所用で川崎に出かけたついでに、中古レコード店「TOPS」を覗いた。確かにわかりにくい隙間、雑居ビルの2階にあった。さっそく段ボールのエサ箱突撃といきたいところだが、LPを持ちかえることができない状況であり、CD棚に向かう。
収穫は、石田幹雄トリオ『ターキッシュ・マンボ』(Five Star Records、2008年)。ブログ「あうとわ~ど・ばうんど」で頻繁に紹介されることもあり、聴いてみたいピアニストだった。本田珠也(ドラムス)とマティアス・スベンソン(ベース)とのピアノトリオ。
レニー・トリスターノやリロイ・ヴィネガーといった渋い選曲、チャールス・ミンガス「So Long Eric」、ディジー・ガレスピー「Salt Peanuts」、バド・パウエル「Parisian Throughfair」(表示はスペルミス)、マイルス・デイヴィス「Milestones」、ジョージ・ガーシュイン「I Got Rhythm」といった有名曲まで揃っている。
そんなわけで、どうかなと思いつつ、本田珠也の音も浴びたいので、大音量で聴いてみた。ピアノの音が一々立ち、曲やスタイルにおもねることなく攻め続けている。ノリノリの「Salt Peanuts」や「Parisian Throughfair」において三者が絡みつつ駆けぬける様には興奮させられるし、トリスターノ「Requiem」や自作「Waltz」での静かな演奏でも力を絞りだすプロセスが体感できて素晴らしい。そして最後のピアノソロ「Amazing Grace」にはさぶイボが立つ感動を覚える。これは凄い。
ときおりピアニストのうめき声が聞こえてくるが、実際の演奏は激しいもののようで、ぜひ目撃したいところだ。近々どこかで演奏しないかな。
本田珠也をはじめて観たのはたぶん1990年代の初頭、渡辺香津美や辛島文雄の後ろで叩いていた。ファースト・インプレッションは、何というやかましいドラムスか、やかましすぎる。その後、それは快感に変わった。
ところで、「TOPS」の近くにある「屯ちん」でラーメンを食った。豚骨スープにちょっと平打ちの縮れ麺で、サクサクとした食感。かなり自分の好みゾーンを直撃した。インスタントラーメン感覚にも共通していて、こういうものが好きなのは、散々カップ麺を食べてきたからなんだろうね。