「枕草子」が好きだという自覚はあったけれど、
私、中関白家のファンでもあったんだな。
このドラマにおける中関白家の描写がつらいということは。
史実の道隆が政治的にどうだったかというのは
まったく知らないんだけども、
疫病を放置して自己中心的に振る舞う道隆も、
調子に乗りまくる不遜な伊周&隆家も、ダメすぎる。
アホ父・アホ兄弟の振る舞いのせいで、
のちのち窮地に追いやられる定子さま……
悲田院に乗り込んでナイチンゲールやるまひろも、
同じくそこへ乗り込んで疫病に倒れた彼女を救う道長も、
疫病ナメすぎてるし、あまりにも現実離れしている。
それでも腹が立ったり、うんざりしたりしないのは、
「これらの体験がのちに源氏物語につながる」
「道長が権力を追い求める理由になる」
と、今後の道筋が見えているから。
中関白家の描写も、つらいことはつらいが、
はっきり「詮子の不興を買った」ということをここで描く意味はわかるので、
受け入れられる。
そして、序盤から、びっくりするほど開き直って創作してるんだけども、
それでも登場人物の人物像や思考パターンが一貫していて、
ストーリーとして筋が通っているから、気にならない。
16話も見てきて、「うまくないな」と思ったの、
結婚がらみで急にまひろの知能が下がった点と
兼家パパの死後に急に道隆がキャラ変した点しかない。
そして、今回の大河ほど、教養の価値を感じたドラマもない。
序盤から頻繁に差し込まれていた源氏物語のオマージュもそうだけれど、
今回の「香炉峰の雪」なんて、その最たるものじゃないだろうか。
中学・高校で古典をやっていなかったら、
「来たー!!」にはならないもんね……
ドハマリはしないのに、とにかく「うまい!」と感じる作り。
【その他いろいろ】
・さわさん……現実にもこういう人がいるよね。
道綱にまひろとまちがえられたのも、
教養がなくて蜻蛉日記の話についていけないのも、
まひろのせいではないのにね。
・隆家が無作法で無礼すぎて、腹立たしい。
「刀伊の入寇」でちゃんと名誉回復してくれるのか??
・行成くんの道長ラブ、周知の事実だったことがなかなかの衝撃。
・雪で戯れる帝&定子さま&公達ズ、まぶしい。
・一条天皇&定子さまのラブシーン、美しすぎた。
・「穢れた身」であることを逆手にとって、道兼を仲間にする展開!!
みんな好きじゃん、こんなの。
・明子さまではない女の存在に気づき、笑う倫子さまが怖すぎる。
・久しぶりの乙丸&百舌彦の従者コンビ、癒やし。可愛い。