金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

184:武田泰淳 『目まいのする散歩』

2006-09-06 23:04:36 | 06 本の感想
武田泰淳『目まいのする散歩』(中央公論社)
★★★★☆

高橋源一郎『一億三千人のための小説教室』、
高山なおみ『日々ごはん』でともに紹介されていた随筆。
武田泰淳は名前も知らず、先日近代文学史のページで
名前を発見して「ええっ!!」と驚きました。
(これでも文学部卒……!)
散歩をテーマに、子どもの頃の風景、奥さんとの日々、
幼かった娘のこと、ロシア旅行などなどの思い出を綴っている。
最後のロシア旅行の話はいまいち興味が持てなかったのだけど、
奥さんの豪傑ぶり、ふたりの信頼関係に、読んでいてにこにこ。
堅苦しさのないユーモラスな文章で読ませる。


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183:よしもとばなな 『イルカ』

2006-09-06 23:03:54 | 06 本の感想
よしもとばなな『イルカ』(文藝春秋)
★★★★☆

生物としての「女」、子を産み育てる母としての「女」を
描いた物語。
結婚も出産も感覚としてはまだ遠いけれど、
いつかそんな事態に直面したとき、
後ろ向きな気持ちを払拭してくれるであろうお話。
現時点では★3つくらいなのだけど、
未来に読み返したとき、今よりずっとよいと思えることが
今からはっきりわかっているので★プラスしました。

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よしもとばなな 『みずうみ』

2006-09-06 23:02:52 | 06 本の感想
本の感想182:よしもとばなな『みずうみ』(フォイル)
★★★☆☆

子どもの頃の親との関係は、大人になってからも
多分に影響する。
よくも悪くもその影響から逃れられないふたりの男女が、
寄り添って、歩み出すまでの軌跡の物語。
前向きなお話ではあるのだけど、陰鬱な印象がぬぐえず。
『N.P』も『白河夜船』も最初はそうだったけれど
時間を置いて再読したらまったく印象が違っていたので、
この本もまた、読む時期によって受け取るものが
違ってくるのかもしれない。

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銀色夏生 『ロマンス』

2006-09-06 12:40:22 | 06 本の感想
本の感想181:銀色夏生『ロマンス』(角川文庫)
★★★★☆

詩集。何度目かの再読。
わたしは自分のことをすごーく乙女チックな人間だと
思っているのだけど、今思うと、乙女開眼の発端は
まちがいなく、高校時代にひいさまから教えてもらった
よしもとばななと銀色夏生なのでした。
詩って教科書以外で読むものだと思わなかったし、
「こんなに短い言葉で、これだけのイメージを
 呼び起こすことができるのだ!」
と、高校生のわたしにはたいそう衝撃的でした。
最後の「ロマンスの道」には単純に、
すげえ!と思ったものです。

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