嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

こんなの読んでまったがや番外変 図書館の裏利用

2007-06-14 20:01:11 | こんなの読んでまったがや
001009_008さて、レイモンドチャンドラー著、村上春樹訳の「ロンググッドバイ」は一般店頭小売価格1905円+ゼイ(完全意味明瞭)もします・・・装丁もリッパだし、春樹センセ渾身の「訳しなおし」なわけでまったく恐れ入る、わけですが、よく考えてみれば1953年に初版が出版された太古モノなわけで、「ハヤカワミステリ」バージョンを読むぶんにはそこらの古書店にでむけば50円程度でいくらでもころがっているわけです(爆)。そりゃあ村上センセの渾身の邦訳はステキでしたし、読む価値もあるでしょう。んが、あの「長いお別れ」を読まれたことのある方には意味明瞭ですが、読破にはほんとうに忍耐のいる作品なのです(一部意味明瞭)。わたしなんか通算5回は読んでいるわけですが、初回なんて12ページ読んだだけでその後3年間ほど「長いお別れ(完全意味明瞭)」をしたのち、訪米の折に飛行機のなかだったらいくらなんでも読むだろう、というわけで持ち込んで、読破に成功した、というくらいな難物なのです。はっきりいって「いまさら」「わざわざ」買って読むものでもない(爆)。
こちらの新訳を2000円がとこ払って読もう、というお方はよっぽどのマニヤかチャンドラーがまだ生きていて、こいつは村上センセが訳したその新作なのだ、と勘違いしたお方に違いありませんて。

いきなりケチなお話ですみません。そんな2000円をケチる方にはこちら!「図書館リクエスト」という奥の手があるのです!そう、納税者ならでわの特権(怒り)。貸し出しカウンターに乗り込んで「これ買ってくれや~」と名乗り出るのです。「え?図書館て本を貸し出すところなわけで買ってくれるところなんですか?」と考えたアナタ、年季が足りませんね(爆)。これ、ほとんど買ってもらえちゃいます。どんな図書でも、とはいいませんが(一部意味明瞭)。よほどのことがない限り、はやければ3日後、遅くても2週間以内には電話、ないしハガキが届いて、なんと「処女本(爆)」を閲覧する権利すら与えられるのです(コーフン)

なに、この時点でNGとなってもカウンターに出向いて「オドリャ~、おれの年金記録はどうなっとるんぢゃい~(血叫)」とゴネれば自治体によっては即刻官憲の出動となって(爆死)、一泊させられるところでしょうが、気の弱い図書館関係者はビビッてハンコをつくにきまっています(うそ)。ううむ、つかわない手はない図書館購入。ちなみに私はこの方法ですでに50冊超の新刊本を読ませていただきますたがなにか(爆)。




こんなの読んでまったがや 和製ハードボイルド

2007-06-14 18:34:36 | こんなの読んでまったがや
00605祝!梅雨入り(爆)・・・まあお出かけには雨天よりも晴天のほうが望ましいわけですが、降るものはしっかり降っていただきませんと今後に差し支えるので適度にお願いしたいところでございますね。さて、あいかわらずの図書館通いは続けております。週にいっぺんは行ってますね。おかげさまで週に5冊ペースは崩してません。
このところ館内閲覧シールつきの「家庭画報」系の激オモグラフィックザッシなどにハマっておりましたんですが、前半というか巻頭に掲載の写真記事のみでイッキに盛り上げておいて、シュフをセレブ気分にさせるのはよいのですが、そのあとが続かないのがなんとも悲しいのがうけますた(爆)。
ジュエリーだエステだなんだとコラボ記事のみで押しまくるわけですが、内容が希薄だという点で共通するカーグラフィックの2倍はあろうかというあの重量に耐えかねて棚に戻すのすら億劫になるこの資源の浪費。こんなのそれこそネットでやっとくれよ(爆)と。
さて、そんな入梅にぴったりな「和製ハードボイルド(爆)」
北方謙三センセの「汚名の広場」こりゃ傑作です!オススメ度★★★★!!アル中のレーサー崩れのバーテンが
サーキットを回想しつつ、徐々に、というもどかしい展開なのですが、他の一連の作品とは違ってハードボイルド色が色濃く、チャンドラーの和訳を彷彿とさせる文体は矢作俊彦ほどシニカルに過ぎず、カナーリよい!
たしか北方センセは40過ぎに免許取るなりイキナリ、マセのスパイダーに手を出して、「私はマセ以外は乗らない」と豪語しておられたそうですが、スタイルからはいるのもここまでくればだあれもモンクなんか言えませんぜ。ドライビングの描写はすばらしいのですが、センセ急にうまくなったってこと(爆)?

チャンドラーとくればさいきん村上春樹センセがかの太古作「長いお別れ」を「ロンググッドバイ」と改めながら再邦訳を試みられたのですが、これは図書館に「(自分では買いたくないので)買ってくれい」とリクエストしておいたところがリクエストかなって借りることができますた。こちらはまたさらに展開が遅く、まあ原作が書かれた時代が時代なので致し方ないのですが、ハリウッド映画なんか見慣れちゃってるきょうびのDVDコゾーには見向きもされないジミーなお話。随所に名セリフがちりばめてあって、そいつを村上センセがどう訳すのか、という興味もあってガマンして読んではみたのですが、まあ原作に対する敬意というやつでしょうか、けして「ハヤカワミステリ」の訳をこえてはいないです。かといってモダーンかといえばそれもギモン、というわけでまったくの期待はずれに終わりますた。
ハードボイルドマニヤさまには響くのか、といえばむしろ逆でより現代的に読みやすくなったか、という功績はすばらしいですが、これだったら矢作俊彦訳もよんでみたいぞ・・・ってムリでしょうけどね。