『間宮兄弟』
この映画はテレビ欄に沢尻とか中島みゆきとか気になる名前が
あり、それもどうせカメオ出演的なものだろうと思いつつも一応予約して
見てみました。
最近のニュースで日本人の生涯独身率が20-30%となり、熟年離婚とか
核家族化がさらにすすみ一人世帯の増加が顕在化しているそうです。
それはもろもろの社会的弱さにつながると分析する専門家もいますが、
まあ専門家でなくても生きにくさが増していることに違いありません。
もともと数千年前から部族間で争うより集密的な都市化を築くことが
人間としての進化と現代の繁栄をもたらしたとみるなら現代の孤独な
生活形態はこの先の未来、何を意味するのでしょうか。
このままでは人口減は避けられませんし、社会の規模縮小にもなるし、
優秀な人材輩出にも翳りが出るのではと思われます。
懸念される事態は高齢化と貧困と格差の拡大にも表れ、長い人生を
定年という形で仕事を取り上げ、社会参加も閉ざしてしまう現制度では
より格差と活力が失われた世界となってしまうでしょう。
昨今何かと絆とかおもてなしとか取り繕った言葉だけが独り歩きし、
実社会の改革や新たな世界を構築する気概もなく、ただその格差の
埒外の側に回ろうとする姑息な精神ばかりが透けて見えてしまい
仕方ありません。
この映画のような兄弟を良しとしてしまう社会や、男女間関係を
みても外見や生活レベル以外の人間としての交わりとか社会的な
かかわりとか何かもっと評価されてしかるべきものが実際には何も
生活には関係なく進んでいるという実態を目の当たりにします。
昔のロシアの小説のようなドロドロとした生活の呪いを博愛的精神と
盲目の人間愛で解決しようとしたパワーも人間の可能性もついには
この先何もないのかと思わせる背中の寒くなる思いもします。
生物進化的に見れば非生殖可能世代の増加は誤発展の結果で、
今後どんな修正と変化があるのか、これは日本だけでなく先進国
では人口減は普通で、地球規模ではほんの一部のことで、実際には
爆発的増加が続いているのですから、主流の流れから取り残された
日本のような国はどうなるのかまた違った考察が必要なのかも
しれません。