忠利公に殉じた田中意徳については、綿考輯録は特にページを割いている。先にご紹介した 田中意徳なる人物 をご理解いただくために全文をご紹介する。
タイピングしかかったが長文であるためスキャンすることにした。読みにくい点はご容赦願いたい。
細川家家臣田中威徳と、お菊物語のお菊殿を祖母とする池田家医師・田中意徳とは、まさに別人であるとの確信を深めさせる。
江戸名所図屏風―大江戸劇場の幕が開く (アートセレクション) | |
小学館 |
わが本棚に江戸と冠する本が十数冊ある。(小説などは別) そして、250年に及ぶ江戸の歴史のどの部分かをちゃんと理解していないまま、まったくあやふやな状態でページをめくっている。嘉永の切絵図などを見て、辰の口に在ったという加賀前田家の場所を探すというような馬鹿なことをやっている。草創期の江戸を知るうえでは面白そうな本のようだ。
草創期の江戸のにぎわいを描く一大パノラマ、濃密な民衆の生き様が展開
我々は、「江戸」というイメージを、どのような形で掴んでいるだろうか。江戸といえば、歌舞伎や浮世絵をすぐさま脳裏に浮かべる人が多い。だが、現在実際に目にする歌舞伎や浮世絵は、江戸時代後期以降の形態をとらえているにすぎない。つまり、250年におよぶ江戸時代のうち、18世紀以降の終わりの部分のみが、江戸のイメージ・ソースなのだ。 では、もっと古い江戸の姿、家康が開府したころの江戸の様子を探ることはできないのだろうか。そこで都市建設途上で、荒々しく活気ある江戸市街が町人たちの生活風俗とともに描かれている『江戸名所図屏風』がその手掛かりとなる。江戸庶民のエネルギッシュな描写、草創期の江戸のにぎわいを鑑賞しつつ、楽しく散策していく本。