金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

69:和泉かねよし『二の姫の物語』

2024-04-04 19:00:40 | 24 本の感想
和泉かねよし『二の姫の物語』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
戦乱の世、姫と家臣という身分を超えた絆(きずな)で結ばれたふたりがいた―――。
やがて、避けられぬ運命に翻弄(ほんろう)された時ふたりが選んだ道は―――――?
●収録作品/二の姫の物語/サーキットの女王様/地上20mで会いましょう
 
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初めて読む漫画家さん。
ずいぶん前に買ったのを積ん読していたので記憶もおぼろなんだけど、
確か、SNSでフォローしてる歴史好きな人が勧めていて
知ったんじゃなかったかな?
 
読み始める前は「絶対私が好きな話じゃん!」と思ったのだけども、
意外に淡々と冷静なまま読了してしまった……。
ヒーロー・ヒロインの美点が「設定」だけで、
実際に感じられなかったからなのかしら。
そして、架空の国とはいえ、ベースは中華もの。
この国では閨閥が権力に結びついていないんか?
とか、国のシステムのあやふやさも気になった。
短編だし、そこがメインじゃないのはわかってるけど、
皇位継承がストーリーにかかわってくるなら、
おざなりにしちゃいけない部分だと思う。
がっつり説明はしなくても、解釈できる程度の匂わせは
しておかないといけないと思うのよね……
 
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68:辻村深月『この夏の星を見る』

2024-04-04 18:48:18 | 24 本の感想
辻村深月『この夏の星を見る』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
この物語は、あなたの宝物になる。

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。
顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。
コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、
望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も
今年は開催できないだろうと悩んでいた。
 
真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。
27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、
「長引け、コロナ」と日々念じている。
 
円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。
高校三年生で、吹奏楽部。
旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、
やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。

コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で
大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。
しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。
リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。
スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
 
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最近出たコロナ禍の物語、作者は辻村深月。
ということで、模試や入試等、あちこちで使われていた作品。
 
まあとにかく分厚くて、読むのに一週間かかってしまった。
しかし、作者のネームバリューというか、
「時間を費やしても、無駄にはならないだろう」
という信頼があり、読了。
 
3つのパートが交差する第3章から、ぐぐっと引き込まれる。
オンラインで一堂に会したとき、遠い場所に住む彼らが繋がりあい、
理解者を得る流れに胸が熱くなる。
 
小説の中に新型コロナが出てくると、
なんだか息苦しくて嫌だなあと思っていたし、
それを出す意味というのが感じられない作品が多かった。
でも、これはちょっと違って、
「今を描く」「今を切り取る」ことの価値を初めて感じられた。
Zoomのシステムに戸惑う気持ちなんかも忘れていたな~。
やっぱり喉元を過ぎると印象が薄れていく。
 
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