元横綱朝青龍が故郷モンゴルに帰郷しました。日本と違って風当たりが暖かい故郷で口が滑らかになったのか、日本では口にしていない本音と思われることを言っています。曰く、「マスコミで報道されたような殴ったという事実はない」「自分を辞めさせたいと思っている人たちがいた」「30回以上は優勝できる力があった」などなど、思いのたけを述べました。
が、しかしです。これってどうなのでしょうか。朝青龍のアスリートとしての能力は認めますし、日本の相撲界を盛り上げた功績も評価に値します。しかし、朝青龍と衝突した日本の相撲界の古い因習という問題は別にしても、この二枚舌は正直に言って、はしたないと思います。本当の品格の問題だと思います。
上記のようなことが本当なら、日本でもそう主張すべきでした。しかし、それをしなかったのは、引退ではなく、解雇されると、退職慰労金をもらえなくなるなどの不利益を回避したかったからでしょう。また、暴行事件に関して言うと、泥酔していて覚えていなかったとの報道もあり、「殴っていない」と断言できる状況になかったと推定されます。とすると、上記の発言は虚偽にすらあたります。
横綱という地位をはっていた人が、いくら故郷で気持ちが緩んだからといって、こうした発言はやめてほしいと思います。こういうところが、最後まで相撲道を理解しなかったということがしみじみ感じられてさみしくなります。彼自身の実績すら汚してしまうことになると思います。それでも、こうした発言をした方が故国では彼の評価を上げることになるということを計算してのことであれば、もうこれ以上言うことはありませんけども。