金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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現在、記事の整理中。

246:角田光代 『対岸の彼女』

2006-11-08 13:45:28 | 06 本の感想
角田光代『対岸の彼女』(文藝春秋)
★★★★★

角田さんの小説は正直なところあんまり好きじゃなかったのだけど、
これはよかった!!

公園コミュニティになじめず、主婦としての生活に
わだかまりを感じる小夜子は娘を保育園に預け、
同い年・同じ大学出身だという女社長・葵のもとで
掃除代行の仕事を始める。
仕事にやりがいを見つけ自身を変化させつつも
やがて暗雲が立ち込めてくる小夜子の日常と、
高校時代の葵の物語が交互に綴られる。

学生時代の「女の子」社会の痛み、
大人になってからも依然として存在する女同士の軋轢。
その中で、まったく別の人間であるところの二人が
心を通い合わせていけるかという、いわゆる「友情」の物語。
学生時代と大人の世界が並行して描かれる構成が
後半になってじわじわ効いてきていい。
葵とナナコの別れのシーンでは思わず目頭が熱くなる。
ラストはやや無難にまとまってしまった感があるのだけど、
安心を得られる読後感。

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245:新田太郎ほか『図説 東京流行生活』

2006-11-08 13:21:54 | 06 本の感想
新田太郎・田中裕二・小山周子『図説 東京流行生活』(河出書房新社)
★★★★☆

明治から1980年代までの東京の風俗や町並み、流行商品を
写真とともに紹介。
これもいったい何のために借りてきたのだと不思議なのだけれど、
ビジュアル史料が多くておもしろい。
強制された流行である戦時下の代用品と、テレビの変遷を中心とした
戦後の流行家電の特集が特におもしろかった。
「家具調テレビ」って、わたしが生まれたときには
もうなかったような……?

「竹の子族」の写真はいつどこで見ても笑える。
同じページにある「ローラー」たちの写真が、
模倣の悲しさを含みつつも洗練されているのに対して、
このなんとも垢抜けないファンシーさ!
不思議な時代だったのだなあと思う。

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244:広岡祐 『たてもの野外博物館探見』

2006-11-08 13:00:15 | 06 本の感想
広岡祐 『たてもの野外博物館探見 JTBキャンブックス
★★★☆☆

借りてきていったい何がしたかったのか……自分でも謎。

明治以降の洋風建築を中心に、建築物を保存している
全国の野外博物館を紹介した一冊。
「明治村」は比較的近いということもあって、
小学校の遠足に始まり、何回か行ったことがあるのだけれど、
すごいところだなあ!とあらためて思う。
がんばって名鉄!(ファンです)

「北海道開拓の村」では、映画『北の零年』を思い出した。
あれはサユリストのための映画で、個人的には正直なところ
「どうよ?」という感じだったのだけど、
まったく疎かった開拓史の一端には触れることができたので、
関連する建物の写真でも見て受ける印象がちがう。

しかし建物の野外博物館だけでも、これだけあるのね……と驚き!

コメント (2)
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