの食材をリズミカルに並べて、食欲をそそる一句でしょ。「ウドにタラの芽」のところは慣用句「鵜の目鷹の目」とオーバーラップする。

5点 眩しさは春夢のなごりドアを開け こかよ

 恵美子さんが「天」を付けた。先日、『プレバト』で番組レギュラー名人特待生チームと松山東高校のチームが「自動ドア」というお題で俳句対抗戦をやっていた。そのときの印象に残った高校生の一句に「春はひらく立ち止まること許されず」というのがあった。青春の句である。こかよさんの句は「春夢のなごり」、ポスト青春、大人句の句である。

5点 おかっぱをおかっぱにして入学式 恵美子

 あゆみさんが「天」を付けた。普段からおかっぱの子が入学式にきちんとしたおかっぱで臨むという句。あゆみさんがラインに送ってきた感想、「おかっぱをおかっぱにするという表現が最高。それに尽きる」。そうですね。「リーゼントを七三にして入社式」ではロックじゃないよね。

5点 夢路にて鯨を狙う銛となる 蚕豆

 渺さんが「天」を付けた。『白鯨』のエイハブ船長みたいである。横からこかよさんが「夢の中に出てくる銛(もり)というのは・・・」とフロイトの夢判断の話を始めた。一同、「またか」という顔になる(笑)。

5点 仏の座そのうちわかる誤魔化して 紀本

 月白さんが「天」を付けた。月白さんは「意味はよくわからないけれど惹かれるものがある」ということを言っていた。その点は蚕豆さんの句と似ているが、漢語表現を駆使する蚕豆さんに対して、紀本さんは口語的なやわらなか表現を特徴とする。この句は、たぶん「仏の座」という季語がまずあって(これを使いたい)、「仏様にはみんなお見通し」という連想から「誤魔化しても、そのうちばれる」という中の句と下の句が倒置法的に出てきたのだろう。 

3点 ワンノートサンバを歌う春の雨 こかよ

 こかよさんが「地」を付けた。私は「ワンノートサンバ」が有名なボサノヴァの曲であることを知らなかった。それを知っているといないとでは春の雨の音色がまったく違ってくるだろう。

3点 夜の川花の筏で渡らんか 渺

 月白さんが「地」を付けた。花筏で川を渡るというのは普通の発想であるが、「夜の川」というところがポイントで、昔、加藤登紀子や野坂昭如が歌った「黒の舟唄」を連想させる。♪男と女の間には暗くて深い川がある 誰も渡れぬ川なれどエンヤコラ今夜も舟を出す~。

1点 ゴールデンウィークつぎつぎ追加して 紀本

 恵美子さんが「人」を付けた。今年のGWは10連休。今年限りのオプションがあれこれついてこういうことになりました、という句。

1点 花影の彼の眼差むふふふふ 月白

 あゆみさんが「人」を付けた。今回の兼題は平仮名の「む」だった。みなこれには手こずったようで、入選はこれと次の句の2作のみ。

1点 禁欲のむね肉レタス転がって 紀本

 渺さんが「人」を付けた。「胸肉」を「むね肉」と表記することで無理矢理兼題「む」に対応したように見えるが、実はスーパーなどでは「むね肉」と表記されることが多い。たぶん「胸」は画数の多い漢字だからだろう。

1点 箱の骨軽く笑いて梅の花 こかよ

 3月にお祖母様の葬儀があったそうである。選んだのは私だけだったが、もっと票が集まってもよかった句だと思う。

今回は「天」の重なった句が一つもなく、点数が分散したように思う。選外だった句の中では、「自己紹介の無き日かな春の服 あゆみ」が惜しかったと思う。事実、あとからであったが、蚕豆さんはこの句を選んでいた(「箱の骨」も選んでいた)。たぶん語順を変えたら入選したのではないかと思う。「春服」を最初にもってきて、「春服や自己紹介の無き日かな」あるいは「春服や自己紹介はなかりけり」とか。 当然、自己紹介があるだろうと思っておめかしをして出かけたが、それがなかったという肩すかしの気分を詠んだ句である。

恵美子さんは7月初旬が予定日なので、次回(6月)は欠席。分娩台で一句・・・とはいかないでしょうね(笑)。安産でありますように!

東京に単身赴任中だった 渺さんは関西に引き上げる。句会に合わせて奥さんの月白さんが上京して一緒に句会に出られるというパターンは今回が最後である。句会の中心的メンバーだった蚕豆さんが旭川に帰られた後の空白を、ご友人のお二人がしっかりと埋めてくださった。ありがとうございました。句会の後、お二人を誘って「タビビトの木」でお茶を(私は食事も)する。

お二人がメンバーである「阪神間モダニズム調査隊」の報告書(2018年版)というものをいただいた。谷崎純一郎の『細雪』などの舞台となった芦屋、西宮、東神戸のあたりを「阪神間」と呼ぶそうで、調査隊はモダニズム期の生き証人たちへのインタビューを通して、この地域の生活文化を記録して検証していこうとするものである。

これでお2人と会えなくなくなってしまうのも淋しいということで、6月の句会は神戸、お二人の住む芦屋に出張して行うことになった(!)。6月2日(日)のお昼に日時は設定した。句会のためだけに行くのではなく、スケジュールの一部に句会を含めた週末の小旅行として考えたら楽しいものになるのではないかしら。なお、兼題は「東西南北」のどれかが入った句(今回特選の月白さんの出題)。蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」や安住敦の「しぐぐるや駅に西口東口」みたいな名句ができるかも・・・しれない。

研究室に寄って、雑用を片付けてから、蒲田に返ってくる。

夕食は鯵の一夜干し、揚げ出し豆腐、サラダ、味噌汁、ご飯。

アマネさんからいただいた(今朝宅急便で届いた)和菓子を食後にいただく。 

2時、就寝。 


4月20日(土) 晴れ

2019-04-21 10:38:43 | Weblog

8時半、起床。

おいぎり一つの朝食。今日は昼食にパンを食べる予定なので、朝食はいつものパン食にしなかった。 

11時半に家を出て、12時に鹿島田で卒業生のナナコさん(論系ゼミ8期生)と待ち合わせ、「パン日和あをや」を訪問する。

 

このところ池上の「HITONAMI」を希望する人が多かったが、彼女はすでに一度「HITONAMI」には行っているので、そして彼女は無類のパン好きということもあり、ぜひ「パン日和あをや」にということになったのである。 

 日向を歩いてくるとちょっと汗ばむくらいの陽気である。まずは冷たいアップルタイザーで乾杯。

本日のスープは蓮根とベーコンのトマトスープ。 

ベトナムコッペ。「バインミー」のコッペパン版。 

サーモン、アボカド、クリームチーズのサンド。 

フランスコッペ。 

 食後に今月のドリンクの抹茶ミルク(ホットで)。香りも色合いも春らしい。

彼女は一日三食ともパンでもOKというパン好きで、大満足のようである。

「パン日和あをや」には2時間近く滞在した。店を出るとき、ご主人に写真を撮っていただく。 

「パン日和あをや」はGW中は、4月27日(土)は営業しますが、後は全休です。5月の営業は9日(木)から。

線路沿いの道を矢向駅の方へ歩く。

2軒目のカフェは矢向駅のそばの「ノチハレ珈琲店」へ。でも、ときどき満席では入れないことがあるから(地元の人たちに愛されているカフェなのだ)、店の前に行くまではわからない。

大丈夫、入れます。 

「パン日和あをや」で食事をした後だから、ここではコーヒーだけ・・・のつもりであったが、ついついトースト(バター&ジャム)を注文してしまう。パンもジャムも自家製でとても美味しいのだ。 

彼女にもトーストを少し(4分の1ほど)分けてあげた。

奥様に伺ったところ、「ノチハレ珈琲店」はGW中も通常通りの営業だそうです(月・金定休)。

3軒目、本日最後のカフェは、蒲田に移動して「スリック」へ。「ノチハレ珈琲店」にいるときに電話をして3時半に予約を入れておいた。座席の予約もあるが、前回、彼女を連れて行ったときは、シフォンケーキが完売だったので、同じ轍を踏まないようにしたのである。「今日は大丈夫です」とマダム。

 紅茶は私はアップルティー、ナナコさんはキームン。

シフォンケーキは私はレモン。 

彼女はプレイン。 ここで初めてシフォンケーキを食べる客がプレインを注文すると、マダムは「むむ、出来るなおぬし」とちょっと身構えるそうである(笑)。

ここの支払いは彼女がしてくれた。ごちそうさまでした。 

「スリック」には1時間半近く滞在した。店を出るとき奥様に写真を撮っていただく。 

なお「スリック」はGW中は全休です。

外のテーブルのところでポートレイトを撮る。背後のモノトーンの壁と外光がポートレイト撮影にうってつけなのである。 

彼女はGWに松本を旅行するそうだ。私の行きつけのカフェを何軒かめぐるつもりらしい。お店の方に私の教え子であることを告げれば、料金が割引になる・・・ということはないけれど(笑)、満面の笑みで応えていただけるはずである。どうぞ楽しんできてください。

卒業して丸一年。職場にも慣れ、生活の新展開を模索する彼女である。次回は夏カフェでしょうか。新展開の報告を楽しみにしていますね。

 夕食は妻と「マーボ屋」で。 

生野菜のサラダ。 

海老マヨ(ハーフサイズ)。実は、さくさくフリッターを注文したのだが、これが運ばれてきた。作り直しますと言われたが、お店も混んでいるので、これでいいですというと、サービスにしていただいた。久しぶりの海老マヨ。

豚肉と卵のオイスター炒め。木耳(キクラゲ)も入っている。木耳肉(ムース―ロー)である。 

鶏肉と新ジャガのチーズ入りチリソース。 

本日購入した「NHK俳句」のテキスト(5月号)。 

 表紙の俳句がいい。

 郭公(かっこう)や男合わせのシャツを着て 内田美紗

明日は平成最後の句会だ。

2時半、就寝。