金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

114:小松左京・瀬名秀明 『サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ』

2012-09-11 08:53:07 | 12 本の感想
小松左京(監修)・瀬名秀明(編集)
サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ』(NTT出版)

必要な部分しか読んでいないので★はナシ……なのだが、
おもしろい!!!

第65回世界SF大会/第46回日本SF大会「Nippon2007」でのシンポジウムの講演録と、
SF作家たちの短編を収録したもの。
時間がなかったので、短編は読んでいないのだが、
こちらのニーズに一致していたというのもあって、
講演録だけでも十分おもしろい。
普段SFはほとんど読まないのだけど、こうやってSFに描かれたことを
現実に近づけるための努力がなされているのだと思うと、
SFもおもしろいのかもと思う。
そして、こうやって何かをつきつめて考えたり、研究に打ち込んだり
している人たちの話を読むと、何も生み出さない自分の生活が
彼らの生活と同じ時空に存在しているとはとても思えない。


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113:マイケル・シャリス『脱・電脳生活―情報化社会に忍びよる「電気の暗い力」』

2012-09-10 08:41:58 | 12 本の感想
マイケル・シャリス『脱・電脳生活―情報化社会に忍びよる「電気の暗い力」』(工作社)

必要な部分しか読んでいないので、★はナシ。

電脳の話ではなく、「電気」の話だった。
初版は1992年だし、コンピューターも一般家庭には
そんなに普及していない時期だよね。
家電を代表とする身の周りの「電気」や「電磁波」に対して過敏な
「電気アレルギー」な人について書かれている。
かなりオカルト要素が強いので、最初から抵抗感があったのだけど、
コンピューターの技術が悪魔主義と結びついているという話は
おもしろかった。


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112:赤間啓之 『分裂する現実―ヴァーチャル時代の思想』

2012-09-08 08:10:32 | 12 本の感想
赤間啓之『分裂する現実―ヴァーチャル時代の思想 』(NHKブックス)

必要な部分しか読んでいないので、★はナシ。

コンピュータ・テクノロジーの発達によるリアルとヴァーチャルの問題について
書いてあるのかと思ったが、それに関する言及はほんのわずか。
「アヴェロンの野生児」、「パブロフの犬」、シャンポリオン(※)の例を挙げたり、
小林秀雄からクリプキ、横光利一等々の文章を引用したりして、
「言葉」と「現実」について論じた一冊。
初版は1997年(『酒鬼薔薇事件』について言及あり)。
たぶん、ヴァーチャルリアリティの概念もそれほど世間に浸透してない時期だよね。
こちら側のニーズに一致していなかったので精読した部分はわずかだけど、
確かに、現実から遊離した世界というのはコンピューター以前からあったのだった。
コンピューターが生み出したもののように思っていたけれど。

(※)ロゼッタストーンを解読してヒエログリフを解明した人

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111:小川洋子・岡ノ谷一夫 『言葉の誕生を科学する』

2012-09-07 08:48:52 | 12 本の感想
小川洋子・岡ノ谷一夫『言葉の誕生を科学する』(河出ブックス)

必要な部分しか読んでいないので、★はナシ。

作家と東大教授の対談形式で、言語の起源は求愛の歌であったとする説と、
言語に関連する話題について語った一冊。
人が神をつくった理由、そして、
「神は妄想だが、その確固たる妄想が全人類に共有されている」
という話がおもしろかった。
理論上では、地球外生命体がいるはずなのに、
それが地球にやってこないのはなぜか?という問題について、
「言語を持ってしまうと、やがては原子力を使えるようになって、
いずれ滅びる」からだ、と言語と絡めた理由が述べられていたのも新鮮。


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110:河原礫 『アクセルワールド〈1〉』

2012-09-06 08:39:23 | 12 本の感想
河原礫『アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 』(電撃文庫)
★★★☆☆

ニューロリンカーと呼ばれる携帯端末を用いることで
生活の大部分が仮想ネットワーク上で行われるようになった時代。
東京の私立中学校に通うハルユキは、その体型と内向的な性格のため
小学生のころから虐げられることが多く、
中学に入ってからも同じクラスの荒谷たちのイジメの標的になっていた。
現実を呪いながら、ただ一人、学内ローカルネット上で
人気のないスカッシュゲームのスコアを伸ばしていたハルユキは、
ネットワーク上で美貌の上級生・黒雪姫から声をかけられる。

*******************************************

人気らしい。おもしろいのかしらと思って読んだ。
一部のライトノベルに見られる、わたしの苦手なテンション
(なんか文章がうるさい)はなし。
文章に癖がないし、わりと万人受けするタイプの話なのでは?
わたしはゲームにそんなに興味がないので作中世界に
いまいちのめり込めなかったけど、
主人公の葛藤や成長も描いていることで
ゲーム好きでない人の興味も引っ張っていける気がする。

デフォルメされた可愛いイラストで中和されているけど、
これがなかったら、「スクールカースト最底辺のデブ主人公が、
学校でも有名な美少女に惚れられる」という展開に対する違和感が
倍増していたに違いない。
ヒロインがデブ専だという記述もなかったし。
大きすぎるマイナス要素を覆すだけの美点も見当たらないしなあ……。
今、Amazonのレビューを見て笑ってしまったのだが、
つくづく世の中はデブに厳しいな。

巻末のおまけは興ざめだった。


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109:奥野宣之 『読書は1冊のノートにまとめなさい』

2012-09-05 08:01:57 | 12 本の感想
奥野宣之『読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング』(Nanaブックス)
★★★☆☆

著者はずいぶん前に話題になっていた
情報は1冊のノートにまとめなさい』の人。
(ちなみにわたしは『情報は~』は本屋でチラ読みしただけ)

読書が生活の一部として定着していない人向け。
というのも、単純に楽しみのために読書している人はともかく、
仕事のためとか勉強のために読書している人は、
この本に書かれていることを、各自で必要に迫られて
やっているのではないかと思うから。
「探書リストを作成する」「指名買いをする」「マーキングする」あたりは
やっている人が多いんじゃない?
(わたしは読む本は、外出先なら手帳、自宅にいるときはTwitterにメモ。
 図書館でWeb予約&Amazonで注文すれば探す手間もなし。)
本屋に買いに行く前に絶版かどうか調べるのは普通だと思ってた。
小学生ならともかく、大人で「書店に、古い本は置いてない」ことを
知らない人がいるんだろうか……?
まあ、そんな内容なので、自分なりの読書生活が
確立されている人が読んでも、新しい発見はないかもしれない。
これから本を読んで、読書を何かに役立てようと思っている人には
ガイドブックとして使えそう。
アウトプットしたことを「組み合わせてアイディアにする」ということを
自分がやろうともしていなかった! と気づいたので、
そこは個人的には、良かったな。

しかし、『情報は~』でも思ったけど、ノートに感想を書いて、
それとは別にパソコンを使って索引を作るというのは
ものすごくハードルが高いと思う。
一元化することの重要性はよくわかるんだけど、
ノートとパソコンに分かれた時点で一元化じゃなくなってる。
検索という点では、ブログはかなり楽。
感想とも言えないような垂れ流しの文章を
人様の目にさらしているという恥ずかしさはあるけど。


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108:サマセット・モーム 『要約すると』

2012-09-04 08:35:54 | 12 本の感想
サマセット・モーム『要約すると』(新潮文庫)
★★★☆☆

モームはイギリスの作家・劇作家(1874-1965)。
『月と六ペンス』が有名……と言っても、わたしは題名を知ってるだけで、
この『要約すると』以外、彼の著作を読んだことはない。

『要約すると』はモームが自身の人生と創作について綴った随筆。
読むのに異常に疲れたのは、初版が1968年で本のフォーマットが古い
(今の本の体裁に慣れてると、昔の字の組み方が非常に読みづらい)
のもあるけど、他人をこき下ろしているところが多いからかもしれない。
戦ってきた人だからなのかもね。

本筋とは外れた内容だけど、「なるほどね」と思う表現が多かった。

「大衆の耳をとらえなければ、民主主義社会にあって、
 権力を得ることは、不可能の一歩手前にちがいないからである」(P.7)


というのは納得できるのだけど、

「弁舌の才というものは、誰でも知っているとおり、
 考える力と同居することは、あまりないものである」(P.7)


というのは、うーん……そうなんだろうか。
わたしは、自分の頭の回転が鈍く、考える力がないので
しゃべることができないのだと思っていたのだが……。
「おしゃべりで頭の良い人」には今まで会ったことがないけど、
スピーチが上手な人って頭の良い人が多い気がするけどな。

「金というものは、第六感のようなもので、これがなければ、
 ほかの五感の楽しみを十分に尽くすことができぬものであることを、
 すでにわたしは発見していた」(P.111)


ごもっともです。
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107:有川浩 『塩の街』

2012-09-03 08:26:33 | 12 本の感想
有川浩『塩の街』(メディアワークス)
★★★☆☆

突然宇宙から飛来した巨大な塩の結晶。
人々が次々と塩と化す「塩害」に脅かされ、
社会は崩壊寸前となっていた。
重い荷物を背負い、海を目指して歩いていた遼一は
道で少女・真奈に声をかけられ、彼女が秋庭という男と
二人きりで暮らす家へ招かれる。

********************************************

デビュー作に番外編を加えたもの。
想像していたのとずいぶん違った。
読者層に合わせて修正を加えていたという電撃文庫版は
どうなのかわからないけど、ハードカバー版のデビュー作は、
ベタベタなラブロマンスを描きつつも硬派。
『図書館戦争』のほうがよっぽどライトノベルっぽい。

本編のヒロイン・真奈ちゃんの一途なところは可愛い。
この人の作品の登場人物同士による「言い合い」の、
ギャーギャーわめいている感じがあんまり好きじゃないので、
ヒロインに関しては、番外編の短編は読まないほうが
いい印象が残ったかも。


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106:『最強の都市伝説』

2012-08-30 08:32:41 | 12 本の感想
並木伸一郎『最強の都市伝説』(経済界)
★★★☆☆

宮崎に行ったときに同行者と二宮金次郎の話をしていて、
「学校にあった二宮金次郎の像は結界。
 あれが撤去されたことによって学級崩壊が始まった」
という非常にアホらしい、笑える都市伝説を聞き、
そんなバカバカしさを期待していたのだが……
古いせいか、口裂け女とか月面着陸はウソとか
カーネル・サンダースの呪い(※)とか、
「ああ、そんなのあったね」というものや
「ははっ」と乾いた笑いのみが漏れるものが大半だった。
もっとバカバカしいのが読みたい!

ネットのニュースでもたまに見かけるけど、
「未確認生物を撮った」という写真はどう見ても作りもの、
これでだませると思ってるんだろうか、という外見なので
おもしろい。
はっきり写さないほうが信憑性があるのにね。
「アガスティアの葉」はこの本を読んで初めて知ったのだけど、
伝説自体にはときめく。

※ 仕事に関連して、この都市伝説を知ったのだが、
 カーネルおじさんは見つかったらしいね。
 この本ではまだ行方不明ということになっていた。

【この本で得たどうでもいい豆知識】
・ホルマリンは有毒物質
・フリーメイソンの最終目的は、
 世界統一政府と世界統一宗教の樹立


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105:塚越一雄 『図解雑学 プログラミング言語』

2012-08-29 08:56:34 | 12 本の感想
塚越一雄『図解雑学 プログラミング言語』(ナツメ社)
★★★☆☆

プログラミングに挑戦しようなどと、無謀なことを
考えているわけでもなし、雰囲気だけつかめればいい……
と思って借りてきたもの。
つかめたのは本当に漠然としたイメージだけだけど、
自分がいろいろと誤解していたのはわかった。

入門編なんだろうけど、完全な初心者には
わけがわからない部分が多い。
「コンソールって何?」
というわたしのような人間には、
常識としてさらっと流してあるのであろう用語が
さっぱりわからないのであった。
ある程度、前提となる知識を持っている人向けかも。


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