きっと、いいことあるよね!

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「あの戦争と日本人」半藤一利さん

2016-04-26 | 読んだ本
「あの戦争と日本人」半藤一利さん

久しぶりに近代史をまた勉強しようと借りてみたが、あまりのぶ厚さと字の小ささで「これは読めない・・」と思う。しかし、どういうわけが手に取ってパラパラめくると、案外引き込まれてしまって(文章の読みやすさや、近代史に対する熱意?のようなものかも)読み始めてしまった。でもたぶん読み終わらないと思う。

まだ半分にも達して無いが、たぶんこの先読めるかどうか分からないので、メモ程度に感想を書くと、これを読むとまた近代史観が変わる気がする。

というのは、この方曰く、先の大負けした戦争は「日露戦争」から始まっているのだ、と言う。

日露戦争は名こそ「勝利」になっているが、ボッロボロの状態で、日本はもはや終戦せざるを得ない状況にあったそうである。(戦死の人数は日本の方が多いぐらい?)だからこそ賠償金も要求せず、アメリカの仲裁で南樺太と、朝鮮半島の権利ぐらいで引っ込んだそうなのだ。(それは政府筋の慎重な正しい判断だったと言う)

しかし、そこで桂さん(元総理)始め、偉い人たちが勲章をもらってしまって、「ボロボロで負けた」というのを認められない状況になり、日本は勝った勝ったの騒ぎになってしまったわけである。だから国民は「どうして賠償金がもらえないのか!」「また白人達にいいようにされているのか」という暴動が起きているぐらいなのだ。(またマスコミもこれを煽った)

その下地があっての国民の憤りと身の程知らずが暴走を招いたという。日露戦争をもっと冷静に分析し、自分達の実力を思い知るような正しい判断ができていなかったようである。
またこの時に「あのロシアに勝った」と言うので、中国やベトナムが日本を目指して助けてもらおうと色目をつかってくる(留学生も増えた)それをやがて日本は追い出しにかかる。自分達の目指すは列強であり、アジアの人間を見下したのだ。(そこで孫文にも嫌われたと書かれている。それがなければ中国との関係も変わっていたかも。)

日支事変の時期に、蒋介石と和平工作できるチャンスがあったのだが、日本の軍隊がたまたま勝ったりしたので図に乗って政府も和平条件を急に吊り上げる(賠償金を求める)たりして、チャラになってしまう。政府は慎重で軍部がイケイケだったように書かれるが、実際はそうではなく、このチャンスをつぶしたのは近衛内閣だったそうだ。先の日露戦争の不甲斐なさの国民の怒りもその根底にはあった。。。

やっぱり読んでみると面白いと共に、今の政治の雰囲気もこの当時のにおいがしなくもないような気もする。
「日本人はこんなに素晴らしい」というニュース記事を読むのはうれしいけれど、本当にこの時代の↑驕ったるぶりとどこか同じにおいを感じなくも無い。日本人も素晴らしいけれど、他の国の人達にもいいところがいっぱいあるはずである。自分達だけが素晴らしいのではないような気もする。


でも近代史はやっぱり面白い。読むのにエネルギーも時間も掛かるのが難点だ。
たぶんこの本は読みきれないだろう。仕事もしなきゃならないし、食事も作らなきゃならないし、家は片付いて無いからイライラしてしまう。それに近代史なんて、本当は自分の人生と何の関係も無い。

定年になったら(そんな日が来るのかね)、やりたいことがたくさんある。
でもたぶん、できないだろう。
その頃は本が読めなくなっているかもしれないし、気持もやる気がなくなってるかもしれない。佐野洋子さんが老年ぺ・ヨンジュンにはまっているくだりを読んでそう思った。弱音は吐きたくないが自分のブログなので吐かせてもらう。よその家なら夫婦2人でやっていることを1人でやっているのだから、どうしたって無理があるんだよ。
たぶん、定年になったら何も考えたくない、何もしたくないと思うかもしれない。


12 コメント

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よく勉強されてますね (かっつん)
2016-04-26 08:15:01
確かに最近日本のことを自慢するような風潮は出てますね
でも僕が思うに今までが自虐し過ぎてたはず
冷静に考えて自分たちはもっと誇りを持った国民になるべきなんです
この辺が愛すべき日本人 へりくだり過ぎてたと思う

自慢したところで侵略戦争はしないだろうし、国民もそこまでは絶対に許容しないと思います
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おはようございます^^ (kao)
2016-04-26 09:19:43
うーん、ほかの国の方の素晴らしさの
ニュースになかなかお目にかかれないから、
日本人を誇るのと同じくらいこの国のひとは
こんなところが素晴らしいよ!という記事も
同じくらい載るといいですね^^!!
人類捨てたものではないと思えるように、
いろんな国のいいところを学べたらいいですよね。
sakeさん、お疲れになったようですから、そう、ほかのところは二人でやっていること一人でされているのですもの、
すこし手を抜いて楽になさったらいいのではないかなと
思います。本当にお疲れ様・・。
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>かっつんさん (sake)
2016-04-26 09:27:01
たしかにたしかに!そうですよね。
今まで自虐過ぎた面があります。それらはGHQや勝利国の思惑で思い込まされている面もあるのですが、そういうことが伝えられてないんですよね。

かっつんさんの言われるようにもっと日本人として誇りを持つべきだと思います。
それにはもっと近代史を勉強するように教育も改革すればいいのになぁ~そうすれば若い人も政治にも興味を持てると思うのです。でもよく考えると、私も本を読むたびに考え方がブレます。
何をもって教科書とするかがとても難しいですね。

あえて言えば悪いことがあるとすぐに「反日」というレッテルを貼ったりするような感じなのは、ちょっと行きすぎなのかなぁとも思います。
誇りを持ちながら、驕らず相手を見下げず、毅然と・・そんな風でいてほしいです。
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>kaoさん (sake)
2016-04-26 09:34:34
そうそうそう、日本人も素晴らしいけれど、他の国のこんなところも素晴らしいよ、こんな所は見習いたいね、みたいなのがあってもいいように思います。

政治だけではなくて、最近なんかギスギスしてますよね。
TVもすぐにクレームがついたり、ちょっと芸能人が何か言ったり書いたりすると炎上したり・・・みんな正悪病のように思います。(自分もそういう時期はあったので仕方ないですが)

この時期もその日露戦争の後始末が国民が納得いかない状態で、米英ロシアに対する恨みがあったわけです。その反面アジアの遅れてる国はバカにしてた。バカにするのはよろしくないですね。
最終的にみんな上下なくみんな仲良くできれば一番いいですよね。たしかに納得いかない他国の行動もありますが、あくまで冷静に平和に対応していただきたいものです。

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こんにちは! (きみちゃん)
2016-04-26 11:28:31
こんにちは!
学校の歴史!現代からさかのぼって勉強すれば!!って思っています。
現代、近代・・・近世を端折っているから・・・
皆さん!
関心がない!

気になったところ!リタイアして・・・夫婦は一緒???

別々の方が楽です。
いつまでも一緒にいられないし!
自分でやらなきゃならない!
同時にあの世にはいけない!

あまり・・・干渉しない!
何でもできる方が・・・楽です。

気楽にいきましょう!

お邪魔しました。
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>きみさん (sake)
2016-04-26 12:08:35
きみさん、初めましてですよね!(^o^)丿
こんにちは。
いつもどなたかのブログでお見かけしておりました。
ようこそです。

そうですか、夫婦へ別々の方が楽ですか。
そうですねぇ、いつも一緒にいても窮屈ですよね。
距離をおきながら、それぞれが自分のテリトリーを持つことが楽につきあえるコツかもしれませんね。

そして歴史はそうですよね。
近代から遡ってやればいいのに・・幕末から明治、大正、昭和・・その辺りの方が面白いような気がします。
そうすればもっと歴史を好きな子供が増えるかも。

幕末~明治時代の政治家さんは何となくスケールも大きい気がしますね。
50年後になったら、今の時代の政治はどう評価されているのだろう。もしかしたらケチョンケチョンになっているかもしれません。

これからもよろしくお願いしますね。(^o^)丿
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日露戦争 (みみ)
2016-04-26 17:24:29
司馬遼太郎の「坂の上の雲」にあったのですが 日露戦争ではロシア兵が楽な戦いをしたとか。
203高地を攻める時に決まって同じルートで突撃するので待ち構えて撃つだけ。
203高地を指揮していたのが明治天皇に殉じた乃木将軍。
乃木将軍の同期か誰かが「これじゃ無駄死だ!」と激怒し別方向から攻撃しやっと陥落した・・・ようです。

当時は戦争の資金集めも大変だったようですよ。
各国からの借財を全額返済し終わったのは太平洋戦争後だったと言う話です。
でもそれが現在の日本の「円」とか「日本人の律儀さ」として評価されているのでしょうね。
どこかの国のように日本から引き出せるだけ引き出し返済をしない国は信用されませんって。

私も近代史から遡る歴史の方が良いと思っています。
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sakeさん、久しぶりに、貴女の素晴らしい読後感というか、本の解説を読ませて戴きました。 (武人)
2016-04-26 22:28:25
sakeさん、こんばんわ
ご無沙汰している間に、間もなく、GWの大型連休がやって来ますね
なかなか、ご訪問も出来ずに、たいへんご無礼をしておりますが、久しぶりにコメントを書きこみさせて戴きます。
貴女のプロ級の読書感想文を読まさせて戴きましたが、

あの日露戦争に、そういう歴史の事実があったとは・・・、もちろん、そういう内容での日露戦争の勉強はしていないよね・・・
学校の教科書に載っているような歴史の裏には、常にどんな時代も、我々が知らない事実が隠されているかも知れないね・・・
sakeさんのおっしゃる通り、今現在進行中の中にも、我々が知らないことが多いのじゃないのかなあ・・・
流石に、いつも、感心しながら拝読させて戴いているけど、ホントに貴女は本の解説を上手く、ポイントごとにまとめておられますね・・・素晴らしいです。

私も仕事柄、ずっと何十年も書類作成で、白紙のところにたくさん文章を作って来ましたが、貴女には負けますわ・・・素晴らしい文章力です・・・
また、一つ、勉強させて戴きました・・・有り難うございました。
GWは不通に連休があるのですか・・・何処かお出かけの計画でもなさっておられますか・・・
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>みみさん (sake)
2016-04-27 10:27:50
みみさんは政治も歴史もよくご存知ですね。
私は最近本を読んで、かじり始めたばかり。。とても勉強になります。

日露戦争はその最後の決戦(海上戦)こそ勝ったものの、他では苦戦で死傷者も多かったよう(20万人とか)。。。みみさんの言われるような状況も想像できますね。
本を読んで、何となくですが、当時の日本って、欧米からみたら、今のISIS団みたいな感じだったのかもしれません。(私の想像ですが)

みみさんの言われるようにどれだけのお金が戦争に回って、その分庶民の生活が苦しかったことも具体的に数字をあげて書かれてました。
かなりの比率だったようですね。太平洋戦争後までお金を返し続けていたのですか。やっぱりあの戦争は間違っていましたよね。政治力がなかったのだなと思います。

この著者さんは昭和5年生まれ、戦争賛美の教育のど真ん中におられたのに、戦争にはとても冷めた目をしています。
もっと政治力を使って回りの国から憎まれず、うまいもって行き方があったのではないかと思ってしまいます。
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>武人さん (sake)
2016-04-27 10:41:10
武人さん、こんにちは~おひさしぶりです。
私の方こそご無沙汰してしまって申し訳ありません。

歌に読書に忙しくしています。
今日は久しぶりに読んだ近代史ものです。
あれからまた読み進めてやっと半分までいきました。難しそうな所は飛ばし読みです。もともと近代史を知らないので、名前が出てきても分からないことはたくさんあります。読んでもすぐ忘れてしまうので、自分が後で思い出せるように要点をかいつまむことにしました。

日露戦争の後始末は、ロシアは日本が折れなかったらもう一度軍隊をよこすぐらいのつもりでしたが、日本はもう戦えなかったので、驚くほどあっさり譲歩したそうです。その頃はロシアの力が強く、アメリカもイギリスも警戒していて、日本寄りだったのでしょう。日英同盟もあったし。でもそのことを省みず、自分達の力を過信して、アメリカやイギリスを怒らせ、なりふりかまわず次の戦争に行ってしまった感がありますね。

当時、それを見据えて日本はおごらず小さい国でいるべきだ、という政治家もいたのですが、軍隊が強くなって、そういう人はどんどんクビになります。また国民も日露戦争の実態を知らないので、そういう威勢のいいのを喜んだ。。。またアメリカやイギリス、ロシアもそんな日本を叩きたかったので、どんどん苦しい状況に追い込んで、参戦を始めるとペチャンコに叩いた。。。というのがどうも第2次大戦の実態らしい。

この著者の方は今のナショナリズム主義、改憲問題、集団的自衛権も警戒しています。
これは2011年の本ですが、もっと新しいこの方の本も読みたくなりました。また何かあったら、書いていこうと思います。
自分自身が分かってない初心者なので、そのような人が分かりやすいように書きたいです。(^_^;)日本に幸あれです。
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