ロードスターはカルティエが2000年に満を持してリリースした意欲作。メンズの腕時計をカルティエがリリースするうえに屋根なし車の代名詞である「ロードスター」がその名前に冠されている、となればコーフンしないわけがない。
クルマ好きはトケイ好きである、というのは全世界の不文律だといってもよいくらいに大体当てはまってしまうわけでまったくフシギですが、クルマをモチーフにしたトケイというのは実は数限りなくあって、その事実を証明しています。トケイのデザインなんて、当然ですがすでに出尽くしてしまっているのです(完全意味明瞭)。ですがロードスターほどにダイタンにいじってクルマのイメージを前面に押し出したトケイプロダクツはいまだに空前絶後。たとえ敢行してももっと地味でいつのまにやら忘れ去られてしまう程度であった、という印象が強い。クルマそれ自体がどんどん変化してゆくのにも大いに関係があると思われます。
さすがにロードスターの発表当時は大騒ぎであったと記憶しておりますが、いざ自分が入手する頃には騒ぎも収まって、「歴史的な名作」ですとかそういった声は聴かれなくなっておりました(爆)・・・まあね、個人的な見解に過ぎませんが、C.P.C.P.(Collection Prevee Cartier Paris)のなかに存在する「トーチュ(亀甲型)」の変形、もしくはバリエーションにクルマをイメージさせる意匠を凝らして巧妙にリ・デザインした一般むけの商品である、とクールに分析することもできます。トーチュは貴金属ボディがデフォルト。したがって価格もゆうにビッツ1台分超なわけのに対してロードスターはステンレスが基本。もちろん実用にはこのほうが適しているわけで、なによりメッキをこれでもかと厚くかけたステンレス素材はロードスターのイメージには合っています。
そのコンセプトブック・・・たぶんカルティエジャポンが思ったほど売れない(完全意味明瞭)ロードスターにテコ入れをはかるべく、店頭、といっても「あの」店頭ですがね(爆)キャンペーンをうった折に顧客に配ったと思われるブツを某所より入手いたしました(祝)!!
よくできた歴代ロードスターの写真集として眺めてみるのも一興ならば、「トケイ好きはクルマ好き」をもーろ実感できるのにも感心いたします(爆)。全編モノクロの100pにも及ぶ写真の数々は見応えこれでもか。が、実車を眺める機会多数の私にはなんてえことないか(爆)。
ちなみにわれらがTTも歴代ロードスターに混ざって収録されているんですが、ボディデザインに関しては本当に異質なのが看て取れます。マスタングやアストンマーティン・V8ヴォランテ、アルファRZなどのキョーレツなモデルに混じって登場しても全然負けてない。つうかハナから勝負してない(完全意味明瞭)。そもそも完全に別次元のデザインであったというのが理解できて興味深いです。
ボクスターなどはこのあたりがキツいところで、クラシックへのオマージュ、とかいって敬意を表してるぶん一連のレキシに埋もれちゃってるのがありあり。356や550スパイダーのエッセンスはよくわかるのですが、ぜんたいにモダーンなフンイキが強いボクスターの場合は中途半端なイメージはぬぐえないです。いっそシリーズにスピードスター的な対候性いっさいなしだが100k軽いぞ、のようなスパルタンなやつをリリースしてリフレッシュを計るのもよいかもね。このままだと911カブとのバッティングも起きてくるでしょうしねえ(余計なお世話)。ガマンできるMな奴だけ買ってくれよ、みたいなモデルがあってもよいと思います、個人的には(爆)。
トケイのロードスターのモチーフはどちらかといえばモーガンみたいな「絶滅種」から汲み取られたものなわけですが、TTのデザイン性はまったく違う次元であった、といまさらながらに理解する昨今。ちなみに私的にはTTロードスターは「足こぎ自動車(懐)」を連想させて微笑ましい。惜しむらくは流線型が完結してないんだよなあ(一部意味明瞭)。