牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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食べかた上手だった日本人

2009-01-13 14:33:35 | 酒の本棚(書評?)
年末年始、いくつかのテーマ(ジャンル)で本を数冊ずつ読みました。

多くは小説なのですが、ちょっと時事的なものも。



例えば、この2冊


末松広行(2008):食料自給率の「なぜ?」~どうして低いといけないのか?(扶桑社新書039)、扶桑社、185p.


魚柄仁之助(2008):食べかた上手だった日本人~よみがえる昭和モダン時代の知恵、岩波書店、176p.




  ところで、酒ブログの人気ランキングです。本ブログは順位をキープできているかなぁ?


前者は昨年12月、後者も10月発行の新しい本です。

どちらも、低い食料自給率に象徴されるわが国の食料事情について論じていますが、前者は自給率の数字から食糧安全保障へと、かなりストレートに論理を展開しているのに対し、後者は、食料自給率が80%を超えていた昭和初期の家庭雑誌等のレシピ等を読み解きながら、ソフトに語っています。


それぞれ新刊ですし、手に入りやすいので後は実際にご覧頂くこととして、後者の「お酒絡みのところ」を少々紹介。


昭和の初期は、入手し難い、というだけではなく、「模倣」としての代用食も結構あったようで、「スピード・マヨネーズ」や「玉子のからすみ」「肉代わりのミート」など、いろいろと面白いレシピが出ています。

確かに、時代的にあっているかどうか分かりませんが、電気ブランとか赤玉ポートとかも、ある意味では模倣アルコールかもしれません。

で、それに引き続き、「生葡萄のジュース」というレシピが出てきます。これは、葡萄を潰して砂糖を入れ、炭酸に注意しながら保管する、というもの。
(この本にも同じ突込みがありますが)これって、ワインそのものです。

続くレシピには葡萄を潰し、水と砂糖を混ぜて煮立てる「葡萄ジュース」もあり、こちらには「アルコール分がありませんから、お子様や御病人の飲物として結構です」という注意書きがあるというから、、、、、、本当にそのつもり、なんですね!!

その他、蒸し米と麹に湯冷ましを注ぎ、数日置いておく「固練甘酒」もあり、これもまた「どぶろく」のプロセス。


東急ハンズで売っているノンアルコール・ビールキットの説明書きご丁寧にも「ここで砂糖を多く入れてしまうとアルコール度数が1%を超え、違法となるので注意しましょう」と書かれているのと同じことですね。


幸い、冷蔵庫には本当の日本酒もあることですし、「玉子のからすみ」を作って肴にしてみることとします。

★★★
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