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★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
一二一九年、鎌倉幕府三代将軍・源実朝が暗殺された。
朝廷との協調に努めた実朝の死により公武関係は動揺。
二年後、承久の乱が勃発する。
朝廷に君臨する後鳥羽上皇が、
執権北条義時を討つべく兵を挙げたのだ。
だが、義時の嫡男泰時率いる幕府の大軍は京都へ攻め上り、
朝廷方の軍勢を圧倒。
後鳥羽ら三上皇は流罪となり、六波羅探題が設置された。
公武の力関係を劇的に変え、
中世社会のあり方を決定づけた大事件を読み解く。
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『応仁の乱』の便乗本かと思いきや、
依頼自体はずっと前に受けていたとのこと。
「スポーツ万能で和歌の才能もある=優れた『治天の君』、じゃないだろう」
とか、
「鳥羽院が呪詛ではなく、実朝のための祈禱をさせてたとか信じがたい」
とか、気になるところや飛躍してるように感じるところもあったのだけど、
好きな時代なので、楽しかった。
頼朝死後、鎌倉で起こる粛清の嵐。
武家政権というのは史上初のシステムだったんだから
そりゃ最初はうまくいかないよね……と思う。
平家は基本的に「一門」だったけど、
鎌倉は坂東を中心とする田舎者の寄せ集めだったんだし、
「俺が俺が」「あいつばっかりズルい」→「滅ぼそう」
となるのも無理ないよ。
大江広元や三善康信は、
システムの構築・運営者として招聘されたので
他とは立ち位置が違ったのもあるだろうけど、
よく消されなかったな……。
大江広元の息子が、後鳥羽上皇側についた理由は
わからなかったので調べてみたい。
そして、この時代、本当に血統がものを言ったんだなと
つくづく思った。
阿野全成の息子までが将軍になろうとしてたとは。
敵を滅ぼした後、「とにかく男子は殺すべし!」となるのも、
こういう面倒を避けるためだったんだな。