![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/book.gif)
★★★★☆
図書館をふらついていたときにたまたま目に留まり、
「籐子ちゃんが書いていたやつでは?」と借りてきました。
「まずい時にまずいところとに居合わせてしまう」、
運の悪い家系に生まれたスタンリーは、
「まずい時にまずいところに居合わせた」ために
靴泥棒にされて矯正施設へ送り込まれる。
不毛の大地にひたすら穴を掘らされることになるが、
それは人格矯正のためではなく、別の目的がある様子。
友達を追って、スタンリーは死と背中合わせの脱出を図り、
言い伝えの場所を目指すが……
という友情と冒険の成長物語。
ちょっとほろりとくるようなところもあったし、
過去の物語の挿入によって事情が明らかになっていく過程や
第二部後半の対決にはどきどきして楽しんで読めた。
しかし、第三部の後日談はいらなかったなあ……。
とくに「お母さん」の登場が、物語を一気に
現実離れ(というかご都合主義?)させてしまった気がする。
キャンプの仲間たちも、特徴が描かれている割に印象に残らず、
もっとさらっと書き流してしまってもよかったのでは?
そんな気になる点もいくつかあったのだけど、
さりげないエピソードにはりめぐらせた伏線はすごい。
読み終わってからまた軽く伏線チェックをしたのだけど、
うむむ……とうならされた。