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★★★☆☆3.5
【Amazonの内容紹介】
店主の手作りスープが自慢のスープ屋「しずく」は、
早朝にひっそり営業している。
早朝出勤の途中に、ぐうぜん店を知ったOLの理恵は、
すっかりしずくのスープの虜になる。
理恵は最近、職場の対人関係がぎくしゃくし、
ポーチの紛失事件も起こり、ストレスから体調を崩しがちに。
店主でシェフの麻野は、そんな理恵の悩みを見抜き、
ことの真相を解き明かしていく。心温まる連作ミステリー。
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バツイチの男性に心惹かれるヒロイン(?)が
彼がひとり娘と一緒にいる様子を見て、
「家族になりたい」と思う。
そんなラストを、
「ずうずうしい」
「気持ち悪い」
と思ってしまった……。
いや、これが男性と付き合ってるんだったらわからないでもないけど、
ややプライベートな領域まで関わりつつあると言っても
店長とその店の客という立場で、恋人でも何でもないわけだからね。
朝食においしいスープを提供する料理店の店長たる男性が、
客であるヒロインやその周辺の人々の関わる「謎」を解き明かし、
冒頭で疲れ果てていたヒロインは、徐々に店長に惹かれていく……という、
はやりもののお約束みたいなあらすじなんだけど、
興味の引っ張り方がうまいし、展開にも意外性があって
人気が出るのも納得のおもしろさ。
一部、スープや料理が関係ない謎もあったけれども、
話のおおもとには、その設定なければならない必然性がきちんとあった。
何よりスープがおいしそう。
「頼まれてもいないのに、客の問題に首を突っ込む店」
という設定がもともとあまり好きじゃないので、
個人的な好み度は低くなってしまったけど、
通勤・通学のおともとして気軽に楽しく読めるし、
この系統の本が好きな人にはおすすめ。