金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

213~222:小玉ユキ『青の花 器の森〈1〉~〈10〉』

2024-10-20 17:21:01 | 24 本の感想
小玉ユキ『青の花 器の森〈1〉~〈10〉』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
長崎・波佐見を舞台に始まる、器と恋の物語

波佐見焼きの窯で絵付けの仕事をしている青子。
その窯に、海外で作陶していたという龍生がやってきた。
無愛想で人を寄せ付けない龍生に「絵付けされた器に興味ない」と言われ、
自分の生き方まで否定された気持ちの青子だが、
反発しながらも龍生の器に惹かれていき…?
器に魅せられた男女が出会ったことで、大人の恋が動き出す--!
 
****************************************
 
2年前に1・2巻を読み(→当時の感想)、
「題材はものすごく好みなのに、相手役の男のキャラが嫌い」
という理由で3巻以降に手が伸びなかったのだけれども、
わけあって読むことになった。
当時と変わらず、
「どんなつらい過去があろうが、どんなにイケメンであろうが、
 全くの他人に対して失礼な態度を取るやつはダメ!」
と思っているし、デレたところで印象がプラスにはならなかった。
でも、ヒロインと彼が互いに惹かれあっていくのはわかるんだよね。
外見とか性格も影響しないわけじゃないけれども、
何よりクリエイター同士の才能の引力、化学反応みたいなものが起こす感動が
恋愛につながっていく。
 
7巻までは非常に楽しく読んだ。
8巻でヒロインが「別れる」と言い出して、ちょっと白けちゃった。
ストーリーとして、付き合い始めた後も「困難乗り越えるべき困難」を
設定しなきゃいけないのも、
このトラブルによって二人が過去を乗り越えたという成果が
もたらされたのも、理解はできる。
でも、
「どうせヨリ戻すのに、作劇の都合でそういうこと言い出すなや……」
と思っちゃうんだな。
ヒロインがそうするに至った理由も、
過去のエピソードとして前もって描かれてるから、上手に処理はされていたんだけど。
この「別れる」エピソードがなかったら、もっと好み度は高くなってた。
 
余談だけども、「才能や能力」と恋愛感情のリンクは、
理解できない人もいるみたい。
というのも、ある過去の朝ドラをサブスクで見ていたとき、
「今まで恋愛感情みたいなのが全然描かれてなかったのに、
 急に結婚とか好きだとか言い出して唐突すぎる」
みたいな感想をいっぱい見かけたから。
いや、(確かにあんまり出来のいいドラマではなかったけど)、
互いの才能のきらめきに惹きつけられてるのは
かなりエピソードを積み重ねて丁寧に描かれてたじゃん!?
感情の動きというのも割と記号化されていて、
「相手のかっこよさにドキッ」
「優しくされてドキッ」
みたいな場面がないと、視聴者や読者に恋愛感情として受け取ってもらえないのかも……
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大河ドラマ「光る君へ」♯39 | トップ | 大河ドラマ「光る君へ」♯40 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿