金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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203:上野やすみ 監修『夢がかなう!お金と時間の使い方』

2006-09-27 12:58:57 | 06 本の感想
上野やすみ監修『夢がかなう!お金と時間の使い方』(PHP研究所)
★★☆☆☆

はじめよう!気持ちのいい暮らし』がとっても可愛い本だったので、
シリーズ数冊を購入してしまったのだけど……
ぎょえ~! わたしの苦手な自己実現の本ではないか!!
よく見ると小さく「夢がかなう!」と書いてあるなあ。
そのタイトル通り、夢をかなえるための財産運用、保険、
キャリアアップについてアドバイスをまとめた一冊。
貧乏人なのだから財産を増やすことを考えたほうがいいと思うのだけど、
投資とかキャリアアップなんて読むのも面倒でイヤだ
ただし、可愛いイラストでわかりやすくまとめてあるので
興味のある人には入門編としておすすめ!

夢……わたしは一度は望んだものを手に入れたし、
それを失った今も「ほしい」ではなく「それしかない」「手に入る」と
漠然と思い込んでいるので、いまいちぴんと来ない。
そして頭の中の準備ができれば、趣味も生活も切り捨てて集中できるので、
時間に関して死ぬほど困ったことも、ほとんどない。
心がけているのは、「誰かのため」に意に添わないことをして
後で時間を奪われたと恨み言を言わないようにすること。
……たまに愚痴っちゃったりするんだけど、自己憐憫がみっともない。
それを選んだのは自分だと、受け入れる覚悟がなきゃだめだ。

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202:白石公子 『僕の双子の妹たち』

2006-09-27 08:58:58 | 06 本の感想
白石公子『僕の双子の妹たち』(集英社)
★★★★☆

図書館でたまたま目について、なんの予備知識もないまま
借りてきたのだけど、おもしろかった!

突然の事故で両親を失い、双子の妹たちと祖父との四人暮しを
することになった25歳の直毅。
いかにも女性が書きそうな男性といった感のある主人公と
静かな生活の描写から、ふわふわした優しいお話なのかな……と思いきや、
徐々に両親や家族にまつわる問題とどろどろが噴出してきてびっくり。
両親の死を受け入れるまでの再生の物語ではあるのだけど、
ままならない恋の苦しみや兄妹三人の間の閉塞感、
静かに精神的に追い詰められていく過程にこっちまで息苦しくなる。
修羅場は逆に文章が淡々としているので安心して読めてしまった。
全体を通して優しく、穏やかなトーンは保たれているのだけど、
ときどきドキッとするような言葉があって痛い。

安易な方向に流されやすく、情けないながらも、
妹たちを思いやる主人公のお兄ちゃんぶりにちょっとときめき!
男の兄弟がいないので夢みちゃうんだよね……。
そして多くを語らず、孫たちのために料理を作り続けるおじいちゃんの
あたたかさにほろり……

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