金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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映画:『二重生活』

2016-06-30 21:21:29 | 映画の感想
映画:『二重生活』(岸善幸 監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

大学院に通う25歳の珠(門脇麦)は、
19歳のときに遭遇したある出来事をきっかけに
長い間絶望のふちをさまよっていたが、
最近ようやくその苦悩から解放された。
彼女は一緒に住んでいる恋人卓也(菅田将暉)と、
なるべくもめ事にならないよう、気を使いながら生活していた。
あるとき、珠は恩師の篠原(リリー・フランキー)から
修士論文の題材を提示され……。

********************************

同じ日に見た『帰ってきたヒトラー』が、
必要とされる前提知識の少ないわかりやすい映画だったのに対して、
こちらは非常に人を選びそう。

まず、わからない点がたくさんあるのだけど、
それが自分の前提知識の不足なのか
演出の問題なのか、脚本の問題なのか、さっぱり見当がつかないのであった。
尾行がどうして哲学につながるのか、というところから理解できず、
教授のエピソードはいったい何のために挿入されたのかもわからない。
上記の
「彼女は一緒に住んでいる恋人卓也(菅田将暉)と、
 なるべくもめ事にならないよう、気を使いながら生活していた」
の部分からして、見ている間に読み取れなかったのだから、
これは自分の理解力の問題なのかもしれない。
(なんで恋人に尾行のこと隠すんだろって思ってた。
 いまあらすじ見て初めてわかった)
モノローグも、ストーリーとのつながりが理解できず……。

釈然としないところはたくさんあるのだけれど、
つまらないかといったらそういうわけでもない。
尾行のシーンにはハラハラしたし
(主人公の立場になって、ではなく、
 「そんなに近づいたらすぐにバレるだろ!!」という意味で)、
題材の面白さは確かにあったと思う。
役者さんの演技もよかった。

しかし、やっぱり長いよね……。
長谷川博巳にバレて問い詰められるあたりで終わってもよかった。
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映画:『帰ってきたヒトラー』

2016-06-30 21:10:10 | 映画の感想
映画:『帰ってきたヒトラー』(ダーヴィト・ヴネント監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

ナチス・ドイツを率いて世界を震撼(しんかん)させた
独裁者アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が、
現代によみがえる。
非常識なものまね芸人かコスプレ男だと人々に勘違いされる中、
クビになった局への復帰をもくろむテレビマンにスカウトされて
テレビに出演する。
何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出す彼を、
視聴者はヒトラー芸人としてもてはやす。
戦争を体験した一人の老女が本物のヒトラーだと気付くが……。

********************************

前半はコメディ調で、笑える部分も多々あり。
自分がもう少しドイツに詳しかったら、
もっと笑えるところがあったんだろうな……と思う。

終盤になって、不穏なムードに覆われ始める。
相手が本物のヒトラーだと気付いた主人公は思いがけない境遇に陥るし、
移民問題に悩まされ、政治不信に陥っていた国民は、
一度はヒトラーの残虐な一面を見て衝撃を受けるものの、
押し出しが強く存在感のある彼に傾倒していく。
ドイツはまた同じことを繰り返すのではないか……と匂わせる展開に、
胸の中がざわざわした。

話の展開は非常にわかりやすいし、問題提起も明快で、
なるほどこれは受けるわ……と納得の映画であった。
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