金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

123:歌野晶午 『魔王城殺人事件』

2008-12-05 11:31:40 | 08 本の感想
歌野晶午『魔王城殺人事件 (ミステリーランド)』(講談社)
★★★☆☆

小学生の翔太たちは、同じ班のkaz、おっちゃんとともに
探偵クラブ「51分署捜査1課」を結成した。
デオドロス城と呼ばれる町はずれの西洋館にまつわる
数々の噂の真偽をたしかめるべく、
デオドロス城に潜入した三人は、「ゾンビ女」に遭遇。
しかも「ゾンビ女」は庭にある小屋の中で消失。
あらたなメンバー2人を迎えつつ、
再度デオドロス城に潜入したことで、翔太たちは
殺人事件に関わることになるのだった。

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「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と
いう謳い文句で、ミステリー作家たちの書く
子供向けの作品を発刊している「ミステリーランド」。
このシリーズを手に取ったのは初めて。
まあ、本当に子ども向きという内容で
1時間で読み終わりました。
小学生たちのやり取りにほほえましいものを感じます。
が、特にそういうキャラづけもされていない小学5年生が
「人間の『視点』の介在を暗示している」
なんてしゃべるかなあ。
そういう点でのツメの甘さが気になりました。

館モノのトリックはちっとも興味が無いので
「ふーん」って感じ。
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122:網野善彦・宮田登 『歴史の中で語られてこなかったこと―おんな・子供・老人からの「日本史」』

2008-12-05 10:48:56 | 08 本の感想
網野善彦・宮田登『歴史の中で語られてこなかったこと―おんな・子供・老人からの「日本史」』(洋泉社)
★★★★☆

歴史学者・網野善彦と民俗学者・宮田登の対談集。
「おんな・子供・老人からの~」とあるけれど、
女性の話が3分の1、子どもと老人の話は
ほんのちょこっと、という印象。
これまでの男中心・コメ中心の歴史観に疑問を呈する一冊で、
小難しさも感じず、楽しめました。

壮大なものを前にしたときのぼんやりしてしまう感じ、
あれに似たものを読後感じましたことよ。
日々のせせこましい生活から乖離した世界であることは
ファンタジーと同じ。
網野先生の新書版あとがきに、宮田氏が他界されたことが
書かれていたのだけれど、網野先生もすでにこの世になく、
そのことになんだか茫然としてしまいます。
本文中に清水三男についての話があったけれど、
研究者って、学問って、「知」って……という果てしない感じ。
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