2011年9月7日の午前10時11分に、デリーの高等裁判所前で爆弾テロがあった。その日の夜にブバネーシュワルからデリー入りする予定だったため、電話での確認に追われ、さらに空港に着いてみると待てど暮らせど乗るはずの飛行機が来ない。待合室ではテロの特集番組一色、「厳しい反テロ法が必要だと思いますか」との質問に対するfacebookやtwitterでの反応が募集され、随時紹介されていた。このあたりは日本より上である。
結局、デリーのホテルにチェックインできたのは午前2時半頃だった。
ブバネーシュワル空港の待合室にて
ネットで見た限りでは、日本での報道は最初の1回だけのようで、もちろんこの件に限らないのだが温度差が大きい(なでしこジャパンよりも大事件だと思うが)。9月10日の「Hindustan Times」紙では、爆発後に送られてきたメールを紹介している。その中には、次のターゲットは、デリーのショッピングモールやアーメダバードだというものもある。愉快犯かもしれないのだが、この報道だって重要である。
9月10日の「Hindustan Times」紙より
事件翌日のデリーで自動車での移動中、インドの仕事相手と雑談。
「いやそんなわけで、余り寝ていないから眠いよ」
「そうか。でもいちいち騒がないのが一番のテロ対策だと思うよ」
「ところで、ソニア・ガンディーが外国の病院から退院したんだっけ」
「あまり公表されていないんだけどね」
「ラジーヴ・ガンディーの何だっけ」
「妻だよ。ラジーヴの母のインディラ・ガンディーはシーク教を弾圧した反動で殺され、ラジーヴはスリランカのLTTEに殺された」
「ソニアの評判はどうなの」
「ラジーヴと結婚するときに恋愛騒動を起こしたし、ビジネスもやってるし、あまり芳しくないね。アンナ・ハザレを見習えっての」
「誰だっけ」
「活動家だよ。こないだ政府に抵抗してハンガー・ストライキをやってた」
「ああ、新聞で読んだ。アンナなのに男なのか」
「俺の妹もアンナだけど(笑)」
「ソニアと言えば、関係ないけど、サニア・ミルザ(※パキスタンのクリケット選手と結婚して国内でバッシングを受けた)の調子はどうなの。6年前にハイデラバード・オープンで初優勝したときは、ちょうどデリーで夕食を食べてたんだけど」
「ソニアはイタリア人で、サニアはインド人だよ。まあ、もうそれほど若いわけじゃないからね」
「でも20代でしょ」
「いや30代・・・ごめん、自信がない(笑)」(※あとで調べたら24歳だった)
「でも可愛いよね。鼻ピアスしてる」
「サニアと言えば、もうひとりインドには可愛いサニアがいるぞ」
「妹か」
「俺の妹はアンナだよ。いや、サニア・ネワルっていうバドミントン選手」(※あとで調べたらSainaとSaniaの2つのスペルがあり、どういうことなのかわからない)
「ワールドクラスなのか」
「去年のコモンウェルスゲームズ(※英連邦に属する国による4年に1回の大会)で優勝した」
「ふーん。ところで話が変わるけど、ターバンは誰がしているの」
「ターバイン(Turbine)?」(※発音はこのあたりではタービンではない)
「ターバン、ターバン。マンモハン・シンがしてるだろ」
「宗教によらないよ。何だろうね、伝統を重んじる人とかアピールする人とか」
「ふーん」