金木犀、薔薇、白木蓮

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大河ドラマ『いだてん』#38

2019-10-06 20:46:30 | 大河ドラマ「いだてん」
作中の展開は重苦しくて、胸がつぶれそう。

軍部は「日本にギリシアなんかの火を持ってくるな」と
「聖火」ならぬ「神火」を掲げて走らせろと言いだすし
(↑これがいちばん「話の通じなさ」を表しててきつい)、
会場の設営に資材を出せないから木で作れと言うし。

イギリスとフランスにはボイコットを表明されて、
国中の非難を一身にあびることを承知で
副島氏はオリンピックの返上を決定。
両隣に誰も座らないって、地味につらい……。
この人、伯爵だったのだから、
個人としての体面も大切だっただろうに。

オリンピック目指して頑張る勝にどう伝えたらいいのか、
という四三に代わり、即座に「オリンピック中止!」と
告げるまーちゃん。
彼ももう、傍若無人男ではないのだよね。

「東京じゃなくヘルシンキでオリンピックをやるなら
 それでいい」
と言いきった勝も、学徒出陣で戦地へ送られてしまう。

嘉納先生がオリンピックのために作った競技場が
若者を戦地に送り出すのに使われるのも、
オリンピックに近いところにいながらも
戦争のために夢を散らされるのも、
政治とは無縁でいられないオリンピックの性質を
露骨に表しているようで胸が痛い。

オリンピックを来年に控えた今の日本だって、
政治的なイデオロギーとしては
かなりまずい方向に行っているのはわかるので、
単純に「過去」としてはドラマを見られない。

【その他いろいろ】

・嘉納先生とそれほど深い付き合いがあったわけでもないだろうに、
 先生の死に大泣きする清さん。
 なんというか、こういう屈託のない人って、いいよね。
 ムードに流されて自分で勝手に盛り上がってるだけにしても
 本人の中に嘘はないのよね。

・「あんな手のかかるおじいちゃんが
 死んだらただのいい人になってしまう」
 永井先生も可児先生も、嘉納先生のこと、面倒な人だと思ってたのか。

・辛作が四三のこと、
「家賃も払わない役立たず」
 とはっきり言い、スヤさんが
「役立たずは言い過ぎ、あとはおおむね同意」
 と応じたの、笑った。
 ってか、家賃払ってなかったんか!!
 おどろくほどに真性ニート気質。



 
コメント (2)
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