吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

【独自】青葉容疑者の治療チーム「真相を解明するため治療した」 その2

2020年06月03日 06時36分23秒 | 日記
 10か月振りに京都アニメ放火殺人事件の容疑者が退院した。90%全身熱傷の救命は極めて難しいということは10か月前のブログでも述べた。人出はかかる、お金はかかる、何よりも急性期は片時も目が離せないのである。自分も過去、百例くらいの全身熱傷の治療に携わったので想像できるが、今回担当医は途中で放り出したくなることも何回もあったはずである。まずはよくぞここまで回復させたと賛辞をおくりたい。そして途中あきらめかけたときの軌道修正のmotivationは「この人を助けたい」という思いなのであるが、今回はそうであったのだろうか? 大量殺人の容疑者である。途中、おそらくいろいろな葛藤も主治医にはあったと思うが今回のインタビューで「真相を明らかにしたいから」と言っていた。たぶんそれは嘘である。
 自分がこの主治医の立場だったらそうは思わない。全国から注目されている。しかも全国の「同業者」から救命できるかどうか見られているのである。自分だったら「同業者に対する意地」としかいいようがない。彼らも同じだと思う。でもTV的にはそうは言えないんだろうなぁ。