金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

93:斉藤洋 『白狐魔記 源平の風』

2007-07-20 21:01:24 | 07 本の感想
斉藤洋『白狐魔記 源平の風』(偕成社)
★★★☆☆

親離れの時期をむかえ、人間に興味をもったきつねは
白駒山の仙人の弟子となり、人間に化けることができるように。
白狐魔丸と名乗ることになったきつねは、源平合戦の際に出会った
源義経と再会し、兄頼朝に追われる身となった義経一行に同行し、
郎党忠信の最期を見届けることになる。

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「源平」ときて「狐」ときたら、忠信じゃないのー!?と
飛びついたら案の定。
(歌舞伎の「義経千本桜」に狐忠信の話があるのです)
しかしこれはシリーズもので、主人公の白狐魔丸が
さまざまな時代の英雄と出会い、人間を知っていくという話らしく、
1巻は完全に序章という感じ。
白狐魔丸の生い立ちみたいなものが大部分を占め、
義経一行が出てきたのなんて最後のほうのちょこっとだけ。
期待するものがまちがっているのはわかっているけれど、
肩透かしを食らわされました……
白狐魔丸の成長物語としてとらえていたら
2巻以降も楽しく読めただろうけど、
いかんせん、いろいろ思いいれが強すぎました

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92:林完次 『星をさがす本』

2007-07-20 20:30:02 | 07 本の感想
林完次 『星をさがす本』(角川書店)
★★★★☆

四季の星座を8つずつ取り上げ、天文学の知識も織り交ぜながら
美しい写真で星座の伝説や星の異名を紹介する星空のガイドブック。

この人の『宙の名前』は何回も読んだためにボロボロになって、
もはや本としての役割を果たしていないくらい(※)。
この本はその『宙の名前』の一部の内容を抽出して、
くわしくした感じ。
なので本当に「星座を見つける方法」を知りたい人には
不向きなんじゃないかなと思います。
写真集、あるいは読み物として星空を楽しみたい人におすすめ。


(※)光琳社時代に購入したのでソフトカバー。
角川からの新装版はハードのみだったはず。
ハードカバーは丈夫だけど、見にくくてサイズも小さいし、
あまり好きじゃないのです。ソフトカバーで出ないかな~。

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91:堀辰雄 『風立ちぬ・美しい村』

2007-07-20 00:02:00 | 07 本の感想
堀辰雄 『風立ちぬ・美しい村』(新潮文庫)
★★★☆☆

精神的危機に瀕し訪れた軽井沢での少女との出会いを
瑞々しい避暑地の風景とともに描く「美しい村」。
そして病に冒された婚約者に付き添い、死の影を意識しながら
二人で療養所に暮らした日々を描く「風立ちぬ」。
堀辰雄自身の、婚約者であった綾子との思い出をベースにした
二編を収録。

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ううう……

何が悲しいって、「風立ちぬ」の美しい愛に
まったくと言っていいほど感情移入ができず、
少しも心が動かなかったってこと。
なんだかおとぎ話のように現実味が感じられませんでした。
(寝不足なのもあって、読んでいる途中で寝てしまった……)
節子に対する、不純物を一切取り除いたような愛には反感すら抱いた。
堀辰雄がどうこうっていうより、わたしの精神が未成熟で
理解できないという感じ。

しかし「美しい村」は比較的好き。
一つ一つの言葉の喚起するイメージが圧倒的で、
避暑地の情景が目に浮かぶよう。

堀辰雄はどうも苦手みたいだなあ。
もう一冊『菜穂子・楡の家』も家にあるんだけど、どうしよう。

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