金木犀、薔薇、白木蓮

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映画:『碁盤斬り』(再視聴)

2024-10-07 18:43:04 | 映画の感想
2024年の映画⑨『碁盤斬り』(白石和彌 監督)
 
【シネマトゥデイのあらすじ】
 
いわれのない嫌疑をかけられて藩を離れ、
亡き妻の忘れ形見である一人娘・お絹(清原果耶)と共に
貧乏長屋で暮らす浪人・柳田格之進(草なぎ剛)。
落ちぶれても武士の誇りを捨てず、
趣味の囲碁にもその実直な人柄が表れており、
うそ偽りない勝負を心掛けていた。
しかし、あるきっかけから隠されていた真実が明らかになり、
格之進は娘のために命懸けの復讐を誓う。
 
********************************
 
アマプラに入ったので、再視聴。
4月の映画館で見たときと、評価は変わらず(→以前のレビュー)。
 
前半の変わっていく國村隼のヒロイン感(笑)、
草彅くんの己に厳しい寡黙な武士ぶり、
斎藤工のクズっぷりは相変わらずよかった。
 
しかし、2回目に見るといっそう、
「ストーリーの都合」を感じてしまうな……。
盗んでいないのに、疑いをかけられたこと自体が不名誉だとして
切腹しようとしたり、盗ってもいない五十両を用立てようとしたり。
このあたりは元の落語がそうなっているから仕方ないものの、
現代の価値観とのギャップを埋めるようなアレンジがほしかった。
 
逆に、1回目に見たときには都合良く感じた
キョンキョン演じるお庚さんが「約束破られたけど、約束自体を忘れたふりした」ところは、
理解できる気がした。
廓に売られて父親を恨んで生きてきたからこそ、
約束を守ろうとした格之進と汚れないお絹ちゃんを
そのまま守りたかったんだね。
そして、「こいつのせいで自分は遊女に身を落としたかもしれない」という相手と
結婚したお絹ちゃんの気持ちもわからなくはないよ……。
恋模様の描き方が足りないからこその唐突感はあるけど、
たとえ好意が失せていても、五十両のせいで大変なストレスを抱えた後で
大店の跡取りとの結婚ははねつけられないでしょ。
どんなに誇り高い武士の娘であっても。
父親に再就職の望みはないうえに、相手にはこちらに対する引け目がある。
頼りないが善良な男だし、しっかり者の自分ならコントロール可能、という算段も
ゼロではなかったはず……
 
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