金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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76ー78:野田彩子 『潜熱』1~3

2020-04-17 12:28:27 | 20 本の感想
野田彩子『潜熱1~3』 (ビックコミックス)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

ヤクザ×女子大生…それは危うい、純愛。

コンビニでバイトしている大学生の瑠璃は、
毎日必ず同じ銘柄のタバコを二つ購入する
中年の男・逆瀬川のことが気になっていた。
思い切って逆瀬川に声をかけた瑠璃は、
同乗する車の中で、自分の心の中に
未知なる熱い火が灯るのを自覚し――

ヤクザと女子大生の、危うく切実な恋物語…第1集。

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漫画。
ずーっと3巻を積んだままになっていて、ようやく読了。

恋は理屈じゃないよね、というのを
これでもか! ってくらい描いているように思う。
おっさんのセクハラみたいなこと言いたくないけど、
結局、生殖本能に突き動かされてるんだもん。
ヤクザだろうが、女癖が悪かろうが。
まわりにどれだけやめろと言われても、
客観的な情報としてやめた方がいいとわかっていても、
聞く耳なんか持たないよね。

まわりがギャーギャー騒ぎ立てるのが、子どもの恋愛っぽくて
ヒロインの設定にはあっている。

ヒロインが元奥さんとそっくりなのは、ちょっと気持ち悪いと思った。
いや、一貫してるからそれはそれでいいのか……。

言葉じゃなくて絵で見せるムードが好き。

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75:工藤重矩 『源氏物語の結婚 - 平安朝の婚姻制度と恋愛譚』

2020-04-17 12:17:37 | 20 本の感想
工藤重矩『源氏物語の結婚 - 平安朝の婚姻制度と恋愛譚』 (中公新書)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

平安時代の婚姻制度は法的に一夫一妻制であり、
正妻とそれ以外の女性たちとの間には立場・社会的待遇に大きな差があった。
恋愛譚としての『源氏物語』は、
正妻の座をめぐる葛藤がストーリー展開の要となっており、
婚姻制度への正確な理解を踏まえてこそ、
はじめて紫の上、明石の君ら、作中人物の心情を深く味わうことができる。
一夫一妻制をキーワードに『源氏物語』の構想を読み解く、かつてない試み。

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平安時代は一夫多妻制じゃない! 一夫一妻制である、
ということを当時の法律や実在の人物の人間関係、物語を用いて
説明している。

『源氏物語』はこういうストーリー展開にするために、
この人物の境遇や性格をこう設定した、という分析がおもしろい。
そして、毎回言っているが、知れば知るほど光源氏をぶん殴りたくなる。
当時とは、制度やそれに伴う人々の感覚がちがうのは百も承知だけど、
明石の上はつくづく気の毒なことだ。

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