Sightsong

自縄自縛日記

ロスコー・ミッチェル+デイヴィッド・ウェッセル『CONTACT』

2011-02-26 15:42:58 | アヴァンギャルド・ジャズ

ロスコー・ミッチェル+デイヴィッド・ウェッセル『CONTACT』(ROGUEART、CD:2002年録音、DVD:2004年録画)を聴く。ロスコー・ミッチェルのリーダー作を買うのは、『Nine to Get Ready』(ECM、1997年録音)以来だから久しぶりだ。本来は聴くべき作品がその間にもあったはずだ。

CDとDVDとのカップリング盤で、両方ともデイヴィッド・ウェッセルがノートパソコンと奇妙なエレクトロニクスを使い、タッチパネルのような機材にターンテーブルよろしく操作することでおかしな音を出している。ミッチェルはその横で、淡々とアルトサックスとソプラノサックスを吹き続ける。

ミッチェルの音は昔から大好きで、ここでも、微妙に外れた音を泉のごとく吹きだしてくる。このオリジナリティをうまく説明できないことが歯痒い。サックスの腕前で言えば、同じアート・アンサンブル・オブ・シカゴに属したジョゼフ・ジャーマンより遥かに上だ。CDでは様々な音の表情を見せるのに対して、ライヴを記録したDVDはそうでもない。しかし、プレイ中のミッチェルを観ることができるだけで嬉しい。

CD冒頭の長い2曲は、この2002年に殺されたドラマー、オリヴァー・ジョンソンに捧げられている。アルコール中毒からホームレスになり、パリの公園のベンチで喧嘩になった結果だという。ウェッセルもパーカッシブな音を多用し、ミッチェルとともにプレイを盛り上げる。デュオだけに地味ではあるが、実は聴けば聴くほどミッチェルの味が出てくる。

そういえばオリヴァー・ジョンソンが参加した加古隆やノア・ハワードとのセッションをしばらく聴いていないなと思い出し、とりあえずスティーヴ・レイシー『WEAL & WOE』(録音1972・73年)を棚から出す(寒いからレコードが面倒で・・・)。もともとLPは違う盤で、『WEAL』がソロ、『WOE』がジョンソン入りのレイシーのクインテットである。ジョンソンのソロはやはりすさまじく、型からはみ出しまくっている。

●参照(ミッチェル、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ人脈)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『苦悩の人々』
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『カミング・ホーム・ジャマイカ』
サニー・マレイ『アフリカへのオマージュ』
ムハール・リチャード・エイブラムス『Streaming』
ジョゼフ・ジャーマン
ドン・モイエ+アリ・ブラウン『live at the progressive arts center』、レスター・ボウイ
マラカイ・フェイヴァースのソロ・アルバム
マラカイ・フェイヴァース『Live at Last』


バンコクのThavibuギャラリー

2011-02-26 14:28:41 | 東南アジア

バンコクの宿で、「bam / bangkok art map」という月刊のパンフレットを見つけた。さすが大都市、こういうものがあると話が早い。空いた時間に、いくつかのギャラリーが入っている大きな商業施設シーロム・ギャラリアに出かけた。とは言っても鍵がかかっていたり搬入作業をしていたりして、なんだかあまり活気があるとは言えない空間である。その中の「Thavibuギャラリー」も、ちょうど主人の女性が鍵をかけて出かけようとしているところだった。ああっと言うと笑って入れてくれて、立派な卓上カレンダーまで貰ってしまった。

名前の通り、ここはタイ、ヴェトナム、ビルマ(ミャンマーは軍政による国名)の現代アーティスト作品を展示している。生活風景の絵もカリカチュアライズされたユニークな作品もある。ざっと見て良いなと思った作品は2点とも抽象画。

ファム・アン・ハイ(Pham An Hai)はヴェトナムのアーティスト、タイトルは「Past and Present」(>> リンク)。

クリットサナ・チャイキットワッタナ(Kritsana Chaikitwattana)はタイのアーティストであり、展示してあったのは「The Eye」というミクストメディア作品(>> リンク)。台湾、韓国、スペインでも個展を開いたことがあるらしい。

東京都現代美術館『東南アジア1997 来るべき美術のために』という良い展覧会が開かれたことがあって、まだ印象に強く残っているのだが、それから十数年経っても日本にはさほど「来て」はいない。できればもっと探索してみたいところだ。

ギャラリーを出てから隣のラオス料理店「Cafe de Laos」に入った。2008年にビエンチャンで食べた米の麺が旨かった記憶があり(>> リンク)、麺はあるかと訊いたが、なかった。生春巻はあるかと訊いたら、ない、それはヴェトナムだと笑っていた。そんなわけで揚春巻を食べた。

明日から今年3度目のバンコク。


朝まで生テレビ「国民に"国を守る義務"が有るのか!?」

2011-02-26 11:09:09 | 政治

友人のあれず・ふぁくれじゃはにさん(>> リンク)が登場するというので、久しぶりに『朝まで生テレビ』を観る(ただし録画で)。タイトルが「国民に"国を守る義務"が有るのか!?」となっているが、中東革命、尖閣諸島、北方領土、安保、中国、普天間などテーマはばらばらだ。

相変わらずの保守派がもっともらしい発言を繰り返すのには苛々させられる。田原総一朗を見るのも久しぶりであり、過去の戦争を正当化したり、保守派以外の出席者からの発言に理解が追いつかなかったりと、もう終わっている印象が強い。そんななかで、あれずさん、葉千栄さんが、現実を見ずに話をするな、イデオロギーで話をするな、帝国の存続自体を大前提に話をするな、と主張していたことに共感を覚えた。

糸数慶子の主張を受けて、もはや辺野古はムリだとする田原総一朗の断言には、誰も反論できなかった。この点だけはまともな判断だった。

ヴィジョンとは、権威ではなく知識をもとに、近視眼的ではなくその先の可能性までを視ようとする者しか持つことができない。

>> 朝まで生テレビ「国民に"国を守る義務"が有るのか!?」
>> あれずさんのブログより、「朝生で伝えたかったこと」